ロマン派の補遺もしておきたいのですが,リストアップしだしたら結構大変なので,とりあえずドビュッシーに行きます.一般に近現代というとこの辺から入れる人もいますが,私の中ではドビュッシー,ラヴェルは近現代ではありません.一般にも印象派とか呼ばれているようですね.
ドビュッシーはたくさんピアノ曲を書いていますが,でもよく考えると全集でもCDで4,5枚程度です.古典,ロマンの頃の多作の作曲家とは全然違いますよね.まあ時代の違いといか書きぶりの違いというのは大きいと思います.どの世界でもそうですが,「過去にだれもやっていない新しいこと」をやるのはほんと大変です.ドビュッシーは近現代ではないと書きましたが,それまでのいわゆる後期ロマン派とは明らかに違う音楽を作ったことは間違いありません.
ポピュラーなのは,何ですかね.まずは月の光でしょうか.これはベルガマスク組曲の3曲目です(音源).ベートーヴェンのソナタ14番と比較されるのかな?比較の対象では全くないと思いますが.あとは,アラベスク1番もよく聴きます.確か某テレビ局の天気予報かなんかの音楽として使われていました(音源).私はアラベスクは2番の方が好きです.あとは,プレリュード第1集の第8曲の「亜麻色の髪の乙女」ですかね(音源).
ドビュッシーは印象派ということで?多くの楽曲にタイトルがついています.代表作とされる2つのプレリュード集(それぞれ12曲ずつ)の全ての曲にタイトルがついているのですが,タイトルを意識して作曲されたものではなく,作曲した後,後づけでつけたと言われています.プレリュードの中では第1集第7曲の「西風が見たもの」,第10曲「沈める寺」,第12曲「ミンストレル(吟遊詩人)」,第2集第7曲「月の光の下で法廷の開かれるテラス」,第12曲「花火」はちょっと練習しました.
そうそう,私の携帯の呼び出し音は,プレリュード第2集の第11曲「交差する3度」の出だしです.何か電子音ぽくてそんなにうるさくなくていいですよ.私の携帯の呼び出し音を聴いてそれがドビュッシーだと気がついた人はまだ1人もいません(^^;.私がちょちょっと(^^;作成したものですが,ちょうだいちょうだいとかなり評判がよいです.ご自由にダウンロードしてお使いください(^^;.3回鳴ります(3度が3度(^^;).
プレリュードと並んで代表作とされるのが12のエチュード集です.指使いが付いてないので有名?です.第1曲「5本の指のために」がチェルニーの練習曲を皮肉ってドレミファソファミレド(^^;で始まるのがちょっと面白いですよ.この曲も練習しました.どこかでいきなりピアノ弾いてって言われてこれをドレミファソファミレドって弾き始めて,なんだ初心者じゃん,って思わせといて,みたいなフェイント?がかかるので面白いと思うんですけど,そういう機会はまだないですね.
2つのプレリュード集,エチュード集はドビュッシーの代表作で後期のものです.それより前のもので主なものを順にあげていくと,既にあげた月の光が入っているベルガマスク組曲,2つのアラベスクの次がピアノのためにですね.これは結構演奏効果が高い割りに弾きやすいのでよく弾かれますね.あとは,版画,マスク,喜びの島,映像第1集,第2集,子供の領分てとこでしょうか.この後に,プレリュード集,エチュード集と続きます.この他に小品がいくつかあります.
さて私の好きな曲ですが,ドビュッシーは特にないですねー(^^;.もちろんドビュッシーが嫌いというわけではありません.でもドビュッシーを何か弾いてと言われたら何か弾かないといけないとしたら,プレリュード第1集の沈める寺ですかね.まあ確かにこの曲が一番好きかな.あとは,ドレミファソファミレド(^^;で始まるエチュード集の第1曲「5本の指のために」かな.ちゃんと練習してないけどプレリュード第2集の「花火」も練習しておきたいですね.でもエチュード集の第1曲はともかく,いわゆる「ど真ん中」でちょっとつまんないですね(^^;.要は今はあんまりドビュッシーを弾く気分ではない?ということですかね.
ドビュッシーというと忘れられないのがミケランジェリが弾いた映像(第1集,第2集)と子供の領分のレコードです.ものすごく透明感があって完成度が高いものすごい演奏で,何度も聴きました(これも音飛びするようになって聴けなくなった).映像第1集第1曲「水の反映」や子供の領分の第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は練習しましたが,どーーしてもミケランジェリのようには弾けずに(当たり前ですが),途中で放り出してしまった?ような感じです.ちなみにグラドゥス・アド・パルナッスムというのは,クレメンティの有名な練習曲集で,ドビュッシーの娘さんがもたもたしながらこれを練習している微笑ましい?光景を曲にした,ということになっています.子供の領分なんで技術的にはそんなに難しくなく小品なんですが,ミケランジェリの演奏はそんなところを全く感じさせず,聴き終わった後まるで大曲を聴いた後のようだ,というようなことを吉田秀和さんが確か書いておられました.
そうそう,ドビュッシーの娘さんで思い出しましたが,ドビュッシーは彼女のことを「シュウシュウ」と呼んでいて,私がまだ福岡にいた頃,高校2年の時に犬をもらってきて飼い始めたのですが,その犬の名前を「シュウシュウ」にしました(オスでしたけど(^^;).なんかちょっとインテリっぽい命名でしょ(^^;.確かスピッツとマルチーズの掛け合わせで,かわいかったですよ.
連弾の曲もいくつかあります.一番有名なのは「小組曲」ですね.「お連弾」の定番です(^^;.私は妻と一度だけ(^^;連弾をしたことがあるのですが,そのとき弾いたのが6つの古代碑銘の最後の「朝の雨に感謝するために」でした.
オケの曲や室内楽もいくつかあります.オケの曲は一通り聴いたと思います.どれもドビュッシーらしくていい曲だったと思います(いい加減なコメント(^^;).
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ここで紹介した,ウィンドウの制御(Maximize Assistant)ですが,前から気になっていたのですが,MS-WordでIMEの動作がおかしくなることがあります.それでいろいろ試した結果,どういう条件で不具合が起こるかわかりました.具体的には,Wordを立ち上げる時,Maximize Assistantのウィンドウの設定のその他で「ウィンドウが新規作成されたときのみ処理する」にしておかないと,不具合が起こります.どういう不具合かというと,変換キーを押しても変換されず,もう一度押すと2番目の候補が表示されるというもので,とても鬱陶しいです.私が使っているのはATOKですが,MS-IMEでも同じ現象が起きます.まあWordのウィンドウの設定を「ウィンドウが新規作成されたときのみ処理する」にしておけばそれで済むことですし,ウィンドウを開いた後動かすこともあるので,普通そう設定しておくものですからそんなに問題はないですが,もしお使いの方がいらっしゃったらご注意ください.
でもその時感じたのですが,その不具合はWordでしか起こらないので,Wordを使うのをやめようとも思ったのですが,いろんなところから来る原稿依頼がほとんど「Wordのdocファイルで」というものです.つまり,ワープロはWordを使っているというのが前提になっているんですよね.そういうことに抵抗を感じている人も多いと思います.私もそうです.Wordのdocファイルはそのフォーマットを公開していないので,対応するソフトは実質Wordしかありません.互換性があると言われているOpenOfficeというのも使ってみましたが,びみょーに行がずれたりして代用にはなりませんでした.まあこれもマイクロソフトの戦略なんでしょうが,あまりいい気はしませんね.
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ここで紹介したランチの女王ですが,また再放送やってますね.何回もやるんですねー(^^;.前回が2004年5月〜6月ですからちょうど2年前です.でもなんか随分前のことのようだ.ここ見るとこのホームページもまだ出来始めたばっかりという感じでしたしね.
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ドビュッシーの次は当然のようにラヴェルです.リスト同様,難曲揃いということで有名です.私はラヴェルにはかなり思い入れがあるのですが,なぜかはよくわかりません(^^;.
ポピュラーなものはピアノ曲にはないですかね.オケものだとボレロがありますね.同じメロディーをひたすら繰り返すというコンセプト?でこれほどはまったものはないでしょう.ピアノソロ,ピアノ連弾の編曲があります.ピアノ連弾はかなり有名で,これも「お連弾」の定番です.女性が涼しくメロディーを弾きながら男性が汗水垂らしてリズムを打ち続けます(別に役割が逆でもいいと思うんですけど).実はこの曲の「お連弾」について私にはあまりいい思い出がないので割愛します(^^;.あとポピュラーなのはラ・ヴァルスですかね.これもピアソロ,連弾(2台ピアノ?)の編曲があります.亡き王女のためのパヴァーヌも有名なんですかね?これはピアノソロがオリジナルでオケがピアノソロからの編曲です(多分).
さて,ラヴェルのピアノ曲ですが,数はそんなに多くありません.CDで2,3枚くらいです.主なものは,古風なメヌエット,亡き王女のためのパヴァーヌ,水の戯れ,ソナチネ,鏡,夜のガスパール,優雅で感傷的なワルツ,クープランの墓と言ったところですかね.この他にもいくつか小品があります.この中で私が比較的好きなものは,水の戯れ,ソナチネ,夜のガスパール,クープランの墓あたりでしょうか.特に好きなのは,夜のガスパール(音源)とクープランの墓(音源)です(夜のガスパールは,スカルボの最初の部分を聴いただけですが,宮路さんの演奏の方が軽快でお勧めかな).というか,ラヴェルの作品の中でもこの2つは別格だと思います.とは言いながらなぜかこれらをちゃんと練習したことはありません.大変な難曲ということもあるのですが,とても弾きにくーーい.リストは私に合ってると書きましたが,ラヴェルはとても合っていない気がします.好きな曲と弾きたい曲は別と書きましたが,そういうこともあるかもしれません.
