本研究室での卒業研究をお考えの皆さんへ

 地震防災・構造動力学研究室では,卒研生の募集をしています.研究テーマは,地震の揺れの性質と建物被害の関係を探求し,それを地震災害を減らすことに結びつけることです.地震の揺れと建物被害の関係は,単に震度が大きければ被害が出るといった単純なものではありません.

 研究テーマの一部とその説明は以下の通りです.こちらに全体的な説明もあります.興味をおもちでしたら,メール(sakaixx@kz.tsukuba.ac.jp, xxを削除)でご連絡ください.また,説明会を12/8(月),12/11(木),12/22(月)の17:00から3F206で行います.

■研究テーマ(の一部)

1) 地震被害推定システムの開発

2) 被害を引き起こす地震の発生メカニズムに関する研究

3) 建物被害と対応した震度算定法に関する研究

4) 建物損傷度を瞬時に自動判定するシステムの開発

5) 実大木造建物の振動実験

6) HPFRCCを用いた超縮小模型の開発と振動実験

7) 津波警報など地震防災システムと人間心理の関係

■各研究テーマの簡単な説明

1) 大地震が発生したときどこでどの程度の被害が生じているか(がわからなければ救助活動はできませんが,まだそういうシステムはありません)を全国250mメッシュで30分以内に推定するシステムの開発を行います.

2) 地震の発生メカニズムは様々ですが,どういう地震が被害を引き起こすかはまだわかっていません(例えば,首都直下地震で大きな被害が生じるかどうかも).どういう地震が大きな被害を引き起こすのかについて大規模シミュレーションプログラムを使って検討します.

3) 地震の揺れの強さを表す震度は,人体感覚を測っているために被害と対応していません.被害と対応する震度算定法に関する検討を行います.

4) 地震被害が発生したとき余震で倒壊しないかの判定は現在人海戦術によってより,判定の前に余震が発生しているのが現実です.原価数千円程度の単一センサーによって地震発生直後に損傷度を自動判定するシステムの開発を行います

5) 防災科学技術研究所の大型震動台を使って,実大木造建物の振動実験を行い,どういう建物がどういう地震によって被害を受けるのか受けないのかについて調べます.

6) HPFRCCという新素材を使って,世界最小の鉄筋コンクリート造模型を開発し,それを用いた振動実験を行って,鉄筋コンクリート造がどういう地震動によって被害を受けるのか受けないのかの検討を行います.

7) 津波警報が出ても実際に津波が来るのは5〜6回に1回程度です.このように,震度や緊急地震速報など防災システムはまだ不完全なものが多いです.そのような状況で人々が避難しなくなる心理的メカニズムについて検討します.

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