11/15'16
ニュージーランド南島を震源とする地震(2016/11/13)で発生した地震動

USGSによる地震の諸元
地震発生日時 : 2016年11月13日 11:03頃(UTC)
震源位置   :ニュージーランド南島アンバーリーから北北東へ53km(東経173.1度、南緯42.8度)
深さ     : 23 km
マグニチュード: 7.8

解析対象は,CESMDで波形が公開されたGNS Scienceの観測点の内,地動最大加速度が300(cm/s2)以上と表示されている記録とした.地動最大加速度,地動最大速度および計測震度を以下に示す.

観測点名 PGA PGV 計測震度
MOLS 450.6 18.3 4.92
WDFS 1278.8 100.5 6.06
※PGA: 地動最大加速度(cm/s2),PGV: 地動最大速度(cm/s),いずれも水平2方向ベクトル和

観測点図作成中凡例作成中
          観測点位置図            

以下に,加速度波形(水平2方向ベクトル和最大方向)を示す.

MOLS
加速度波形作成中

WDFS
加速度波形作成中

また,弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を示す.

弾性加速度応答スペクトル作成中
(1)MOLS, (2)WDFS,

また,特に震度の大きな弾性加速度応答スペクトルを過去の強震記録と比較して示す
弾性加速度応答スペクトル作成中
(1)兵庫県南部地震JR鷹取,(2)新潟県中越JMA小千谷,(3)三陸南JMA大船渡,
(4)東北地方太平洋沖地震K-NET築館(栗原市震度計),(5)WDFS

 1G以上,100cm/s以上という大きな加速度および速度を記録したWDFS(計測震度6強相当)の応答スペクトルを見ると,0.5秒以下が卓越した極短周期地震動で,人が強い揺れと感じたり,中小被害は多くなるが,建物の大きな被害を引き起こす1-2秒応答は小さいことがわかる.

提案する算定法による震度を以下に示す.提案する算定法による震度は,0.1-1秒(計測震度=人体感覚,室内物品の動きに対応),0.5-1秒(建物の中小被害に対応),1-2秒(建物の大きな被害に対応)という3つの周期帯ごとの地震動強さを震度という共通の指標で見ることができるものである.

観測点名 計測震度 0.1-1秒震度 0.5-1秒震度 1-2秒震度 提案震度
MOLS 4.92 4.83 4.15 4.18 4.83
WDFS 6.06 6.13 5.65 5.64 5.64

謝辞
強震記録は,CESMDを通してGNS Science,防災科学技術研究所,気象庁,鉄道総合技術研究所より提供いただきました.

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