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曲の分類

 クラシックの楽曲は,どういう楽器によってどういう演奏形態によって演奏されるかで分類されています.厳密に分類できないものもありますが,一般的には次のように分類されます.

管弦楽曲

 いわゆる管弦楽=オーケストラ(弦楽器,管楽器,打楽器など全ての種類の楽器の大人数による合奏)によって演奏される曲です.交響曲(Symphony)は,曲の様式の1つである「ソナタ」をオーケストラ(以下,オケと略すことが多い)で演奏する場合,その曲をそう呼びます.つまり交響曲=オーケストラソナタということになります.交響曲はほとんどの作曲家が取り組み,なおかつ気合いを入れて書くので名曲が多く,これが管弦楽曲と切り離されて分類されていることもあります.しかし分類的にはあくまで管弦楽曲(オケで演奏される曲)の一部に過ぎません.

 ちなみにソナタとは,基本的には3つあるいは4つの楽章からなり,その第1楽章にソナタ形式を用いて全体の中心的存在となるのが原則です.ソナタ形式とは,基本的に提示部(A),展開部(B),再現部(A),コーダ(C)からなり,最初に提示部で主題(一般には第一主題と第二主題の2つ)を提示し,展開部でそれを展開し,再現部で提示部で提示した主題を再現し,コーダ(おまけ)を付けて終わるというものです.ベートーヴェンの交響曲(オーケストラソナタ)第5番,俗に「運命」と呼ばれているものの第1楽章の最初の「ソソソミーーー」というのが第一主題です.

協奏曲(コンチェルト)

 ソロ(独奏)とオケが対等な立場で「協演」するのが一般的ですが,中には2人とオケ(二重協奏曲),3人とオケ(三重協奏曲)というのもあります.例えばピアノ協奏曲というのは,ピアノソロとオケによるもの,ヴァイオリン協奏曲というのは,ヴァイオリンソロとオケによるものです.協奏曲も「ソナタ」です.つまり,演奏形態がソロとオケによるソナタということになります.

 コンチェルトは特に弦や管の演奏家にとっては非常に重要な位置を占めます.弦や管は基本的には1つの楽器で同時に1つの音しか出すことができないので(弦は頑張れば(^^;いくつか出せますが)単独で演奏することが難しく,他の楽器と合わせることになります.例えば,ヴァイオリンとピアノといった具合です.しかし,ヴァイオリンソナタというとヴァイオリンのためのソナタという感じがしますが,実際にはピアノとヴァイオリンのためのソナタであってピアノはヴァイオリンの「伴奏」ではなく,その主体がピアノであることも多いです.従って,ヴァイオリン主体の楽曲というとコンチェルトということになります.オケと協演してコンチェルトを演奏することができるという能力は演奏家として非常に重要なので,コンクールの最終決戦ではコンチェルトが使われることが多く,それはピアノでもそうです.

室内楽曲

 楽器の種類は特に規定しませんが,オーケストラより小規模で普通は2人から数人による合奏によって演奏される曲です.例えばピアノとヴァイオリンのためのソナタ,弦楽四重奏曲(普通はヴァイオリン2台,ヴィオラ1台,チェロ1台)などがあります.弦楽四重奏曲も一般的には弦楽四重奏によるソナタです.ロックなどのいわゆる「バンド」という演奏形態は,室内楽ということになりますね(^^;.ちなみに弦楽四重奏は様々な演奏形態の中で最も完全に近いものだとされていて,これに匹敵?するのはヴォーカル,ギター,ベース,ドラム,(+キーボード)といういわゆるロックバンドだと私は思っています(^^;.

器楽曲

 いわゆるソロ(独奏)です.楽器は何でも可です.しかしソロに耐えうる楽器は少ないのでピアノ曲がその多くを占めることになります.ピアノの連弾(1台のピアノを2人で弾く,場合によっては1台を3人4人で寄ってたかってというとんでもないものも(^^;),2台ピアノ(1人1台で2人で2台のピアノを弾くのが普通だが,これも2台で4人とか6人とかいうのもある(^^;)もこれに含めることが多いです.ちなみにピアノは1台の楽器でオケの代わりができると豪語する人もいますが,私はそうは思いません.まあよくも悪しくも「80%楽器」と言ったところでしょうか.オケがカラーならピアノは白黒?(鍵盤の色に引っかけて(^^;)しかしソロに耐えうる数少ない楽器であることは間違いなく,白黒にはカラーにない良さもあります.ところが,超一流のピアニストの手にかかるとピアノという1台の楽器でカラー(音色)を自在に弾き分けます.

オペラ

 私はオペラはほとんど聴かないのでここで紹介することはないと思います.ですが,音楽だけではなくいわゆる劇やそのストーリーも楽しめるのでこれにはまる人ははまるようです.しかしとにかくどれも長い(^^;です.時間の流れの速さが現代とは違う?ちなみにおそらく一番長いのはワーグナーのニーベルングの指輪で,全曲演奏するとだいたい15時間かかります(^^;.もちろん実際には4夜に分けて演奏するのですが,それでも1夜平均4時間(^^;.しかし一番長い曲はこれかと思いきやサティのヴェクサシオンというピアノ曲ということになっています(多分ギネスブックに載ってる).ヴェクサシオンとは「癪の種」という意味でたった数十秒の何ともかったるいフレーズが何と840回も繰り返されます(サティがそう指示している).そんなんやってられるかというのが普通ですがなんと10人がかり(+2人の助っ人)でちゃんと世界初演をしたそうで(^^;その時は20時間近くかかったそうです.その数年後に日本でも初演されています(なんかオペラの説明じゃなくなってしまいましたね(^^;).

声楽曲

 楽器が人の声の場合は声楽曲となります.これも私はほとんど聴かないのでここで紹介することはないと思います(短か!).

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