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 3/15の地震動の解析終了時点のコメント
 マグニチュード9.0という巨大地震であることから,震度6弱を越える観測点が非常に広範囲に渡って多くあるものの,そのほとんどは,1秒以下の短周期が卓越しており,建物の大きな被害に結びつく1-2秒応答はさほどでもない.今回の地震では,大津波により未曾有の大災害となってしまったが,震動による建物の被害は,マグニチュードの大きさに比してそれほど大きくないと推定される.これに対して,計測震度や0.1-1秒震度は高く,人体感覚や室内物品の被害が大きいと推定される.

 しかしながら,被害は非常に広範囲に渡っており,また,人口が集中する仙台付近や石巻市,東松島市,大崎市などでの被害が目立ち,総計ではかなりの被害が出ていると推定される.

 ※この被害推定は,あくまで「震動による」構造物の倒壊などの被害が対象です.津波によって甚大な被害が生じています.被災された方々には心よりお見舞い申し上げます.

 ※今回の地震で震動による大きな被害はないとしても,それは,地震動の性質,即ち,短周期地震動であったためで,建物の耐震性が充分であったということではないことに注意する必要がある.

 ※震度7を記録したK-NET築館は,2008年岩手宮城内陸地震の際に調査をしているので,設置状況が周辺の様子がこちらで見られます.より詳細は,JAEE論文集に掲載されています.

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(since 12:03 6/3/2003)