この他には,ピアノ連弾曲のマ・メール・ロアも有名ですね.あ,そうそう,鏡の中の道化師の朝の歌というのも単独でよく演奏されます.でもラヴェルは難曲揃いと書きましたが,よく考えたら難曲だと言えるのは,夜のガスパールとクープランの墓のうちのいくつかですね(^^;.そのくらいこの2曲のインパクトが強いということでしょうか.夜のガスパールの3曲目のスカルボは,古今東西の難曲の中にも名前が挙がることがあります.
2つのピアノコンチェルトも有名です.D-durの左手のための,というのとG-durのものがあります.G-durはいきなり「ぱちーん」というムチの音で始まるのでびっくりしますよ(^^;(音源).この曲は,おちゃらけたようなところがふんだんに入っていて結構好きです.昔,アルゲリッチがプロコフィエフの3番とこの曲を入れたレコードがあって何回も聴きました.
オケの曲も一通り聴きました(むかーし).よく憶えていない(^^;のですが,ダフニスとクロエの組曲が一番気に入っていたと思います.ピアノ曲からの編曲が結構あります.ただしクープランの墓は,オリジナルのピアノ曲は6曲からなるのですが,オケは4曲だけだったと思います.だって,あの6曲目のトッカータは,オケでは演奏不可能ですよね(^^;.
室内楽もいくつかあります.有名なのはヴァイオリンソナタで,ヴァイオンリンソナタについては,このコーナーでもいろいろ書いてきましたが,この曲は,ヴァイオリンとピアノは本質的に異質なもので,合わせてはいけないというコンセプトで書かれているということをきいたことがあります.でも実際に聴いてみるといい曲ですよ(^^;.
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昨日,言及したランチの女王ですが,ここにその周辺の様子を紹介したページを公開してしばらくして,その中で紹介した蕎麦屋(あさひや)のご主人からメールをいただきました.もう随分前のことですが.でも結構いろんな人に見られてるんですねー.そう言えば,ここんところ随分長い間,あさひやには行ってません.また天ぜいろを食べたくなってきました.
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サティはどうしようかと思ったのですが,1987年以降,多くの楽譜が出版されるようになり,その後,急速に普及した感があって,そのいくつかは今とてもポピュラーになってますので一応取り上げることにしました.私がジムノペディをT大ピアノの会の五月祭演奏会で弾いた1983年の時点ではサティはそれほど知られてはいなかったと思います.
サティは1866年生まれですから,ドビュッシー(1862年生まれ),ラヴェル(1875年生まれ)とほぼ同時期にフランスのパリで活動していたことになります.しかし,作った音楽はいわゆる印象派と言われるドビュッシーなどとは異なるものです.どういう音楽かというと,とてもシンプルで演奏する側にしてみれば技術的にはとても易しいのですが,独特の雰囲気があり,音楽的にも和声進行などに新しい試みがされています.現在でもその評価は分かれるところではないでしょうか.
1つの特徴?としてその風変わりなタイトルがあります.いくつか例を挙げると「犬のためのぶよぶよした前奏曲」「ひからびた胎児」「官僚的なソナチネ」といった感じです.ちなみ官僚的なソナチネというのは,ソナチネアルバムに載ってるクレメンティのソナチネ(ドーミドソ ソ,って奴)が基にになっています.タイトルから想像してどんなおどろおどろしい曲だろうと思って聴く(弾く)とふつーの何でもないような曲です.ですから,タイトルと曲の中身とはほとんど無関係と考えるべきでしょう.つまりいわゆる印象派では全くなく,むしろ,それに真っ向から刃向かっているということです.風変わりなのはタイトルだけではなく,楽譜の中の指示もそうです.例えば,グノシェンヌ2番の中には「外出せずに」とか「うぬぼれることなく」などの意味不明?の指示がどんどんでてきます(^^;.
ポピュラーなものは,まずはジムノペディでしょう.1番から3番までありますが,1番が最もポピュラーでしょう.技術的にはほとんどバイエルレベルです.ただし,ただ弾くだけでは全く様になりません.いや敢えてただ弾くだけに徹する必要があるとも言えます.これは,上で書いたように大学2年のときのT大ピアノの会の五月祭でヴィラ=ロボスの野性の詩(20分あまりに及ぶ大変な難曲)を弾く前の準備体操(^^;として弾きました.軽い気持ちで弾いたのですが,この曲をこういう風にちゃんと?弾ける奴はなかなかいない,と意外に好評でした(^^).あとは,ジュトゥヴですね.これも技術的には易しいですが,私は意外と弾きにくいと思っています.ピカデリーもなんかのテレビCMで使われていたような気がします.
この他にもピアノ曲は結構あります.全集でCD5枚だったかな.どれも妙なタイトルがついています.その中でも超変わり種は,ここで紹介したヴェクサシオンでしょう.世界一長い曲ということになっています.リンクに飛ぶのがめんどくさいという人のためにコピペすると,ヴェクサシオンとは「癪の種」という意味でたった数十秒の何ともかったるいフレーズが何と840回も繰り返されます(サティがそう指示している).そんなんやってられるかというのが普通ですがなんと10人がかり(+2人の助っ人)でちゃんと世界初演をしたそうで(^^;その時は20時間近くかかったそうです.その数年後に日本でも初演されています.
私が好きな曲ですが,ジムノペディとジュトゥヴは結構好きで一応弾きます.連弾曲ですが,梨の形をした3つの小品というのも結構好きです.ちなみにこの曲は,ドビュッシーのもっと形式を考えるようにという忠告に対する答えと言われていて梨の形の梨にはフランス語で「間抜け」といった意味もあります.あとは,グノシェンヌの5番も結構好きで弾きます.そうそうグノシェンヌもそれなりに有名ですね.グノシェンヌは6曲ありますが,作曲年は5番が一番早いとされていて,続けて演奏する場合は5番,1〜4番,6番と演奏されるようです.実は,正直に言うと全集をもっているのですが(確かチッコリーニの),全部ちゃんと聴いたことはないと思います(^^;.あんな感じの似たような(^^;音楽をCD5枚分聴くというのも結構大変(退屈?)なんで...(^^;.でもこういう文章を書くからにはやはり一度ちゃんと一通り聴いてみる必要がありますね.私はピアノ曲しか聴いたことがないので,その他の曲については書きません(書けません)が,歌曲やバレエ音楽などいくつかあるようです.でもまあピアノ曲メインであるのは間違いないでしょう.
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「私が好きな曲 〜の場合」をほぼ1日1作曲家のペースで書いているので,その他の本来の?「考えること」がちょっとおろそかになってますね.それにしても信じられないような事件もそうですが,ここんとこ盗作とか村上ファンドとか世間が騒がしいですねー.しかし,全くコメントする気にもならないようなことばかりです.そんな中,身近なこと?として,朝日新聞にこんな記事がありました.
大阪大医学部、「独立助教授」創設へ
助手や助教授などの中堅研究者に独創的な研究に取り組んでもらおうと、大阪大学医学部が全国的にもユニークな「独立助教授」制度を創設する。年間1000万円の研究費を5年間与えて研究に集中させ、成果が上がれば、教授への優先的な昇格を可能にする。来年度に4人の枠を検討中で、秋に募集を始める。 医学部の研究室では、教授に権限が集中しがちで、助教授や助手らが自由に研究費を使い、独自の研究に取り組むことが難しい場合がある。 <中略> 文科省は学校教育法を改正し、「教授を助ける」との職務規程のあった助教授を来年度から廃止、教授とは独立して教育や研究を行う准教授と助教という役職を新設する。ただ、大学関係者の間には「現行の助教授は准教授に、助手は助教に肩書が変わるだけで、実質は変わらない」との声もある。 <中略> 遠山正彌医学部長は「教授のもとで才能を眠らせてしまっている助教授や助手は少なくない。独立心旺盛な研究者を集めたい」と話している。 |
うーん,どうなんですかね.助教授は教授の「手下」というのが実態?ということなのでしょうか?白い巨塔のモデルとなった?阪大医学部で,というのがちょっと(かなり?)現実味がありますね(^^;.
ちなみに私が今所属している大学の専攻は,ほぼ完全に一教員一研究室です.講座制みたいな形をとっているところもいくつかありますが,それは「自主的に」そうしているということです.ですから,助教授は,そして講師も全て既に独立助教授,独立講師ということになります.違うとところは「年間1000万円の研究費を5年間与えて研究に集中させ、成果が上がれば、教授への優先的な昇格を可能にする。」というところですね.でもどうなんですかね?そんなことを若くて意欲のある有能な研究者は望んでいるのでしょうか?
やりたい研究するのにお金がかかる場合もありますから,研究費をくれるのはまあよしとしましょう.でも研究費を5年与えて成果が出たら昇進させるっていうのがモチベーションになりますかね?別に昇進が目的で研究してるわけではないでしょうし(やる気3要素参照),5年で成果を出せと言われてもなかなか厳しいのではないのでしょうか?
要は結局,人間それぞれの役回りと人間と人間の間の人間関係なんだと思います.教授−助教授−助手というシステムは悪いところばかりではありません.私が今いるところは上記のように助教授も講師も自由に自分のやりたい研究ができます(ただし,雑事があまりに多いというのはまた別の話です).私が公募に応募して移ってきた最大の理由はそれでした.ですから,今の環境にとても感謝してます.
しかし,正直しんどいと思うこともあります.こっちに来て3年が経って幸い多くの学生が研究室に来てくれるようになりましたが,全員を手取り足取り指導するのは難しくなってきています.最近はいわゆる校費がどんどん減ってきて外部資金を獲得するのが必須になっていますが,当たったり当たらなかったりで「収入」は全く安定しません.まあそういうことはともかく,1人で研究室の全てをマネージメントして学生に対していくというのはかなり大変です.たとえ,多少大所帯になっても何人かできりもりして行く方が精神的にも全然違うと思います.私ですらそうなのですから,30代の講師の先生方はもっと大変だろうと思います.
