玄界島
港から南斜面を見上げたところ↓ほとんどの家屋に屋根の被害の応急処置をしたブルーシートが見られる

多くの家屋が非常に急な斜面上に建っている↓






多くの家屋が倒壊していて,そのほとんどは非常に急な斜面上に建っているもので,その足元の地盤が崩壊していたり,上部の崖がくずれることが原因となっている.構造体の崩壊パターンも水平力を受けた場合(例えば,2004年新潟県中越地震の川口町の倒壊家屋)とは異なる↓





その一方で,地盤が崩壊していない場合,崖地でない斜面のふもとでは,屋根瓦の被害は見られるものの,構造体にはさほど被害は見られない↓




従って,家屋倒壊の原因は直接の地震動の揺れによるというよりは,揺れにより斜面が崩壊したことが主たる原因との印象を受けた.ただし,屋根瓦の被害は地震動の揺れ,それも短周期の成分によって引き起こされ,屋根瓦の被害は非常に多いため,短周期に比重がある計測震度は大きな値だったと予想される.屋根瓦の被害の割合は,例えば,非常に多くの屋根瓦が被害を受けた2003年宮城県北部地震の矢本町震度計(震度6強)周辺より多いとの印象をもった.ただし,屋根瓦の被害には全てブルーシートがかけられていて,その被害が「ずれた」ものなのかどうか(地震動によるものなら「ずれる」)の判断はできなかった.

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