震度6強,6弱といった大きな震度を記録しても建物の大きな被害がない理由

 2026年6月25日,26日の岩手県沖,山梨県東部,あるいは,2025年12月8日の青森県東方沖の地震の時もそうでしたが,震度6強,6弱といった大きな震度を記録しても建物の大きな被害がない理由として,耐震対策や建物の耐震化が進んだというコメントがありますが,もっと根本的な理由として,地震動の性質があります.耐震対策や建物の耐震化が進んだことが原因なら,(数は少なくても)耐震性の低い建物には,大きな被害が生じるはずですが,そういうことは起こっていません.

 震度は,主として人がどれだけ強い揺れと感じるかを測っていて,周期(何秒に1往復するか)1秒以下の短い周期と対応しています.一方,建物が大きな被害を受けるのは,もっと長い1〜2秒です.つまり,1秒以下の成分が大きくなって震度が大きくなっても,1〜2秒の成分が小さければ,建物の大きな被害は生じません.そして,このようなケースが全体の8割を占めます

 2026年6月25日,26日の岩手県沖,山梨県東部,あるいは,2025年12月8日の青森県東方沖の地震の時は,まさに1秒以下の成分は大きいが,1〜2秒の成分は非常に小さいものでした(地震動解析レポート).

 対照的に,2024年能登半島地震,2016年熊本地震,1995年兵庫県南部地震では,非常に大きな1〜2秒の成分を含んでいたため,建物の大きな被害が生じました.例えば,2024年能登半島地震輪島は,震度6強ですが,1〜2秒の成分が大きかったため甚大な被害が生じています.

 最も注意すべきことは,震度6弱,6強といった大きな震度でこの程度の被害で済んだのだから,耐震対策や建物の耐震性が充分だと慢心しないことです.同じ震度でも,1〜2秒の成分を含んだ地震動が発生すると,大きな被害が生じてしまいます.

地震動解析レポート
地震動解析レポートの見方
震度や地震の揺れと被害に関する基礎知識
どうして1-2秒が出ると建物に大きな被害が生じるのか

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