実は私が今いる専攻でも講座制を復活させてはどうか?という意見が出るようになってきました.教授−助教授−助手というシステムは,教授,助教授,助手がそれぞれの「本来の」役割を果たせばとても有効に機能するものです.でも悲しいかな,教授が助教授や助手に自分の雑用を押しつけたりといったことがあるので,「独立助教授」創設へ,なんてことになってしまうのだと思います.地位や権力に任せて言うことをきかせても人間関係はぎくしゃくするし,実際,(実質)講座制の教授と助教授がとても仲が悪いという話はとてもよくききます.でも,「情けは人のためならず」ですから,必ず自分に返ってくるでしょうし,「言うこときいてりゃ悪いようにはしないよ」という時代でもないでしょう.
このコーナーでも何度も書いてきましたが,私は基本的に人間関係に上下はないと思っています.でもその人の知識や経験などによる役回りはある.そういうことを考えて「共同で」気分よく仕事をしていけばいいのだと思います.「独立助教授」のような新しい?枠組みを考えるのもいいですが,そういう根本的なところの意識が何より必要だと思います.無理矢理枠組みから決めていくというのはそこにいる人間の意識レベルがいかに低いかということを露呈しているような感じすらします.
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いよいよ本題?の近現代に入っていきます(ここまで来るの長かった(^^;).でもサブタイトルを見られて,あれ?と思われた方もいらっしゃると思います.本題なのにひとくくりかよ?もちろん,そんなわけはありません.しかし近現代は私が最も思い入れがあるところなので,客観的に書く自信がありません(嘘).でも,ある程度「一般的に」書く必要はありそうです.そこで,先に誰について書くかを決めておこうと思います.その辺の選択がとても難しいのですが,私の好きな作曲家ということではなく,この人達はどうしてもはずせない,という人を予め選んでおかないと途中でいろいろ気の迷い?が生じると思うのです.ということで生年順に以下のように(とりあえず)絞りました.
スクリャービン(1872-1915)はずしてしまった人ごめんなさいm(_ _)m.ポピュラーな曲があるかどうか,音楽史上どうしてもはずせないか,私の若干の好み(^^;,そして何より後世に残る作品を残したかを考え,古典,ロマンとのバランスを考えてこの8人に絞りました.でもこうして並べてみるとまあこんなもんかな,という気はしています.
8人中5人がロシア出身ですね.これ以外にも近現代にロシア出身の著名な作曲家はとても多いです.この中ではメシアンだけですが,ロシアと並ぶのはフランスです.つまり20世紀は,ロシアとフランスが主導してきたということですかね.いずれにしても,これ以外に思い入れのある作曲家はこの10倍くらいはいるので,一通り書いてからまた戻ってこようと思います.
近現代以外にも,ロマン派の補遺もまだしてませんし,ドヴォルザークやスメタナなどの東欧もの,19世紀ロシアのいわゆる国民学派,アルベニスなどのスペインもの,どうしようか迷ったあげくはずしてしまったフォーレもいます.ポピュラーという点では,例えば,チャイコフスキーなんかにも言及しないといけませんね.シンフォニー好きにとっては,マーラーやブルックナーも重要ですよね.まあ要するに,このシリーズ?も大分長くなってきて,本題の近現代に到達するまで結構長かった(^^;ので,近現代のうちどうしてもはずせないものだけでも先に書いておこうということです.
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M上ファンドのM上さんの会見をちらっと見ました.どう思いました?もちろん全部をきいたわけではないのですが,「僕が悪い」と連呼しているにもかかわらずとても謝罪会見には見えませんでした.というか全然「申し訳ない」となんか思っていないのが画面からあふれ出ています(^^;.申し訳ないと思ってるとしたら自分のファンドに投資してくれた人に対してでしょうから,結局は自分のためということです.ただひたすら自分を正当化するために言い訳をしているようにしか見えませんでした.ちょっと違いますが,T横インの社長の謝罪?会見を思い出しました.
H江さんもそうでしたが,彼らに共通するのは,金儲けが何が悪い?という開き直りというか確信です.街頭のインタビューをきいてると汗水垂らして働かないのはやっぱりおかしい,と言ってる人もいます.しかし,残念ながら今の資本主義という世の中の枠組みでは,ルールさえ守れば(H江さんもM上さんもルールを破ったために退場しましたが)汗水垂らさずに金儲けしたもん勝ちの社会です.しかし今の世の中が資本主義の枠組みで動いている以上,それこそルールを破って犯罪を犯さない限りは,彼らを止めることができません.
資本主義というのは単なるルールであり,ルールはもちろん守らねばならないものですが,試合を公正かつ円滑に進めるためのものであって,ルールは試合のためにあるものです.それなのに,ルール(資本主義)の不備をついて試合に勝つというのは本来本末転倒なものでしょう.スポーツで勝つために手段を選ばない(ルールを守っても)というのは私の最も嫌うところ,ということもどこかで書きました.
犯罪者ということを除いて,H江さん,M上さんに対しては一部では経済を活性化した?と評価する向きもあるようです.しかし,功罪という観点から見て最大の罪は「何も産み出さずに」莫大な量のお金儲けをしてしまったことでしょう.相場の世界は完全に「ゼロサム」です.儲かる人がいればその分損する人がいます.実際には,儲かる人は圧倒的に儲かるので,数から言えば損する人の方が圧倒的に多いです.そしてその世界の中で同じパイを食い合うだけで全く何も産み出しません.例えば,商品先物市場は,商品の価格の安定化に寄与しているという建前もありますが,実際には,相場を動かしているのは投機筋で,むしろ商品の価格は不安定になっています(例えば,最近の原油や貴金属).
彼らを時代の寵児と持ち上げたマスコミの影響力もあって,そういう「何も産み出さない」金儲けに走る,特に若い人が増えてしまったかもしれません.最初は,H江さんはIT革命を起こす,M上さんは株主価値を高めるなどと言っていましたが,最後の方は,H江さんは世界一の時価総額をもつ企業になろう,M上さんは,私の仕事はファンドに投資してくれた人を儲けさせることと言って憚らないなど,単なる金儲けに走ってしまっていました.
問題は,そうやって儲けてお金を集めた人がそれを何に使うかです.儲けてお金を集めただけでは何も産み出しません.儲けたお金を「何か価値あるものを産み出す」ために先行投資して初めて経済は活性化します.銀行は右にあるものを左に動かすだけで金儲けしているという人がいますが,そういう役割を果たしているわけです.しかし,それは何が「何か価値あるものを産み出す」のかという非常に高度な判断が必要なもので,そこをないがしろにして単なるお金持ちから資金を集めて儲けてまたお金持ちに還元したって,単なるお金持ちが喜ぶだけの話でしょう.お金をもっている人やお金を儲ける人がそういう高度な判断ができる人とは限らない(むしろ逆?),というところが今の資本主義社会の最大の歪かもしれません.でもまあ,今回のM上さん逮捕で,一番喜んだのはタイガースファンに間違いはありませんね(^^;.
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いよいよ本題の近現代なんですが,意外と書きにくいもんですね(^^;.どのくらいクラシック音楽入門的に書けるかわかりませんが頑張ってみます.
スクリャービンも私がT大ピアノの会にいた20年くらい前はそれほどメジャーではなかったと思います.当時はアシュケナージがピアノソナタの録音を始めた頃で,私が最初に聴いたのはシドンの全集でした.スクリャービンも今はかなりメジャーになり,いろんなところ,場面で演奏されますが,ポピュラーと言えるほどのものはないですかね.でもそれは近現代自体がそうですからね.
スクリャービンの作品は,シンフォニー(交響曲)が5曲ありますが,ピアノ曲がメインです.ピアノコンチェルトも1曲あります.そして,その中心をなすのは,やはりピアノソナタでしょう.全部で10曲あります.ピアノソナタ以外にも多くのピアノ曲を書いていて,作品番号はOp.74まであります.スクリャービンは前期,中期,後期と作風を変えていったのですが,ピアノソナタ10曲にもその変遷が現れています.
前期は,ショパンの影響を受けたまあ普通?の曲を書いていました.ピアノソナタで言うと1番から4番までです.そして中期を経て,ピアノソナタで言えば5番を境に無調,そして,いわゆる神秘主義と言われる独特の世界に突入していきます.ピアノソナタだと6番から10番がいわゆる神秘主義の作品ということになります.ただ,このいわゆる神秘主義による作品は,評価が分かれるところではないでしょうか.実際,スクリャービンはメジャーになってよく弾かれるようになったと書きましたが,よく弾かれるのは後期の神秘主義のものではなく,前期のショパンぽい曲群です.でもショパンぽいとは言っても独特の雰囲気があっていい曲結構ありますよ.
ピアノソナタの2,3,4番はよく取り上げられます.そう言えば,3番の第1楽章の第1主題は演歌だと言った人がいましたね(^^;.5番になるとかなり無調的な要素が現れますが,まだ大丈夫です.でも6番以降は一般の人?にとってはかなりきびしい(^^;と思います.でもその中で9番のいわゆる「黒ミサ」と呼ばれているものは私は結構好きです(音源).ちなみに7番は「白ミサ」と呼ばれています.
私はピアノソナタの中では5番がかなり好きで,前期のものでは2番と3番も好きです.後期では上で挙げた9番「黒ミサ」ですね.でもこれって普通?でちょっと面白くないですね.私は近現代ものが好きなのですが,いわゆる十二音やセリー系ではなく,普通?の曲を適度?にデフォルメしたものが好きで,そういう意味では,スクリャービンの5番くらいが「ちょうどいい」です(^^;.ただ,スクリャービンの後期のものは無調ですが十二音ともセリー系とも違う独特のもので,結構格好良くて(^^;私は結構好きです.
