3/16'11
静岡県東部の地震(2011/3/15)で発生した地震動

地震発生日時 : 2011年3 月15日 22:31頃
震源位置   : 静岡県東部(北緯35.3度、東経138.7度)
深さ     : 約10 km
マグニチュード: 6.0

各地の震度(震度5弱以上)
・震度6強
 静岡県:  富士宮市弓沢町 富士宮市野中*
・震度5強
 山梨県:  忍野村忍草* 山中湖村山中* 富士河口湖町長浜*
・震度5弱
 静岡県:  富士宮市猪之頭* 富士市本市場* 富士市永田町* 富士市岩渕*
         御殿場市萩原 小山町藤曲*
 山梨県:  身延町役場* 南アルプス市鮎沢* 市川三郷町岩間* 富士吉田市上吉田*
         富士吉田市下吉田* 富士河口湖町船津 富士河口湖町勝山*
         富士河口湖町役場*
 神奈川県: 小田原市荻窪* 神奈川山北町山北*

波形が公開された防災科学技術研究所K-NETおよびKiK-netによる地動最大加速度,地動最大速度および計測震度を以下に示す.

    観測点名      PGA   PGV   計測
                      震度
    KNG013(小田原)  199.0  14.1  4.76
    KNG014(山北)   190.3  10.6  4.54
    YMN003(富士吉田) 170.8  22.1  4.79
    YMN009(六郷)   147.5  11.2  4.56
    SZO009(裾野)   144.6  10.8  4.56
    SZO011(富士宮)  1013.0  80.7  6.37
    SZO013(清水)   163.7  22.7  5.09
    SZOH37(芝川)   476.1  14.9  5.12
※PGA: 地動最大加速度(cm/s2),PGV: 地動最大速度(cm/s),いずれも水平2方向ベクトル和


           作成中
          K-NET位置図            KiK-net位置図         

加速度波形(水平2方向ベクトル和最大方向)を示す.

加速度波形作成中KNG013(小田原)
加速度波形作成中KNG014(山北)
加速度波形作成中YMN003(富士吉田)
加速度波形作成中YMN009(六郷)
加速度波形作成中SZO009(裾野)
加速度波形作成中SZO011(富士宮)
加速度波形作成中SZO013(清水)
加速度波形作成中SZOH37(芝川)


また,弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を示す.

弾性加速度応答スペクトル作成中弾性加速度応答スペクトル作成中
          神奈川県・山梨県                     静岡県

 多くの強震記録で1秒以下の短周期が卓越していて,建物の大きな被害に結びつく1-2秒応答は大きくない.

 過去の強震記録と比較して以下に示す.

弾性加速度応答スペクトル作成中

 建物の大きな被害に結びつく1-2秒応答を見ると,最も大きかったSZO13(富士宮,震度6強)でも,周囲で全く被害がなかったJ2003年宮城県沖の地震(三陸南地震)のMA大船渡程度で,震度や加速度(ガル)は大きくなるが,大きな被害を引き起こさない短周期地震動であったことがわかる.

 提案する算定法による震度を以下に示す.提案する算定法による震度は,0.1-1秒(計測震度=人体感覚,室内物品の動きに対応),0.5-1秒(建物の中小被害に対応),1-2秒(建物の大きな被害に対応)という3つの周期帯ごとの地震動強さを震度という共通の指標で見ることができるものである.

    観測点名     計測 0.1-1秒 0.5-1秒 1-2秒  提案
             震度  震度  震度  震度   震度
    KNG013(小田原)  4.76  4.79  4.28  3.98  4.79
    KNG014(山北)   4.54  4.67  4.20  3.50  4.67
    YMN003(富士吉田) 4.79  4.67  4.27  4.62  4.67
    YMN009(六郷)   4.56  4.62  4.05  3.84  4.62
    SZO009(裾野)   4.56  4.60  4.07  3.78  4.60
    SZO011(富士宮)  6.37  6.33  5.85  5.34  5.85
    SZO013(清水)   5.09  5.22  4.96  4.66  5.11
    SZOH37(芝川)   5.12  4.84  3.93  3.80  4.84

 建物の大きな被害と相関をもつ1-2秒震度はいずれも小さく,最も大きいSZO13(富士宮)でも5強相当であることがわかる.

 従って,今回の地震で大きな被害はないことが推定される.実際に被害がないとしても,それは,地震動の性質,即ち,短周期地震動であったためで,建物の耐震性が充分であったということではないことに注意する必要がある

謝辞
強震記録は,防災科学技術研究所,気象庁,鉄道総合技術研究所より提供いただきました.また,観測点位置図はK-NET,KiK-netのページより転載させていただきました.

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