2000年鳥取県西部地震の強震観測点のいくつかの強震観測点周りの様子
 
鳥取,島根方面で別件の所用があったこともあり,地震発生時に海外にいたた
め被害調査に行けなかった2000年鳥取県西部地震のいくつかの強震観測点周り
の様子を見てきました.対象としたのは,観測点周辺に木造家屋の半壊以上の
被害があった以下の4点と震度7!を記録したKiK-net日野です.
 
       全半壊率(%) 全壊率(%)
KiK-net伯太   11.4     -
K-NET米子    2.9     -
JMA米子     1.3     -
JMA境港     13.0     1.1
 
これらの点は提案する震度算定法の最新版(中震度で家屋の半壊を考慮.近々
公開予定)で使用されています.
 
KiK-net日野は山の中にある(熊が出る)とはきいていましたが,実際に行っ
てみるとどれだけ山の中かよくわかります.いくら震度7でも周りに建物がな
ければ被害がないのは当然です.平成15年十勝沖地震でも震度(提案する算定
法による震度も)が大きな点の周りには建物が非常に少なく,被害がそれほど
大きくならなかった大きな要因の1つと考えています.
 
ちなみに平成15年十勝沖地震で最も破壊力のある地震動が記録された観測点は
K-NET直別ですが(計測震度,提案する算定法による震度ともに6強),周辺
(半径200m)には木造家屋が12棟しかなく,そのうち3棟が全壊なので被害率
は3/12=25%となり震度6強相当となりますが,全壊棟数はわずか3棟です.同
じく周辺に全壊家屋が存在するK-NET標津(計測震度,提案する算定法による
震度ともに6弱)の周辺(半径200m)にある家屋の数は70棟程度なので,家屋
の全壊率は1%以上と震度6弱相当となりますが,数にすればわずか1棟です.
これだけ建物母数が少ないと被害率の物理的意味も希薄になってきます.
 
地震動強さと対応するのは被害の「量」ではなく「率」なので,被害予測には
地震動強さを的確に評価することと同時にそこに建物がどれだけあるか,人が
どの位住んでいるかを考慮する必要があります.現在,そのような被害推定法
の検討を行っています.
 
 
※各観測点にジャンプします
 KiK-net日野
 KiK-net伯太
 K-NET米子
 JMA米子
 JMA境港
 

■KiK-net日野
 



↓山道をずっと登っていった鵜の池キャンプ場の入り口にあります


↓すぐ脇の鵜ノ池


↓すぐ脇には「熊に注意!」という看板がある



↓近くの建物はキャンプ場の管理棟のようなものが1つ


↓登ってきた道


 

■KiK-net伯太
 



↓地域の集会場のような建物のすぐ脇にある


↓周りには家屋が多く存在







↓赤屋小学校もすぐ隣.子供達がプールで泳いでいて楽しそうだった...



 

■K-NET米子
 



↓米子市の中心部近くの公園の中に設置




↓周りには家屋が中低層RC建物が多く存在







 

■JMA米子
 



↓米子測候所




↓周りには家屋,学校などの中低層RC建物が存在











 

■JMA境港
 



↓境港測候所.窓にはベニヤが打ちつけてあり,今は無人のようだ.


↓周りには学校や家屋,中低層RC建物が多く存在








 
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