波形が追加公開されたKiK-net東成瀬(AKTH04),一関西(IWTH25)による解析結果を示す.KiK-net一関西は,3成分合成で4022cm/s2という観測史上最大の加速度を記録したものである.
地動最大加速度,地動最大速度および計測震度を以下に示す.計測震度は両者とも6強相当になる.
観測点名 PGA PGV 計測建物の被害に結びつく水平成分で見ると一関西は,1434cm/s2と3成分合成で4022cm/s2は,主として上下動によるもので,計測震度,水平2方向のPGA,PGV,は一関西より東成瀬の値の方が大きい.
加速度波形(水平2方向ベクトル和最大方向)を示す.
K-NET東成瀬
K-NET一関西
弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を示す.
提案する算定法による震度を以下に示す.提案する算定法による震度は,0.1-1秒(計測震度=人体感覚,室内物品の動きに対応),0.5-1秒(建物の中小被害に対応),1-2秒(建物の大きな被害に対応)という3つの周期帯ごとの地震動強さを震度という共通の指標で見ることができるものである.
観測点名 計測 0.1-1秒 0.5-1秒 1-2秒 提案両記録とも0.5秒以下が卓越した極短周期地震動であるが,東成瀬の方がやや卓越周期が長い.しかし,大きな建物被害に結びつく1-2秒の領域を見ると一関西の方がやや大きく,1-2秒震度も6弱相当となっている.
謝辞