でも,ソナタの5番ですら一般の?人からすると「なんじゃこりゃ?」となっちゃうんでしょうね.実際,私がこの曲を初めてきいたのは,まだ中学生だったもう30年以上前(^^;で,ホロヴィッツがRCAに移籍した第一弾のシューマンのピアノソナタ第3番とのカップリングのLPでしたが,最初の低音の「ドカドカドカドカドカ(^^;」というトリルが始まった瞬間「なんじゃこりゃ?」と思いましたもん(^^;.でもおそらくそれが私とスクリャービンの最初の出会いでしたね.「なんじゃこりゃ?」とは思いましたが,世の中にはこんな曲もあるんだ,と不思議というかなんとも言えない新鮮な気分になりました.しかし結果的にこの曲をきっかけに「近現代への道」へ入ることはありませんでした.その頃はまだロマン派の開拓中でしたしね.
アムランのピアノソナタ全集がここで試聴できます.3番第1楽章の浪花節,じゃなくて演歌(^^;,5番の出だしの「ドカドカドカドカドカ」というトリルや6番以降のおどろおどろしさ(^^;の一端が聴けます.
ピアノソナタ以外のピアノ曲を全てここで紹介するのは大変です.でもまあ数的にはショパンと同じくらいです.曲の種類としては,エチュード,プレリュード,ポエム(詩曲),マズルカなど規模が小さいものが多いです.全部ではないですが,ピアノ曲とその他の主な作品をだーーっとリストにしました(一番下).一番左が作品番号で,太字がピアノ曲,赤字がピアノソナタとファンタジー,下線が比較的規模が大きいものです.やはりピアノ曲が多いですね.作品番号がついてないものもいくつかあります.
比較的よく弾かれるのはなんですかね.前述のピアノソナタ2,3,4番.エチュード, Op.8とOp.42(から何曲か選んで),2つの詩曲, Op.32,後期では,詩曲「焔に向かって」, Op.72あたりでしょうか.Op.8のエチュードの第12曲はよく弾かれます.私も一応練習しました.
私が好きな曲は,ピアノソナタは上で挙げたものですが,それ以外だとファンタジー, Op.28です.前期の最後の方の作品です.これもピアノソナタ同様比較的規模が大きい作品で,大学時代に演奏会で弾こうと練習していましたが,結局,披露?には至りませんでした.これもそのうち弾こうと思っています.
1 ワルツ-----------------------------------
ラフマニノフは1873年生まれですから,スクリャービンより1つ下ですが,モスクワ音楽院では同級です.彼はピアニストとしても有名で(最初はスクリャービンの方がピアニストとして嘱望されていたらしいですが),12度(ドと1オクターブ上のソ)も楽々届くという巨大な手をもつことでも知られていました.録音も残っていてその演奏に接することができます.
さて,彼の作った音楽ですが,範疇では近現代ですが,中身は全く近現代ではありません.即ち,後期ロマン派やチャイコフスキーの延長線上にあるもので,十二音を始めた新ウィーン学派に真っ向から対抗すらしていました.しかし,作られた曲はラフマニノフ独特のロシアっぽい泥臭さのような雰囲気があって,一般?の人にも親しみやすくとてもポピュラーなものが多いです.
一番ポピュラーなものは何と言ってもピアノ協奏曲第2番でしょう(音源).今年開かれたトリノオリンピックのフィギュアスケートで村主章枝さんと高橋大輔さんがその第1楽章を使っていました.実際演奏会でもよく取り上げられます.でもあまりにポピュラーな旋律で,「映画音楽」と揶揄する人もいます.実際,第3楽章の第2主題はいくつかの映画で使用されているそうです(私は映画を全くと言っていいほど見ないので直接は知りませんが).ピアノ協奏曲は4つ書いていて,3番も有名です.1番と4番はそれほど取り上げられませんが,演奏形態がピアノ協奏曲で変奏曲のパガニーニの主題による狂詩曲は,2番3番と同じくらい演奏されます.
交響曲3曲を含むいくつかの管弦楽曲,室内楽曲,声楽,歌劇も書いていますが,中心はやはりピアノ曲でしょう.でも考えてみると数はそんなに多くはないですね.主なものをざっとリストアップすると以下のような感じでしょうか.一番左が作品番号(Op.),太字がピアノソロ曲です.
1 ピアノ協奏曲第1番良く演奏されるのは何でしょうかね.やっぱプレリュード(前奏曲)でしょうか.ラフマニノフのプレリュードは全部で24曲あります.でも上のリストを見ると計算が合いませんよね.Op.23の10曲とOp.32の13曲だと1つ足りない.実はOp.3の幻想小曲集の第2曲がプレリュードになっていて,それと合わせてちょうど24曲ということになっています(24曲がなんで「ちょうど」かはわかりますよね?).このうちよく演奏されるのはOp.3の2,Op.23の5, Op.32の12あたりでしょうか.プレリュード以外だと,ピアノソナタ第2番,Op.34の14の歌曲の最後の曲をピアノソロに編曲したヴォカリーズあたりですかね.モーメント・ミュージカル,「音の絵」(Op.33とOp.39の2つある)のいくつかも時々演奏されます.
さて私が好きな曲ですが,モーメント・ミュージカル, Op.16ですかね.Op.3の2のプレリュードは一応レパートリーです.でもそんなに好きというわけでは(^^;...好きという点ではOp.32の12の方が好きですね.でもこれらが好きというのもまあ割と普通で(^^;つまんないなー.そうそう,昔(20年くらい前(^^;)聴いたときはコレルリの主題による変奏曲, Op.42をとても気に入ったと思うのですが,それ以降全く手つかずで弾こうとも思ってことがないということはそうでもないのかな(^^;?
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一部の方から要望があったので(ていうか自分が使いやすいように(^^;)サイト内検索をつけましたのでよろしければお使いください.ただし,Googleなのでごく最近のものはヒットしないと思いますのでご注意ください.
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実はシェーンベルクを入れるかどうかは迷ったのですが,音楽史上どうしてもはずせないと考えて敢えて入れました.音楽史上どうしてもはずせないのは,いわゆる十二音音楽を創始したとされているからです(この辺は,ハウアーのトレーぺが先という説もありますが,まあ一般常識的にはシェーンベルクということになっています).
十二音音楽とはとてーも平たく言うと,1オクターブ(周波数が倍半分)の中を周波数で等分した平均律(ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ ソ# ラ ラ# シ (ド))の12の音を「均等に」使おうというものです.調のある音楽だと「ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ ソ# ラ ラ# シ」の中では「ドレミファソラシド」が「頻繁に」使われますよね.そういう不公平(^^;?をなくしたということです.
そうするとどういう音楽ができるのかというと,まあ一般?の人にとってはとても気分のわるーい音楽ができてしまうわけです(^^;.実際,十二音音楽が提唱されてからの20世紀の音楽は,いわゆる「現代音楽」と呼ばれる一般の人には理解不能?なわけのわからない音楽を多く産み出すことになりました.ですから,十二音音楽の創始者であるシェーンベルクを「新しい音楽を作った」と評価する一方で「音楽を壊した極悪人」と見る向きもあります.でも,やはり評価に値するのは「それまでになかった新しさや独創性」ですから,そういう意味では評価されてしかるべきでしょう.
シェーンベルクは,最初から十二音で作曲していたわけではありません.初期には「浄められた夜」のような後期ロマン主義の曲も書いています.ピアノ曲にもその変遷を見ることができます.シェーンベルクの作った曲はそれほど多くはなく,ピアノ曲は以下の通りです(左端の数字が作品番号).CDでも1枚に収まる分量です.
11 3つのピアノ曲この他のピアノ関係ではピアノ協奏曲, Op.42があります.ピアノ曲ではOp.11から無調に近いですが,完全に十二音の技法を使って書かれたのはOp.23の第5曲「ワルツ」とされています.そしてOp.25の組曲は全て十二音技法を使って書かれています.
シェーンベルクには,そのコンセプトに賛同する多くの弟子がいて,ウェーベルンやベルクなどがそうです.これらを新ウィーン学派と呼びます.もちろん新ウィーン学派ではありませんが「4分33秒」(実は4分33秒は曲名ではなく,初演のときの演奏(^^;?時間が譜面の最後に書かれていてそれが曲名のように使われるようになったということです)で有名なケージもシェーンベルクがナチスに追われてアメリカに移住したときの弟子になります.ピアノ曲ではウェーベルンは変奏曲, Op.27,ベルクはピアノソナタ, Op.1がよく(でもないかな(^^;?)演奏されます.
さて私の好きな曲ですが,まあ基本的に十二音は好きではないのでありません,と書きたいところなのですが,Op.25の組曲は結構好きです.十二音で書くと誰が書いても同じような曲ができてしまうという感じがしますが,やっぱり違うものです.Op.25の組曲はいつかちゃんと練習して演奏会で弾こうと思ってるのですが,受けないのは必至ですから,なかなかモチベーションが...(^^;.でも十二音音楽とはこういうものだよ,というサンプルみたいな感じで何か1つレパートリーを持っておくことは必要かなと思っています.
演奏はポリーニのLPで聴きました.若い頃のポリーニは,こういうのはとにかく抜群に上手いです.ポリーニは,ブーレーズの第2ソナタとウェーベルンの変奏曲も録音していて,特にブーレーズの第2ソナタは,今でも1つの金字塔のような存在です.私は高校時代ポリーニが弾くブーレーズの第2ソナタを目覚まし時計代わりに使っていました(^^;.気分よく目覚められるかどうかはともかくとして,目は覚めました(^^;.ブーレーズにはソナタは3つあって,1番は時々演奏されるようです.2番3番はほとんど演奏不能(^^;?ちなみにブーレーズは一般には作曲家としてよりも指揮者としての方が知られているかもしれません.
