6/17'03
スポーツは体に悪い

 私はかなりスポーツをしています.週2, 3回はバドミントンをしていますし,スキーシーズンの週末はスキー場にいることが多いです.それも楽しくストレス解消(^^)という感じではなくて,バドミントンは未だに(^^;勝つため,強くなるためにやっていますし,スキーはうまくかつ速く滑れるようになるためにやっていて,準指導員などというものも受けています.まあ,どっちも大したレベルではないですが(^^;.

 こういう話をすると,必ずと言っていいほど言われるのが,「健康的でいいですねー」ということです.でも(残念ながら)実際は全くそうではありません.なぜなら「スポーツは体に悪い」からです.

 こういうことを言うと,未だに「えー!」っと驚かれることが多いです.スポーツが体に悪いということはかつてベストセラー(たくさん売れた本が「ベスト」というのも変な話だが.あ,でもベスト「セラー」だからいいのか(^^;)になった「脳内革命」という本にも書いてありましたし,運動すると活性酸素が発生して体を傷つけるということは,テレビのいろんな健康番組(^^;でやっているのですが,まだまだ広くは浸透していないようです.

 「ストレス解消に気持ちいい汗をかく位なら体にいいんでしょう?」という人もいます.いやいや,それでもまだまだ体に悪いのですよ.一時期ジョギングブームというのがありましたが,ジョギング健康法を提唱した本人(確かアメリカ人)がジョギング中に倒れて亡くなった,というしゃれにならない結末とともに終わりを告げました.

 では,どの程度の運動が「体にいい」のでしょうか?ご存じの方もいらっしゃると思いますが,「早歩き」程度と言われています.「額にうっすら汗をかく程度」という言い方もします.実は,この情報も一部には浸透しているようで,よく道ばたをしゃかしゃか(^^;早歩きしている人を見かけます.その人はおそらくその「健康法」を実践しているのだと思います.

 でもちょっとやってみればわかりますが,「額にうっすら汗をかく程度」というのは,ほんとに「ちょっと動く」という程度で,スポーツなどをしたら遙かにその程度を越えてしまいます.それに,そんなにちまちま動いていたんでは,楽しいわけがありませんよね(まあ中には楽しい人もいるでしょうけど(^^;).

 このことは何を意味するかというと,スポーツや運動をしたくない人が無理して「健康のために」スポーツや運動をすることは全くナンセンスということです.ですから「健康のためだけ」に嫌なのを我慢してスポーツや運動をしている人がいらっしゃいましたら,今すぐやめることをお勧めします(^^).「スポーツは体に悪い」ので,スポーツや運動が嫌いな人はある意味ラッキーとも言えるのです.

 もし,体重が増えて健康のためにダイエットする必要があるので「仕方なく」運動しているのであれば,食事の量を減らす方がはるかに有効です.減らし方には要領があり,例えばコーヒーに入れる砂糖をやめる,あるいは,ノンシュガータイプにする,などというのは効果が低く,そんなことするのなら白米を一口減らす方が効果があります(同じ重量の砂糖と白米のカロリーは何と2:1なのです).歳を取ると基礎代謝は確実に減っていきますので,ずっと同じ量を食べ続ければだんだん太ってくるのは当たり前なのです.

 しかし,食べたいのに食事の量を減らせばストレスが溜まり,それが活性酸素の発生にも繋がります.逆に,ストレスが溜まれば,それが食欲に繋がることはしばしばあります.よく「結婚して幸せ太り」と言いますが,「幸せ太り」はありえない,という説が有力です.実は,結婚は人生の中でなんと肉親の死の次にストレスがかかる出来事なのです(結婚して太った人は胸に手を当てて考えてみましょう(^^;).

 結局は,食事,運動,ストレスのバランスが大事で,最も大事なのはストレスをいかに押さえるか,いかに気分よく生きていくか,ということだと思います.

 話が少し横道にそれてきました.要は,スポーツや運動を「健康のためだけ」にやるのはナンセンスだということです.やりたくもないのにスポーツをすると,体を動かすということと,やりたくないというストレスの2重の要因で活性酸素が発生してしまいます.その後,運動した分余計に食べたり飲んだりしてしまえば3重の要因になり,もう最悪です.

 では,体に悪くてもスポーツがしたい人はどうすればいいのでしょうか?私はやりたきゃやるしかない(^^;と思っています.なぜなら,スポーツをしたいのに我慢してやらないとストレスが溜まるからで,ストレスもまた活性酸素発生の原因の1つ,というか最大の要因なのです.

 でも本当は,スポーツをしないで我慢することのストレスと,スポーツをすることによる活性酸素の発生を天秤に掛けてどうするか再考する必要があるでしょう.激しい運動はやめて,ほんとに軽くやるだけにするという方法もあるかもしれません.実は私は「スポーツが体に悪い」と知ったとき,そうしようかと少し悩みましたが,結局できませんでした.スポーツの,単に体を楽しく動かす,という以上の,自己実現にも繋がる奥深さを知ってしまっていたからです.

 でもスポーツをするのであれば,体を動かすことによる活性酸素の発生を押さえる努力はすべきでしょう.私はいわゆるサプリメントを使っています.ここのところはサプリメント処方箋で詳しく述べたいと思いますが,ポイントはサプリメントはちびちび(厚生労働省が推奨するくらいの量),あるいは,時々(1日1回くらい)使っても効果はない,ということです.

