メンバーの募集

 地震防災・構造動力学研究室は,研究室のメンバーを募集しています.現在は,筑波大学理工学群工学システム学類3年生を対象とした来年度の卒研生,および,全ての人を対象とした来年度の大学院システム情報工学研究科の大学院生,博士研究員(ポスドク)を募集しています.現在メンバーは教員1名と研究生が1人,M2が4人,M1が3人,4年生が3人の計12人です.


 研究テーマは,一言で言うと

地震動の性質と建物被害の関係を構造動力学を用いて探求し,それを地震災害軽減に結びつける

ということになります.構造動力学とは,地震動などの時間的に変動する外力に対して,建物などの構造物がどう挙動するかを調べる手法について検討する学問分野です.

 建物などの構造物は人間が作るのに,その地震時の挙動はまだわかっていないことだらけです.もっとわかっていないことは,地震や地震による揺れで,これらは自然が相手なのでもっと大変ですが,取り組み甲斐もあります.構造動力学研究室では構造物と地震の両方に取り組んでいます.地震災害を減らすには地震と構造物の双方について研究し,それをむすびつけることが必要と考えているからです.そういう取り組みをしている研究室は,日本にも世界にもほとんどありません.

 地震災害で亡くなる人の数を1人でも減らしたいという社会的使命を感じ,世の中の役に立つような仕事がしたい人,コンピュータが好きで地震時の構造物応答シミュレーションをやってみたい人,地震で構造物が壊れるという物理現象に興味がある人,勉強はあまり好きじゃないけど体を動かして振動実験や地震被害調査,強震観測などのフィールドワークをやってみたい人などみんな大歓迎です.

 取り組んでいる研究テーマに興味をもってくれたら,いつでも話をききに来てください.見学できるようなものが常時あるわけではないですが,研究テーマの説明,見学できる実験の予定などはお知らせできます.部屋は3F206です.ただし,いつも部屋にいるとは限らないのでメールか電話(ここに書いてあります)で事前に連絡をいただればと思います.研究とは関係ない単なる世間話でもいいですよ.

 研究テーマについてはこのホームページの中のものや,L棟の2階廊下に貼ってあるパネル,あるいは配布された資料をご覧ください.上記のように様々なテーマに取り組んでおり,東京大学,建築研究所,防災科学技術研究所,産業技術総合研究所など様々な研究機関と共同研究を行っています.特に,震度に対する取り組みは,2003年7月26日に発生した宮城県北部地震の直後の7月28日の読売新聞夕刊1面トップにも取り上げられ(↓),社会的にも大きな注目を集めています.2003年以降,震度6以上を記録した地震が何度も起こりましたが,全ての地震について被害調査に出かけました(簡単な報告がこのホームページに載っています).建物被害と地震動の性質の関係を調べる独特な調査方法も注目されていて,ホームページの被害速報には,公開直後の多い日には1日3000を越えるアクセスがあります.

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 2004年10月23日に起こった新潟県中越地震でも精力的に被害調査を行いました.その様子や,地震動の性質と建物被害の対応関係に関するコメントはテレビ,新聞,雑誌などの様々なマスメディアでも取り上げられました(↓).研究室のメンバー(4年生)も大活躍でした.現地からホームページに速報を掲載し,地震直後1週間で2万ものアクセスがありました.2005年に起こった福岡県西方沖地震宮城県沖の地震も被害調査に行きました.今後も地震が起これば地震被害調査を行い,地震動の性質と建物被害の関係について検討し,それを地震災害軽減に生かすべく研究を進めていこうと思っていますので,興味がある人は一度F206に遊びに来てください.学生室はD115です.

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※これ以降,地震が起きるたびにいろんなメディアに引っぱり出されるようになり,いちいちここに載せてられなくなりました.一覧はここにあります.

 ここ数年のことでは,2008年岩手・宮城内陸地震で朝日新聞1面トップにコメントがの載り,(これがきっかけかどうかはわかりませんが),気象庁で震度に関する検討会が始まり,それに続いて行われている震度に関する勉強会でも委員を務めさせてもらっています.

 本研究室は以下のような方針で活動しています.

 メンバーは全て一人前の研究者であり,各人が主導して研究を進めてもらっています.教員はいくらでも相談に乗りますが,あくまで主体は各個人です.そして,我々が取り組んでいるテーマの中で,卒業論文,修士論文のためだけに用意されたものは1つもありません.全て,時代のニーズに直結した最先端のテーマです.4年生も最初からいきなり最先端のテーマに取り組んでもらいます.もちろん最先端のテーマに取り組むのに勉強は必要ですが,勉強のための勉強ではなく,研究のための勉強です.

 次に,この研究室では基本的には成果さえあげればよい成果主義です.時間的な束縛はほとんどありません.サークル活動,バイトなど自由にやってもらっています(教員もそうです(^^;).しかし,成果主義ほど厳しいものはありません.自己管理能力も必要となります.取り組んでいるのはどれも最先端のテーマですから,片手間にやってできるものなどあるはずもありません.この研究室はとても自由な雰囲気で居心地もよく,教員も気さくな感じ?で親しみやすいと思いますが,安易な気持ちで入ってしまうとこんなはずじゃなかったということになるかもしれません.毎週,進捗状況の報告がありますし,月に一度はゼミでの発表が回ってきます.

 この研究室の目的は「地震動の性質と建物被害の関係を構造動力学を用いて探求し,それを地震災害軽減に結びつけること」です.この目的に賛同してもらっていっしょに仕事がしたい,将来は地震防災の専門家になりたいと門を叩いてくれるのはもちろん大歓迎です.でも,将来,地震防災を専門とするところまでは行かなくても,この研究室での研究活動(や飲み会(^^;)を通して,問題解決能力,段取り能力,自己管理能力,プレゼンテーション能力,コミュニケーション能力,ひいては,問題発見能力,人生をどう生きていくかなど社会に出てからも広い範囲で大いに役に立つことを身につけることができると思いますし,教員もそのような考えで1つの研究テーマに捕らわれることのない指導をしているつもりです.*年間,この研究室にいて,大変だったけど楽しかったし,能力的にも人間的にも大きく成長できた,と言って卒業してもらえるのが目標です.

 それには,まず研究することを楽しむことです(内的熟達).研究というのは想像以上に地道な作業です.それは,ノーベル賞を受賞するような研究を見ても明らかです.しかし,苦労の末,世界中のまだ誰も知らないこと,わからないことを最初に発見,解決することは大いなる喜びだし快感です.そして,工学ではそれを社会に役に立てるということも重要ですし,それがやりがいに繋がります(人との繋がり).研究自体も1人で黙々とやるよりも教員や研究室のメンバーと意見交換しながらわいわいやった方が楽しいと思います.この研究室で有意義に過ごせば,自然と「仕事ができる有能な人間」になることができると思いますし,入社面接でも目を見張るようなプレゼンができるでしょうから,入りたい会社(^^;にも就職できるでしょう(報酬).

 人生所詮退屈しのぎです.しかし,同じ退屈しのぎなら楽しい方がいいに決まってますよね.この研究室で楽しくいっしょに頑張りましょう.しかし,実は楽しむことは大変なことです.楽だけどつまらない人生より,大変だけど楽しい人生を送りたい人に向いている研究室だと思います.

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