ピアノ以外のオケの曲は,新ウィーン学派管弦楽曲集というカラヤン/ベルリンpoのLPをもっていて(ポリーニ同様,カラヤン/ベルリンpoの組み合わせもこういうのは大得意)一通り聴いていい曲もあったと思うのですが,大分昔のことなのでよく憶えていません(^^;.上記のポリーニとかこのLPとか改めてゆっくり聴いてみたいのですが,なんせLPなんで....家にあるレコードプレーヤーの調子があんまりよくなくて,実質聴けない状態なんですよ(T_T).
上記のポリーニのシェーンベルクですが,ここで試聴できるみたいです.ブーレーズの第2ソナタは,ここで試聴できます.試聴10が第2ソナタの出だし(私の高校時代の目覚まし時計(^^;)です.
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いくつか音源を探してみました.とりあえず,ラフマニノフのピアノ協奏曲2番,スクリャービンのピアノソナタ第9番「黒ミサ」,アムランのピアノソナタ全集(試聴),ラヴェルのG-durのピアノ協奏曲,夜のガスパール,クープランの墓,ドビュッシーのいくつかのリンクを貼りました.まあぼちぼちやって行きます.ピティナのピアノ曲事典は,音源があるものは,試聴のように一部ではなく全曲なのでどういう曲が知りたい人はとりあえずここがいいのではないでしょーか.
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「私が好きな曲 〜の場合」ですが,30分とか1時間くらいで日記のように思いつくままにちょちょちょっと書いているのですが,近現代に入ってからは一応専門でもあるので,あんまりいい加減なことも書けず,ちょっと負担になってきました.このコーナーにかけられる時間は1日1時間が精一杯です.ということで,2,3日に1回の更新ということにしたいと思いますのでよろしく?お願いします.
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東京でN大のN先生と飲んで,福のれん,あらため,由○に行ってきました(替玉無料券もあったし(^^;).味が変わってないかどうか心配だったのですが,却って旨くなったかも(^^).まあ飲んだ後なので旨く感じたという可能性もありますが.店も改装されて綺麗になってました.でもラーメンが600円から680円に値上がりしていました.まあ,味がよくなってシャーシューも旨くなっていて店も綺麗になったのでよしとしますか.でも前より客の入りは悪くなってたよーな...(要はがらがらとゆーこと).まあ,味が本場に近づけばそうなるのはわかります(^^;.私にとってはいいことですが,店の金儲け戦略としては失敗だったかもしれません.店の名前も福のれんの方が博多や福岡を連想させてよかったのでは?と思います.
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私には昔から「よく見る夢」がいくつかあります.1つは,どういう事情かわからないがT大受験をもう1回しないといけないという夢,1つはエレベーターの夢です.前者はとりあえず置いておいて(^^;,後者はエレベーターに閉じこめられるとか,要は自分がエレベーターに乗っているときにエレベーターに不具合があるという夢です.私がエレベーターを頻繁に利用していたのは,大学4年と大学院時代のT大工学部11号館くらいですから(T大地震研では居室が2階,今は1階なのでエレベーターを利用することはほとんどありません),このエレベーターが「舞台」になることが多いです.
夢なのでかなり極端な場合もあります.例えば,エレベーターがそのままどこかに行ってしまうとか,エレベーターが外に飛び出して外の景色が見えるところを恐る恐る高いところを壁づたいに移動しないといけないとか,無限ループに入ってしまって出られずにぐるぐる回っているとか(^^;.普段エレベーターに乗るときはそれほど気にならないのですが,そういう夢を頻繁に見るということは,やはり潜在的に「エレベーターに対する恐怖」があるということでしょう.
確かに密室で何十メートルという高さのところでただワイヤーで宙づりになっていて,コンピュータという中身がよくわからないブラックボックスで制御されていて,いつ暴走してもおかしくないと思っていました.そしてとても残念なことにそれが現実になってしまいました.この事故(事件?)が起こったとき,心のどこかで「あー,とうとう起こってしまったか」と思ってしまいました.
一番驚いたのは,事故(事件?)直後のメーカーの対応です.ここでも法律さえ守れば何をしてもいい,訴訟になれば勝った者勝ち,というここで書いた法の限界を思い知らされました.おそらくこれから様々な調査が行われ,エレベーターの安全性が少なくとも今までよりは注視されるようになるとは思いますが,人命が失われてからになってしまうというのが残念でなりません.地震防災も全く同じことが言えます.いや地震防災に限らないでしょう.人命が失われてからでは手遅れです.だって,失われた命は絶対返ってこないのですから.
とても気になるのは,Sンドラー社のエレベーターの過去の不具合のみがマスコミで取り上げられていることです.他のメーカーは不具合はないのでしょうか?他のメーカーは絶対に安全と言えるのでしょうか?Sンドラー社のエレベーターを他社のメーカーに取り替えればそれで済むという問題とはとても思えません.昨年東京で震度5の地震があってものすごい数の人がエレベーターに閉じこめられましたが,その後ちゃんと対策はとられているのでしょうか?いずれにしても昔からそうですが,私はできるだけエレベーターは利用しないようにしています.
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このコーナーは30分とか1時間くらいで日記のように?思いつくままにちょちょちょっと書いているので,あとで読み返すと不備みたいなものも目立つのですが,まあ気にせずにとりあえずメシアンまでだーっと書こうと思います.
バルトークは何から書けばいいですかね.ピアノ曲は結構あるのですが(全集でCD5枚くらいか),よく演奏されるものはLP(CD)2枚くらいです.私はベロフとコチチュのLPで聴きました.ざっと書くと以下のような感じでしょうか.太字が比較的よく弾かれるものです.
4つのピアノ曲途中まで作品番号がついていますが,バルトークの全作品のうち作品番号がついているのは一部分です(20曲くらい).Andras SzollosyによるSz番号というのもつけられていますが,そんなには普及していないと思います.
ピアノ曲で(ピアノ曲以外でも)ポピュラーと言えるほどではないですが,特によく弾かれるのは,アレグロ・バルバロ,6つのルーマニア民俗舞曲,6つのブルガリア舞曲あたりですかね.どれも弾きやすいです.特に6つのルーマニア民俗舞曲は,T大ピアノの会でグラナドスの演奏会用アレグロ,ハチャトゥリアンのトッカータとともに近現代三大安直と呼ばれていました(^^;.アレグロ・バルバロもほんと弾きやすくて30分くらい練習すれば一通り弾けるようになりますし,その割には結構演奏効果もあるのでお買い得(^^;です.6つのブルガリア舞曲は,ミクロコスモスという6巻153曲からなら練習曲集の最後の6曲です.ミクロコスモスは最初の方はほんとに(^^;バイエルレベルでだんだんレベルが上がっていって,その最後を飾るのが6つのブルガリア舞曲というわけです.6つのブルガリア舞曲は,全て変拍子になっていますが(例えば,一番最後の曲は(3+3+2)/8拍子),比較的弾きやすく演奏効果もそれなりにあります.私は結構好きで一通り弾きました.
あと私が好きなのは,組曲, Op.14です.大学時代演奏会で弾こうと思ってちょっと練習もしました.でも,この曲は4曲からなるのですが,1〜3曲は活発でそれぞれ特徴があっておもしろいのですが,最後の4曲目がくらーく終わるので(^^;,まあ他に弾く曲が見つかったということもあってやめてしまい,そのまま現在に至るです.太字以外で好きなのは,3つの練習曲, Op.18の1曲目ですね.でもとても弾きにくーい(^^;.ピアノ協奏曲は3つあります.一部未完となってしまった3番が一番有名ですが,私は2番が好きです.
バルトークはピアノ以外にも重要な作品を沢山書いています.管弦楽曲で特に有名なのは,弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽(通称,弦チェレ),管弦楽のための協奏曲でしょうか.私はパントマイムからの編曲の中国の不思議な役人が結構好きでした.ヴァイオリン協奏曲も2つあります.室内楽では,2台のピアノと打楽器のためのソナタが有名ですね.確か小学校か中学校かの音楽の教科書で紹介されていました.そして,重要なのは何と言っても6つの弦楽四重奏曲でしょう.T大ピアノの会時代に近現代を一通り開拓し終わって,ストラヴィンスキーの春祭をピアノで弾いた後で,なんかいい曲ないかなー,とか話をしてて,もうやる曲があんまり見つからなくて,バルトークの弦楽四重奏曲をピアノでやるか,とか話していたのを思い出します.
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いやー負けましたね.テレビでは前半はともかく後半はゲーム運びはよかったと言ってますが,私には終始オーストラリアが押しているように見えました.後半30分くらいの時点でこのまま1−0で日本が勝ってもいいのだろうか?という疑問すら持ち始めたほどです.実際,シュート数は20:6ですからほぼ3−1という点数通りです.決定的な場面もオーストラリアの方が多かったと思います(川口が再三ファインセーブで止めていた).後半1点を守るのならそういう選手起用をすべきですし,守ってカウンターに転じたときは決定的なチャンスになるのですから,決めなければこういう結果になってしまいます.
会場はとても暑かったようですから,後半疲れていない選手を起用すれば全然スピードや体の切れが違うのは歴然で,実際オーストラリアはそういう選手起用をしてきて成功しました.日本の選手交代は故障?の坪井はともかく,小野の投入は何がしたいのかよくわかりませんでした.大黒も終了間際数分で仕事をするのは無理でしょう.あと気になるのは3点目ですね.この組はブラジルの力が突出しているので残り3チームが3竦みになると3チームが1勝2敗で並ぶので得失点差で決まる可能性もあります.でもまあWBCの例もありますし,何があるのかわからないのがサッカーですから.日本がブラジルに勝つか引き分ける可能性もあるわけですし.
あと技術的なところでずっと前から気になっているのですが,例えば,ヨーロッパの選手と比べるとトラップするときにボールがどーも落ち着かない感じがするのは私だけでしょうか?中村俊輔なんかいい選手だと思うんですけど,ボールを受けるときにいつもボールがぼよんぼよんしているのがとても気になります.その間にディフェンダーに詰められる場面をよく見ます.フリーキックは止まっているボールを蹴るので関係ないですが.