 「スポーツは体に悪い」とわかっていて,それでもなおスポーツをするのは,自殺行為にも思えますが,まあ生きていくこと自体が体に悪いと言えなくもありません(^^;.呼吸したり食事をしたりすれば必ずある程度は活性酸素が発生する一方,当然のことながら呼吸しないで,食事をしないでは人間は生きていけません.長野県の平均寿命が長いのは高地にあって空気が薄いためだ,という説があります.また食べる量(具体的にはある栄養素,特に脂肪)がある一定値に達すると寿命が来る,という説もあります.それに,スポーツは体を傷つけてまでする魅力があるとも思いますし,まあ究極的には人生所詮退屈しのぎですからね(^^;.

 実は,以上のような話をすると,「そんなこと知らない方がよかった,せっかく気持ちよく体にいいと思ってスポーツしていたのにー!」って,結構不評なのです(^^;.でも何も知らずにスポーツをしてどんどん体を傷つけるより,ちゃんと「スポーツは体に悪い」ことを認識して,サプリメントを取るなどの対処をした方がいいと私は思います.だって,別に長生きしたいとは思いませんが,病気で苦しむのはやっぱり嫌ですよね.

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6/18'03
なぜ日本人は英語が苦手か?ていうか英語勉強してどうするの?

 日本人は英語が苦手だと言われます.そして実際そうだと思います.原因は,大きく分けて2つあると思います.

 1つは,単に日本語が,英語を中心とした世界の言語体系からかけ離れている(文字も発音も語順も全然違う)ということ,そしてもう1つが日本の英語教育の問題でしょう.英語がしゃべれない教師が教えているのに英語がしゃべれるようになるわけがない,とよく言われますが,実際,某英会話学校に,英語の先生が駅前留学で頑張っている,というCMを流される始末です.

 読み書き中心の英語教育ということにも問題があるでしょう.では読み書きには不自由しないかというと,そうとも言えません.一方,英語教師には彼らなりの言い分があります.ある英語教育の討論会で,高校の英語の先生が「大学入試,いや,東大の入試が変われば日本の英語教育は変わるんですよ!」と言っていたのを覚えています.彼らの立場を考えると,高校入試や大学入試を想定しない英語教育は実際難しいと思います.

 しかし現実問題としては,仮に日本の英語教育が改善されたとしても,既にそれを終えた人は救われないわけですから,やはり我々なりに努力するしかなさそうです.問題は努力に値する状況かどうかでしょう.私は,今の状況は努力に値する状況ではないと思います.

 私は仕事柄,国際学会,国際会議,ワークショップなどに出席したり,海外の英文ジャーナルに投稿したり,つくばの某独立行政法人の研究所で毎年外国人相手に英語で10時間以上も講義をしていて,英語を使う機会は平均的日本人よりはかなり多いと思います.

 まあ何とかはなっているとは思うのですが,まだまだ不充分でもっと勉強しなくては,と思います.ですが,そう思うだけで実際はなかなか意欲がわきません.周りの研究者仲間にきいても同じ様なことを言われます.

 それはやはり英語を使う機会が少ないからだと思います.そんなに使う機会があるのに?と思われる人もいらっしゃるかもしれませんが,考えてみてください.言語などというものは,毎日日常生活の中で使うものであって,私の場合でも英語を使う機会は日本語の1/100いや1/10000くらいかもしれません.

 英語なんて使いながら上達するものであって,使う機会が少なければ,上達もしませんし,勉強しようという意欲も湧きません.でもよく考えてみると,それは非常に理にかなっています.なぜなら,使う機会が少ないのなら,上達する必要もないからです.ですから,英語を使う機会が少ないのだから英語を勉強する必要はない,というのが私の考えです.

 上に書いたくらい英語を使う機会がある私でさえそうなのですから,ましてや,年に数回海外旅行をする,街で外国人に道を尋ねられたら教えてあげる,という平均的?日本人にとって英語を勉強する意味は全くないと思います.ですから,あれだけ英会話学校が繁盛している?のは,非常に奇異な感じがします(もちろん本当に必要で通っている人もいるのでしょうが).

 「英語の勉強」そのものが好きならそれでもいいでしょうが,普通の人は(私も含めて)「勉強」は嫌いだと思うのですが(^^;.「英語がしゃべれるのが格好いい」などという変な日本人のコンプレックスがそうさせているのでしょうか?英語は単なる「道具」に過ぎず(もちろん英語そのものを研究対象とするのなら話は別です),問題はそれを使って何をするか,であって,それがないのに,英語だけ「勉強」するのは,(勉強が嫌いな)私には理解できません(似たようなものに「パソコン」がありますね).

 ただここまで書いてきたことは,現在の状況は,英語を勉強するに値する状況ではない,ということであって,現在の状況がそれでいいのか,というとそうは思いません.日本という国は,いや世界中どこの国でも国際化の嵐に巻き込まれることは避けがたいでしょう.特に日本は資源もなく,単独ではやっていけませんし(江戸時代のような生活に戻ってもいいのなら話は別です.まあそれも悪くないと思いますが.),そんな自己中心主義はさておいて,日本のような先進国はもっと国際貢献をすべき(ただ金をばらまくのではなく)ですし,求められて行くでしょう.

 そうであればよく悪しくも世界共通のコミニュケーションツールとなっ(てしまっ)た英語をある程度使いこなせるようになることは,必要不可欠になってきます.ただ残念ながら,現状では,じゃあ英語の勉強しようか,という状況ではないと思うのです.

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