これまで,震度6弱以上を記録する地震が発生した場合,主として,建物被害を推定するという観点から発生した地震動に関するレポートを公表し,その後,現地に赴いて被害調査を行うと同時に,震度5弱以上を記録した場合についても,地震動解析のレポートだけは,公表してきました.
しかしながら,2011年東北地方太平洋沖地震以降,震度5弱以上の地震が頻発して,その全てをレポートすることができなくなったため,レポートの自動作成システムの開発を進めてきました.3.11以降のレポート作成ができましたので,まとめて公開することにします.
ただし,地震動解析レポートの作成の条件を以下のように変えることにしました.
気象庁で発表される震度情報で,震度5弱以上を記録し,なおかつ,K-NET,KiK-netで記録された強震記録にも震度5弱以上のものがあること
理由は,震度5弱以上を記録した全ての地震を対象とすると数があまりに膨大になること,そして,そのほとんどは,極短周期地震動で,被害を生じる可能性がほとんどないというよりは,震度計だけで震度5弱を記録しても,波形がなければ,地震動の解析をすることはできないからです(これまでは,代替として最も震度が大きい震度4程度の波形の解析結果を載せていました).
レポートの自動作成プログラムを開発する際に,いくつか変更したことがありますが,1つは,波形の縦軸と横軸の目盛を固定としたことがあります.このことにより,振幅が大きいものは,そのままの大きいスケールで表示されますし,継続時間が長くなれば,横軸がそのまま長くなります.つまり,時間刻みが一定の長さで表示されるので,波形から周期特性をある程度読み取ることができるようになりました.
2011年東北地方太平洋沖地震以降の地震動解析レポートを以下に示します.これ以降は,地震被害調査と地震動解析,あるいは,地震動解析レポート(被害調査を行っていないもの)で順次公開していきます.
・東北地方太平洋沖地震(2011/03/11)で発生した地震動