私が思うところのサッカーの上手さの中で比重が大きいものの1つが「トラップの上手さ」です.フォワードだって,決定力,シュート力ももちろんありますが,要は,自分が打ちやすい場所に如何に素速く正確にトラップするかですよね.日本代表の練習で誰が一番トラップが上手いかという話になって,やっぱそりゃジーコだってことになって,まあジーコがすごいんでしょうけど,もう歳だし(^^;やっぱそれじゃーねー.
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また大分空いてしまいました.明らかにモチベーションが下がってる気がします.というか,「雑事」が多すぎる...今週はほんとになんかいろいろ集中してしまった感じです.「余計なことを考えることがないことは幸せ」と書きましたが,「余計なことを考えない」原因が何かによりますね.こんな感じではそれこそ何のために生きているのかわからなくなります.
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まだ考えが整理できていないのですが,思いつくままに一応書いておこうと思います.昨日は,東京修猷会という私の出身校である福岡県立修猷館高校の東京での同窓会が東京でありました.私は会いたいと思う人間が連絡しあって集まるのは大好きなんですが,出身高校が同じだという理由だけで集まるみたいな考えはあんまり好きではなく,東京に出てきてから25年くらい経つのですが,毎年行われている東京修猷会には今まで一度も出席したことはありませんでした.ただ,今年は我々の学年が幹事学年ということで,S木さんに騙されて?MLに入れられて,あまりに同期の皆さんが準備に頑張っておられて(頑張りすぎ?),せめて当日くらいは行ってお手伝いすることにしました.ていうか,みなさんがあまりに頑張っておられるので,当日だけ行っていいものか逆に怖かったほどです.
出席者500人以上の壮大な会でした.ほんとに準備するのは大変だったと思います.私もせめての罪滅ぼしに飲まず食わずで2時間以上立ちっぱなしで「接遇係」を勤めさせて?いただきました.と言っても,そんなにやることはないので,「修猷」と大きく字が入った法被を着て(^^;会場で何かあったときのために飲まず食わずで立っていたという感じですが(それはそれでかなり辛かった).
ちょっと残念だったのは,同期が100人くらいは来てたと思うのですが,みんな当日の役割が大変で,あまり話す時間がなかったということですかね.とは言っても,1学年450人いて,1クラス45人なので,3年間で同じクラスになったことがあるのは,100人ちょいくらいで,3/4くらいは「よく知らない人」なんですが(^^;.でも同い年で卒業してから25年の間にみんないろいろあったでしょうから,話をすれば楽しいに決まっています.そして,知ってる人知らない人(^^;含めて短い時間でしたが多くの人と話をすることができました.
顔と名札を見れば,あー,そうそうと思い出す人も結構いて,高校ではいっしょのクラスでなくても,中学(西南)でいっしょだったり,あるいはいっしょのクラスではなくても,例えば,気になる女性がいれば,他のクラスだって当然顔と名前は憶えているわけです(^^;.でも女性は大概「姓」が変わっていて,それが「同定」をかなり困難にしました(風貌が変わってしまったからではなく?).やっぱ夫婦別姓が「便利」だと思いますねー.でもこっちは憶えていても向こうが憶えているかどうかわからないので実は結構話しかけにくいもんですねー.
でもクラブ(ブラスバンド)の同期とはしょっちゅう会ってるので,それを除くとほとんどの人とはほんとに25年ぶりなので,全く風貌が変わっ(てしまっ)た人もいれば,面影が残っている人,ほとんど変わってない人もいて,興味深かったです.
打ち上げの最後に,柔道部のO田先生が来られてお話をしてくださったのですが,前半はともかく(^^;後半はとてもいい話でした.こんなにいい先生だったんだと感動するとともに25年前にもっとお話ししたかったと逆に残念な気持ちにすらなりました.館歌(校歌のこと)の中に「皇国のために世のために」という節があるのですが(創立200年なので言い回しが古いのは勘弁してやってください(^^;),まあ「皇国のために」はともかく「世のために」ということがどういう意味なのかというのを話してくださったのですが,普段私が考えていることそのものでした.
これもどこかで書いたと思うのですが,30を過ぎてから思うのは,もう基本的には自分のことはどうでもいいです.でも自分の次や次の次の世代のことはとても気になります.今自分が取り組んでいる仕事やいろんなことに対する考えや思いを引き継いでくれる人は何としても育てないといけないと思ってます.いや,これもどこかで書きましたが引き継いで欲しいというのは「私の勝手」なので,とにかく伝えるべき,伝授すべきと思うことを伝えて,それを彼らがどう判断するか,ということです.
しかし,私の研究室も幸い学生の数がどんどん増えてきて,と同時にいろんな雑事も急激に増えてきたこともあり,一人一人に接する時間が限られてきてしまってコミュニケーションが充分とは言えず,なかなか思うように行きません.そもそも学生の側からしても,どういう風に生きていきたいのかという考えも違うでしょうし,今やっている仕事に対する考えも違うでしょう.今のままでは駄目だ,なんとかして世の中を変えていきたい,という志の高い?人間は実際なかなかいないものです.そもそも自分の考えを伝えられて,後はこいつに任せておけば大丈夫と思える人間に出会えるかどうかもわかりません.もちろん別に私の研究室の学生でなくてもどこかにそういう人がいてくれればそれでいいのですが.
TXが開通したとは言え,赤坂に11時過ぎまでいるのは困難なので残念ながら打ち上げが終わった後の2次会,3次会!は失礼させてもらって帰ってきました.帰りに各年度卒の方々の近況(みたいなもの)を集めた文集をぱらぱら電車の中で見ていて,昭和30年卒の山崎拓さんのところが目に止まりました.30で県議会議員になって政治の道に入り,それから40年の間まさに試練の連続だった,と書いてありました.彼は最近スキャンダル絡みの話とかいろいろありましたが,彼なりにずっと頑張って来たんだと思って(当たり前ですが),実は同じ高校出身だからといって別にどうとも思っていなかったのですが,少し好きになりました.
帰りにつくばの駅を降りて歩いて家に帰る間に,今日のことをどう捉えていいのかわからなくなり,とても不思議な感覚に襲われました.もちろん懐かしいという感覚はあったのですが,高校を卒業して25年も経つとみんな歳をとってまあ一言で言えば,変わり果てていて(^^;正直とても寂しい思いもしました.そして恐らくそれは私もそうなのでしょう.もちろんみんなただ歳をとったわけではなくその間いろんなことがあっていろんな意味で世の中のためにいろんなことをしてきていて成長してきているのでしょうが,25年間という全くの空白の時間を経ていきなり高校時代の同期の連中に会うと,記憶は当時のままでただ風貌だけが25年分歳をとってしまったような浦島太郎のような感覚に襲われてしまいました.歳をとるってどういうことなんでしょうね?
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ストラヴィンスキーは近現代の作曲家の中で最も知名度は高いかもしれません.火の鳥,ペトルーシュカ,春の祭典という3つのバレエ音楽がよく知られています.この中で最もポピュラーなのは火の鳥ですかね.凶悪な踊り,フィナーレあたりは,テレビなんかで時々耳にします.ペトルーシュカはそれほどポピュラーではないと思いますが,音楽そのものはとても聴きやすいです.3つ目の春の祭典は作風は全く違います.1913年のパリでの初演の時は大騒ぎになったと言われています.春の祭典,いわゆる「春祭」は私にとって特別な曲です.後で詳述?したいと思います.
ストラヴィンスキーの1つの大きな特徴として,いわゆる「作風」がない,ということが挙げられます.実際,3大バレエも3つとも作風は違います.どんな作曲家でも書いた曲には「共通する何か」があるものですが,そういうものがストラヴィンスキーにはほとんど感じられません.そういう意味では非常に珍しいケースと言えます.しかし,いろんなジャンルの曲をそれこそいろんな作風で数多く書いていますが,3大バレエ以外はそれほど演奏される機会はないと思います.私も一通り聴いたと思うのですが,印象に残っている曲はあまりありません(^^;.
ピアノ曲はそれほど多くないです.CDで2枚分くらいでしょうか.確かベロフのCDで聴いたと思います.以下のようなものがあります.
スケルツォ最もよく演奏されるのは,ペトルーシュカからの3つの断章でしょう.確か私がもってるポリーニのLPはプロコフィエフのピアノソナタ7番とこの曲のカップリングだったと思います.ペトルーシュカから3つの部分をとってきてピアノに編曲したもので難曲です.あとは,ピアノソナタ(1926年の方),ピアノ・ラグ・ミュージック(全音ピアノピース(^^;から譜面が出ている)くらいですかね.どっちも軽いタッチで書かれた聴きやすい曲です.前者は妻と知り合った頃,彼女が時々弾いていて,ものすごくセンスを感じさせる演奏だったのを憶えています.3大バレエには火の鳥がソロ(ただし抜粋),ペトルーシュカ,春の祭典がピアノ連弾の編曲があります.ペトルーシュカ,春の祭典はよく(でもないか)演奏されます.
さておそらく私が古今東西でおそらく最も好きな曲である「春祭」について書いておかねばならないでしょう.いや「好き」というのとはちょっと違うかもしれません.しかし,このことについては既に近現代音楽 いまむかしで書きましたのでそちらをご覧ください(^^;(真ん中あたりです).もう20年以上前になりますが,どうしても自分で弾きたくなって(音楽は聴くものではなく演奏するものだと思っているので)ピアノソロに編曲して,大学2年のとき第1部を,大学4年のときに第2部を,いわゆる卒業演奏会で全曲弾きました.当時手に入る全てのオケのLPを買って聴いて,上述の連弾用の編曲が原曲に比べて全然音が足らなかったためフルスコアも買ってきて音を補充しながら編曲しました.もちろん譜面も演奏も残っています.久しぶりに譜面を引っぱり出してちょっと弾いてみました.いやー,こんな曲をよく弾いたもんだ(^^;.これもそのうちちゃんとした形にしておこうと思うのですが,学生時代のパワーはもうないのでどうなることやら.
