7/24'08
Updated on 7/26, 27'08
岩手県沿岸北部地震(2008/7/24)で発生した地震動と被害調査速報

地震発生直後のコメント
地震被害調査速報
地震被害調査後のコメント

地震発生日時 :  2008年7月24日 00:26頃
震源位置   :  岩手県沿岸北部(北緯39.7度、東経141.7度)
深さ     :  108km
マグニチュード:  6.8

各地の震度(震度5強以上)
・震度6強
 岩手県: 洋野町大野
・震度6弱
 青森県: 八戸市内丸 八戸市南郷区 五戸町古館 階上町道仏
 岩手県: 野田村野田
・震度5強
 青森県: 八戸市湊町 東北町上北南 青森南部町平 東通村小田野沢
 岩手県: 宮古市田老 宮古市茂市 久慈市川崎町 山田町大沢 普代村銅屋 岩手洋野町種市 大船渡市大船渡町 大船渡市猪川町 釜石市中妻町 大槌町新町 二戸市福岡 一戸町高善寺 八幡平市田頭 八幡平市野駄 北上市二子町 一関市花泉町 一関市千厩町 奥州市江刺区 奥州市前沢区
 宮城県: 気仙沼市唐桑町 涌谷町新町 栗原市若柳 栗原市一迫 栗原市志波姫 宮城美里町木間塚 大崎市古川三日町 大崎市古川北町 大崎市松山 石巻市桃生町
※気象庁による

■発生した地震動と予測される被害

 今回の地震で発生した地震動は,2008年岩手・宮城内陸地震と同様に0.5秒以下の極短周期が卓越していて,震度や地動最大加速度は大きく,体感,非構造部材の被害,室内物品の動きは大きくなるが,人命の損失に繋がる全壊などの建物の大きな被害を引き起こす1-2秒応答は小さい.提案する算定法による震度を見ると5弱程度である.つまり,最大震度6強で建物の大きな被害が生じなかったからと言って,建物の耐震性が高いのではなく,たまたま被害が生じない性質の揺れだったに過ぎず,耐震対策を怠ってはならないのは言うまでもない.

■被害調査速報

境有紀,中川文寛,鈴木達矢
筑波大学構造エネルギー工学専攻,工学システム学類

 震度6弱以上を記録した全ての強震観測点と5強を記録した一部の強震観測点周辺の被害状況の調査,具体的には,地震動の性質と建物被害の対応関係について検討することを目的として,観測点から半径200mの円内の建物(駐車場,作業所,倉庫などは被害率算定の対象外,ただし調査は行う)の被害レベル,構造種別,階数の全数調査を行った.

       各観測点の位置

・各観測点周辺の様子

K-NET八戸(6弱),八戸市内丸震度計?(6弱)
JMA五戸町古舘(6弱)
八戸市南郷区震度計(6弱)
階上町道仏震度計(6弱)
K-NET種市(6弱)
洋野町大野震度計(6強)
野田村野田震度計(6弱)
K-NET普代(5強)
K-NET岩泉(5強)
KiK-net玉山(6弱)

 調査の結果,地震発生直後の予想通り,震度6弱以上を記録した強震観測点から半径200m以内に建物の大きな被害は見られなかった.繰り返しになるが,今回の地震で大きな被害が生じなかったのは,0.5秒以下の極短周期が卓越するという地震動の性質が原因であり,決して建物の耐震性が高いのではないことに注意すべきである.

謝辞
強震記録は,防災科学技術研究所,気象庁,鉄道技術総合研究所より提供いただきました.また,観測点位置図はK-NET,KiK-netのページより転載させていただきました.

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