ニュージーランド クライストチャーチ直下の地震で観測された強震記録

 ニュージーランド クライストチャーチ直下の地震で観測された強震記録による波形とスペクトルが東大生産研の高橋先生よるレポート(地震工学会)に掲載されています.この「CCCC」という観測点の記録(波形: 6ページ,スペクトル: 7ページ)を見ると,非常に破壊力のある地震動であったことがわかります.

 具体的には,建物の多くを占める中低層建物に大きな被害を及ぼす1-1.5秒程度の成分が阪神・淡路大震災のときの地震動(←このページは2方向ベクトル和,下の図はNS, EWそれぞれのスペクトルであることに注意.つまり,2方向ベクトル和で見るには,下の図を1.4倍程度する必要がある)よりやや小さい程度で,震度にして6.0程度,被害と対応する震度でも,6.0程度となります.

 また,波形を見ると,最初,0.6秒程度の波が来て,その後,1.3秒くらいの波が来る,つまり,建物が壊れて周期が長くなるのに従って地震動の周期も長くなるという,最悪の周期変化をする地震動であったこともわかります.

 ↑観測点CCCCにおける加速度波形(転載

 ↑観測点CCCCにおける加速度応答スペクトル(転載