ちなみに春祭のオケによる演奏ですが,20年前でも10種類以上はありました.その中で断然惹きつけられたのはブーレーズのものです.オケは確かクリーブランドだったと思います.ものすごい量の音の洪水ですらある春祭を見事に明瞭に整理して聴かせた演奏で,編曲の大きな助けにもなりました.当時のものは録音は古いですが,まだ売ってますね.確か,録音し直した新しい録音もあったと思います(そっちは聴いてないが(^^;).
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引き分けという非常に厳しい結果になりましたね.勝てる試合だったと言っていますが,PKは取られたし,暑さのせいか集中力に欠けたプレーもとても目立ちました.PKは川口に止められたし勝てた試合と思っているのはクロアチアの方でしょう.テレビの視聴率を稼ぐために昼間の試合が2試合連続というのも,ここにも資本主義のひずみが...
可能性は残ったと言っていますが,限りなく崖っぷちです.ていうかブラジル頼みですね.いや,ブラジルがオーストラリアに圧勝して,日本がブラジルに勝っても,クロアチア対オーストラリアが基本的に引き分けにならなければなりません.オーストラリアが勝てば勝ち点6で抜けるし,クロアチアが勝てば得失点差でクロアチアが有利です(日本がブラジルに2点差以上をつけて勝たないといけない.これはきびしい.).つまり,可能性はあるとしてもとてもとても小さいでしょう.冷静に考えればWBCのときより確率は低いでしょーねー.まあ何が起こるかわからないのがサッカーではありますけど...
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ブラジルがオーストラリアに「圧勝」しなかったために,日本がブラジルに2点差以上をつけて勝つというのが最低条件になってしまいましたね.もちろん万が一(ほんとに万が一くらいか?)そうなってもオーストラリアがクロアチアに勝ってしまえばどうしようもありません.こんな条件で決勝トーナメントに進出できればそれこそ奇跡でしょう.しかしワールドカップフィーバー?を引っ張ろうとマスコミ各位(^^;は必死ですねー.オリンピックのときととてもよく似ています.
もちろん私も日本には頑張って欲しいですが,別に日本なんか負けたって(^^;ワールドカップはそれこそスーパープレーの連続で充分楽しめますよ.ブラジル,アルゼンチン,イングランド,イタリア,スペイン,ポルトガル,オランダ,チェコ,ドイツ,フランスといった国のいわゆる一流国のプレーはやはり見ていて全然違います.球回しがとても落ち着いているし,ゲームを組み立てているし,そういう中からスーパープレーが輝きのように飛び出します.スウェーデン,スイス,メキシコもいいですねー.韓国のサッカーも結構私は好きです.2002年の1次ラウンドのポルトガル戦でのフィーゴの「引き分けていっしょに行こうぜ」というささやきに耳も貸さずに決めたパク・チソンのスーパーゴールが今でも忘れられません.日本に比べるとゴールに向かうがむしゃらさ,それも技術に裏付けられた上での勢いのようなところを強く感じます.
サッカーを見るのは嫌いではないのですが,最大の欠点は見ながら仕事ができないことですかね.いや仕事をしながら見ているのですが,神経を研ぎ澄ませていないと(^^;決定的瞬間を見逃してしまいます.例えば野球なんかだと充分余裕をもって間を取って仕事をしながら見ることができるんですけどねー(^^).
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また体調を大きく崩してしまいました(T_T).日本対クロアチアを見た後,どうしようもない体のだるさを感じ「これはかかったな」と思ったのですが,どうすることもできず寝るしかありませんでした.夜中にもの凄い悪寒で何度も目を覚ましました.朝まで何とか頑張りましたが,ものすごい熱で布団をかぶって汗をかいて熱を下げるしかありませんでした.また母親が妹のところの甥が熱を出して面倒を見に行ってウィルスをもらってきてうつすというパターンだと思いましたが,2日目からは1日目に食べたお寿司が原因か,ものすごい下痢も始まってしまって,もう何がなんだかわからなくなってしまいました.こんなペースで体調を崩していてはこのくそ忙しい中,ほんともちません(T_T).でも3日目は何とか回復し,というか大学院の講義もあったので,無理矢理回復させて,ついでに夜バドミントンの練習までしてしまいました(^^;.全然関係ないですが,この日に死んだ右親指の爪が今朝ようやくきれいに丸ごと姿煮状態で取れました(^^;(写真に撮ってここに載せようかとも思いましたがさすがにやめました(^^;).
体調を崩すといつも感じるのは精神的にもとても不調になることです.やる気は著しく減退し,体もしんどくてだるくてしょうがないので,それこそこのまま別に死んでもいいや,とまで考えることもあります.もちろん「それでも仕事がしたい」と思う強い欲望があれば体にむち打ってでもやるのでしょうが,今の私にはそれほどの欲望はありません(いや,被害地震が起きればどんなことをしてでも被害調査には行くでしょう).しかし,欲望はなくても「やらねばならない仕事」はやらねばなりません.今回は幸い,明日〆切というひっ迫したものはなかったのですが,去年,体調を崩したときは,急患の筑波メディカルセンターの待合室で翌日に送らなければならないパワポを作っていました(T_T).
ということで,やることのプライオリティーをちょっと考えてみました.1番は「やらねばならないことをやる」,2番は「体調を管理する」,3番は「やりたいこと,やる気になったものをやる」です.2番と3番の順位は体調を崩すと精神的に不調になってやる気を失うことから決まっています.そして,「やりたいこと」でも「やらねばならないこと」でなければ体を壊してまでもやるな,具体的には,例えば,夜中仕事をしていて調子が出てきても我慢してちゃんと切り上げて帰って寝ろ(^^;ということです(これがなかなか難しいが).
そして1番は,体調が悪かろうが,やる気がなかろうが,文字通り「やらねばならないことはやらねばならない」ということです.「やらねばならないこと」はやはり仕事になります.仕事以外にも「やらねばならないこと」はあります.それは,「人に迷惑をかけないこと」です.〆切や約束を守らないのは人に迷惑をかけるので,できる限りどんなことをしてでも守るようにします.万が一守れないような可能性が出てくれば,基準は「人に迷惑をかけるかどうか」なので当事者に相談するなり連絡するなりします.しかしそういうことは滅多にしません.何の連絡もなく〆切に遅れたり約束をすっぽかすのは「人の道」にはずれること甚だしく全く問題外です.
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ブラジル戦で盛り上がってますね.いや盛り上げてるという感じでしょうか.でも朝4時キックオフではちょっと見る気にはなれないですね.でもドイツ戦も確か同じような時間でしたが,そういう時間に何かが起こるかもしれません.でも2点差でブラジルに勝利まではさすがに...中継はNHKのようなのでOレンジRンジのあの変な曲を聴かされるのもきついです.でも日本はともかく?今回は前回のような一流国の1次リーグ敗退がほとんどないので,決勝トーナメントはいきなり好カードが目白押しですね.
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私にとってプロコフィエフは,数多くの近現代の作曲家の中でもやはり特別な存在かもしれません.なぜなら,彼のピアノソナタの6番をきっかけに近現代音楽にのめり込んでいったからです.確か高校2年くらいだったと思います.NHKの教育テレビでピアノレッスンか何かの番組でアレクセーエフがその第1楽章を弾いていました.テロップのように譜面も流れていました.それほどいい曲だとは思いませんでした.正直それほど好きな曲でもありませんでした.でもなぜか世の中にはこんな音楽もあるんだと不思議な興味が湧きました.同じような感覚は中学の時にホロヴィッツが弾くスクリャービンのピアノソナタの5番を聴いたときも感じましたが,当時の私にはデフォルメされすぎていて譜面を見てみたいとか弾いてみたいとは思いませんでした.でもプロコフィエフの6番は「適度に」デフォルメされていて譜面を入手して弾いてみたいという気になりました.いわゆる「戦争ソナタ」は難曲として有名で,その存在くらいは知っていました.当時の私の技量ではとても手が届かない(全音の一番最後のページの当時の最難度の「第六課程(^^;」にランクされていました)ものと思っていましたが,曲を聴いたとき難しそうな曲だなーとは思ったのですが,なぜかわかりませんが,何とか弾けるんじゃないか?という妙な予感?もありました.
譜面はちょうどその頃,MCAからソナタ全集が格安で発売されたので早速購入しました.でもこの楽譜はあっという間に「ばらばら」になってしまいました(^^;.仲が良くてピアノも弾いていたH田も確かいっしょに買いましたが,彼のも「ばらばら」になってました(^^;(要は背表紙の糊付けがいい加減だった).LPはペトロフのソナタ全集とアシュケナージによるソナタの7番と8番をとりあえず買いました.一通り聴いて一番衝撃を受けたのはやはり7番でした.こんなに隙のない完成度の高い作品に出会ったのはAppasionata以来だと思いました.しかし7番は全く弾ける気がしませんでした.2番,3番,4番の第3楽章,8番も気に入りましたが,やはり浮気をせずに6番に挑戦することにしました.第4楽章が一番気に入ったのでまずこれを練習しましたが,これもきびしかった(T_T).それであまり好きではなかったけど,「きっかけ」となった6番の第1楽章を練習しました.
驚いたことにこの曲(楽章)は何とか弾けるようになりました.第1主題の3度の速いパッセージ?も難なく弾けましたし,中間部の嵐のようなパッセージの嵐(^^;も割とすんなり弾けました.当時の技量でなぜ弾けるのか不思議でした.よほど相性がよかったのでしょう.近現代音楽 いまむかしで書いたようにしばらくの間は,この曲が「自分を紹介する曲」になりました.そしてT大ピアノの会のようなところでも一目置かれるのに充分な曲でした.その後,どういう具合に近現代音楽にはまっていったかも近現代音楽 いまむかしに書いてあります.
