1日目(10/25(月))
 
4時頃に柏崎を出発.小千谷方面に向かうが至る所で道路が通行止めで進めな
い.今回は道路の陥没,段差がひどい↓



6時過ぎに小千谷市役所に到着.小千谷市役所全景↓役所建物自体の被害はガ
ラスの破損,雑壁に軽微なひび割れ程度.

7時頃,
○JMA小千谷(本震:震度6強)↓に到着.

観測点の位置は下図を参照

消防署建物↓の裏に設置.

消防署建物の前の地面のひび割れ↓

周辺(半径200m以内)の建物被害調査を行う.建物全数は230棟程度.
周辺の様子↓





屋根瓦の家屋は少ないが,屋根瓦の家屋の屋根瓦の被害多数↓


ガラスの破損,外壁の軽微な被害,道路の陥没,ブロック塀の転倒.



やや大きな被害を受けた木造家屋↓




倒壊した物置のような木造建物↓ただし非常に老朽化したもので


すぐ脇の家屋は被害無し↓

周辺にも被害建物はない

1階がピロティーとなっている3階建RC造建物↓

の1階柱にせん断ひび割れ↓


鉄筋は丸鋼.横補強筋が90°フックではずれている.

裏手も外壁に損傷↓


範囲(半径200m)からややはずれるが,1階の駐車スペースが潰れた木造建物
がある↓

右側の母屋からはずれてこの部分のみの1階が潰れた模様↓

 
全体の印象としては,大きな被害は,非常に老朽化した物置のような家屋を含
めて全壊,半壊が数棟で,被害レベルは震度6強(木造家屋の8%以上が全壊)
には達していない.加速度や震度が大きくなる短周期地震動であった可能性が
高い.
 
○JMA小千谷から1kmほど西の全壊家屋

本震で左半分の2階部分が手前に傾き,余震で手前に崩落↓

住民の方は,本震で外に出られて無事とのこと.2階部分が崩壊という非常に
珍しいケース.裏手から見ると↓

2階が向こう側に崩落して1階が残っている.1階の内部は生存空間が残って
いるが↓

崩壊した2階部分は全く生存空間が残っておらず↓住民の方の命が守られたの
は不幸中の幸いだった.


前の道路で地盤の液状化による噴砂↓

マンホールの浮き上がり↓(右に立つ大月君の身長は173cm)


 
小千谷市内を車で見て回る.被害の状況はJMA小千谷周辺と同様で非常に老朽
化した家屋の倒壊が所々見られるが,ほとんどは特に被害は見られない.
 
12時頃,
○K-NET小千谷(本震:震度7相当)↓に到着

観測点の位置は下図を参照

小千谷小学校↓

の敷地の端にある.すぐ隣は田んぼ.
小千谷小学校建物は,非構造壁に被害が見られるが↓


廊下側の短柱にせん断ひび割れなどは見られない↓



その他には,渡り廊下の被害↓

隣の小千谷市民体育館の外壁とガラスに被害↓



周辺(半径200m以内)の建物被害調査.建物全数は150棟程度.
周辺の様子↓電柱の傾きが見られるが,

大きな被害を受けた建物は少ない.







屋根瓦の家屋は少ないが,屋根瓦の家屋の屋根瓦の被害多数.

外壁にやや被害を受けた家屋↓




倉庫に使われていた木造家屋が倒壊↓



残留変形が見られる木造家屋↓

範囲(200m以内)からはややはずれるが1階が潰れて倒壊した木造家屋が1棟


 
全体の印象としては,大きな被害は,倉庫に使われていた木造家屋の倒壊が1
棟,やや離れたところに1階が潰れて倒壊した木造家屋が1棟.その他に,や
や大きな被害(外壁の損傷)の木造家屋が3棟ということで,被害レベルは震
度7(木造家屋の30%以上が全壊)には明らかに達していない.観測された強
震記録の弾性加速度応答スペクトル(水平2方向ベクトル合成,減衰定数5%)
を見ると↓
    
0.5-1秒が卓越しており,建物の中小被害はもたらすが,建物の大きな被害を
引き起こす1-2秒の値は同じ震度7程度の1995年兵庫県南部地震のJR鷹取,葺
合より小さくなっいて,加速度や震度が大きくなるが,建物の大きな被害は引
き起こさない短周期地震動であったと考えられる.