木造全壊率50%という大変な被害になった益城町震度計では,1995年兵庫県南部地震で最大だったJR鷹取を大きく上回る1-2秒応答となっていることがわかります.また,今回の地震の他の記録が短周期が卓越しているのに対して,益城町震度計は,1-2秒が卓越したパルスになっています.
これに対して,全壊・大破率が0だった,同じく震度7の西原村震度計は,1秒以下の短周期が卓越していて,1-2秒応答の大きさに大きな開きがあることがわかります.ただ,その1-2秒レベルは,決して小さいものではありません.また,長周期成分がかなり出ていて,PGV(地動最大速度)が253cm/sにも達しており,もしここに超高層建物や免震建物があれば,大きな被害になった可能性があります.
波形が公開された自治体震度計の地動最大加速度,地動最大速度および計測震度を以下に示す.
観測点名 | PGA | PGV | 計測震度 |
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93048(西原村小森震度計) | 866.4 | 254.2 | 6.61 |
93051(益城町宮園震度計) | 897.4 | 183.5 | 6.77 |
また,弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を示す.
提案する算定法による震度を以下に示す.提案する算定法による震度は,0.1-1秒(計測震度=人体感覚,室内物品の動きに対応),0.5-1秒(建物の中小被害に対応),1-2秒(建物の大きな被害に対応)という3つの周期帯ごとの地震動強さを震度という共通の指標で見ることができるものである.
観測点名 | 計測震度 | 0.1-1秒震度 | 0.5-1秒震度 | 1-2秒震度 | 提案震度 |
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93048(西原村小森震度計) | 6.61 | 6.58 | 6.39 | 6.34 | 6.34 |
93051(益城町宮園震度計) | 6.77 | 6.23 | 6.01 | 6.87 | 6.87 |