波形が公開された防災科学技術研究所K-NETおよびKiK-netによる地動最大加速度,地動最大速度および計測震度を以下に示す.
観測点名 PGA PGV 計測
K-NET東伊豆
(SZO003,震度5強),
K-NET松崎
(SZO005,震度5強),
K-NET富士宮
(SZO011,震度5強),
K-NET清水
(SZO013,震度5強),
K-NET静岡
(SZO014,震度5強),
K-NET焼津
(SZO016,震度5強),
K-NET榛原
(SZO018,震度5強),
KiK-net静岡南
(SZOH33,震度6弱),
KiK-net清水北
(SZOH34,震度5強),
KiK-net西伊豆西
(SZOH39,震度5強),
KiK-net修善寺
(SZOH42,震度6弱),
の加速度波形(水平2方向ベクトル和最大方向)を示す.
SZO003
SZO005
SZO011
SZO013
SZO014
SZO016
SZO018
SZOH33
SZOH34
SZOH39
SZOH42
それぞれの弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を示す.
また,弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を過去の強震記録と比較して示す.
提案する算定法による震度を以下に示す.提案する算定法による震度は,0.1-1秒(計測震度=人体感覚,室内物品の動きに対応),0.5-1秒(建物の中小被害に対応),1-2秒(建物の大きな被害に対応)という3つの周期帯ごとの地震動強さを震度という共通の指標で見ることができるものである.
観測点名 計測 0.1-1秒 0.5-1秒 1-2秒 提案今回の地震で発生した地震動は,2008年岩手・宮城内陸地震,2008年岩手沿岸北部地震と同様に0.5秒以下の極短周期が卓越していて,震度や地動最大加速度は大きく,体感,非構造部材の被害,室内物品の動きは大きくなるが,人命の損失に繋がる全壊などの建物の大きな被害を引き起こす1-2秒応答は小さい.提案する算定法による震度を見ると5弱程度である.よって,建物の大きな被害は生じていないことが予想される.
ただし,震度6弱で建物の大きな被害が生じなかったからと言って,建物の耐震性が高いのではなく,たまたま被害が生じない性質の揺れだったに過ぎない,ということに注意すべきであり,耐震対策を怠ってはならないのは言うまでもない.
謝辞