なんかいきなり思い出話になってしまいましたが,近現代音楽を一通り開拓し終わって?振り返ってみると偶然かもしれませんが,私が近現代音楽にのめり込むきっかけになったプロコフィエフはやはり私の好きな作曲家の一人だと思います.ピアノソナタ7番は20世紀に書かれたピアノ曲の最高傑作の1つに間違いありませんし大好きです.でも未だにまともに弾ける気はしませんし,弾いてみたいとも思いません.プロコフィエフはどの曲をとってもストラヴィンスキーとは対照的にプロコフィエフらしさが感じられますし,そのプロコフィエフらしさが好きです.
さて,プロコフィエフのポピュラーな曲と言えば何でしょうかね?小学校の音楽の時間に「ピーターと狼」というのを聴いたことがある人がいらっしゃるかもしれません.後は,最近,「ロミオとジュリエット」の中の「モンタギュー家とキャピュレット家」を時々テレビのCMで聴きますね.ですからまあポピュラーと言えるほどの曲はないということになりますかね.
プロコフィエフはあらゆるタイプの曲を数多く書いていて作品番号もちゃんとついています.太字がピアノ曲です.
1 ピアノソナタ第1番交響曲は7つあります.意外にも一番有名なのは1番の「古典」だったりします(^^;.文字通り古典的な手法でかかれた作品で,もしモーツァルトがこの時代に生きていたら同じ曲を書いただろうと言われたくらい評価が高い曲です.確かにプロコフィエフの才能を感じさせる曲です.その他は私は一通り聴いていてどれも結構好きなんですが,あまりはっきりした印象はないのでこれも一度ちゃんと聴く必要がありますね.記憶のある範囲だと5番は好きです.
管弦楽曲はかなりありますが全部は聴いてないと思います.ピアノ協奏曲は5曲ありますが,私は3番が一番好きです(音源).ラヴェルのG-durのコンチェルトとのカップリングのアルゲリッチの演奏で聴きました.ヴァイオリン協奏曲も2曲あり,室内楽曲も何曲かあります.私が好きなのはOp.94のフルートソナタですかね.ヴァイオンリンソナタの2番はこれを編曲したものです.舞台音楽や歌曲,合唱曲もたくさんあります.
さて,ピアノ曲ですが,やはり中心は9曲のピアノソナタです.6〜8番の第2次世界大戦中に書かれた「戦争ソナタ」が有名です.つまり「戦争ソナタ」という物騒な名前なのは,単にこれらが第2次世界大戦中に書かれたというだけの意味しかありません.7番は間違いなく20世紀のピアノ音楽を代表する曲でしょう(音源).第1楽章の透明かつ鋼鉄のような冷たい響きが作り出す張りつめた緊張感,一転して抒情的な第2楽章,そして,変拍子でありながら,怒濤のように駆け抜ける第3楽章,どれをとってもすごいですしバランスも取れています(と言うより独特のバランスと言った方がいいか).一番長大なのは6番で4楽章からなります.2番,3番もよく弾かれますし私も好きです.そうそう3番は弾きました.マイナーどころでは4番の第3楽章が好きだったりします.
ピアノソナタ以外のピアノ曲でよく弾かれるものはOp.4の4つの小品の4曲目「悪魔的暗示」,Op.11のトッカータ,Op.22の束の間の幻影の中から数曲と言った感じですかね.トッカータは結構難しいですが,悪魔的暗示と束の間の幻影はかなり弾きやすいです.あとは,Op.75の「ロミオとジュリエット」からの10の小品から数曲という感じでしょうか.ソナタ以外はどれも小品で,あまり弾きごたえはないものが多いです.でも数は結構あって,全集はCDで10枚くらいあったと思います.
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奇跡は...起こりませんでしたね.まあそんなに滅多に起きないから「奇跡」なんですが(^^;.もちろん急速に力をつけていくときは傍目からは「奇跡の連続」が起こっているように見えるものですが,残念ながら今の日本はそこまでの力はまだないと思います.WBCのときは奇跡に近いと思いましたが,野球では日本は立派な一流国なのでサッカーに比べれば力は全然違うと思います.1次リーグ突破ということに関しては,やはりオーストラリア戦を落としたこと,それも3点目が痛かったですね.もちろん,たらればですが,ブラジルに1−0で勝てばいいということでしたら,違ったやり方もあったかもしれません.オーストラリア対クロアチアは予想通りものすごい試合になって引き分けてくれたわけですし.
これからどうするんでしょうね.今の中心選手はいわゆる「黄金世代」でユース時代から世界で実績を残してきていて,その次の世代は「谷間」とも言われています.中心選手のほとんどは次のワールドカップでは30過ぎになると思います.ここで一気に世代交代が進むのか進まない(進められない)のか,誰が次の監督になるのか,どういうサッカーを目指すのかちょっと興味があります.
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韓国も負けてしまって結局アジア4ヶ国は全て1次リーグで姿を消しました.次回アジア枠(4+1)を減らされる可能性もありますね.ていうか前回が単なるバブル?だったのかもしれません(そうでないことを祈りますが).でもこれが現実なので仕方ありません.ヨーロッパ,南米の選手のプレーを見ていると技術,ボールコントロールの正確さが明らかに違います.従って無駄な動きも少ないので炎天下で90分間プレーしてもパフォーマンスが落ちません.やはり何でもそうでしょうが,基本的な技術がとても大事ということだと思います.見てわくわくするようなスーパープレーも基本的な技術がなければ絶対にできないのは言うまでもありません.
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ショスタコーヴィッチと言えばやはり交響曲でしょう.全部で15曲あります.ベートーヴェンのところでベートーヴェンの交響曲の数である9という数字に後世の大作曲家はみんな縛られることになります,と書きましたが,この9という数字に到達した大作曲家はそれほどいません.有名どころではやはりマーラーとブルックナーでしょう.彼らは何とかこの数字に到達しました.そして,あまりにも大きな存在であるベートーヴェンの9番の名を汚さないように気合いを入れて9番を書きました.と同時に,9曲目の交響曲を書いたら自分もベートーヴェンと同様に息絶えるのではないかという恐怖感に襲われ,そして実際そうなってしまいました.
この呪縛?はショスタコーヴィッチにも降りかかりました.しかし彼はそれを「軽くかわす」という手段に出ました.9番の交響曲をとても軽いタッチでさらさらと書き上げてしまったのです.その分かどうかはわかりませんが,次の10番はかなり気合いが入っています.そして私がショスタコーヴィッチの曲の中で一番好きな曲です.特に第2楽章のスケルツォは何度聴いても寒気がします.いつかこの曲をピアノソロに編曲して弾きたいと思っています.でもあのスネアドラムが厄介ですねー.演奏はいろいろ聴きましたが,カラヤン/ベルリンpo.が頭抜けていると思います.この組み合わせは近現代には名演が多いです.
15の交響曲の中で一番ポピュラーなのは5番ですかね.時々テレビCMで聴くような気がします.「革命」と呼ばれているようですが,正式名称ではないようです.あとは,7番の「レニングラード」でしょうか.私は5番はあまり好きではないですが,7番は結構好きです.「両端」の1番と15番も好きです.1番はピアノがかなり使われています.軽いタッチで書かかれた?9番も結構好きです.ショスタコーヴィッチには重苦しい雰囲気の曲も多いのですが,おちゃらけたところというか軽いところも結構あって,しかもそのセンスが私はとても好きです.
交響曲の次に多いのが弦楽四重奏曲でこれも15曲あります.これも結構いいですよ.他にはピアノ協奏曲,ヴァイオリン協奏曲,チェロ協奏曲が2曲ずつあります.弦楽四重奏曲以外の室内楽曲はそれほどないと思います.オペラやバレエ,合唱曲などもあります.ショスタコーヴィッチもプロコフィエフ同様,丹念に作品番号がついていて最後のヴィオラソナタがOp.147なのでかなりの数の作品を残したことになります.
さて,ピアノ曲ですが,そんなに多くありません.私が知る範囲ではわずかに以下の6曲(集)のみです.
3つの幻想的舞曲, Op.5最も弾かれるのは,Op.87の24の前奏曲とフーガでしょうか.これは大部で全曲演奏すると3時間近くかかります.私はニコライエワのものをもっています.でも何というかあまり演奏意欲をかき立てられるものはないですねー.最もよく弾かれるのは最後(24曲目)でしょうが,暗くて長いー(^^;.Op.34の方はプレリュードのみでもっとさらっとしています.ピアノソナタ1番はショスタコーヴィッチが最も前衛音楽ぽいものを書いていた時期で,この曲も「すごい」ですが,私はあまり好きではありません.
ということで私の好きな曲 ショスタコーヴィッチの場合は,交響曲第10番ということになります.ピアノ曲で弾きたいと思うものがないので,この曲の第2楽章スケルツォをいつかピアノで弾きたいと思っています.
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昨日,東京でバドミントンの練習をした帰りに久しぶりに石丸電気の輸入盤コーナーに行って物色してきたのですが,もうなかなか「おっ」と思うものはそんなにないですねー.それでも何枚か買ってきたのですが,その中にアタミアンの春祭のピアノソロがありました.ここで書いたように,大学時代,T大ピアノの会でS木さんが聴かせてくれて,春祭のピアノソロを編曲演奏をするきかっけになった演奏で,あらためて聴いたのですが懐かしかったですねー.もう20年以上前のことですが,ここはこうだったこうだったと細部まで憶えているもんですねー.演奏自体は素晴らしいのですが,この演奏の編曲の「不出来」が私に編曲を決意させました(^^;.
ここで書いたようにちゃんと譜面と自分の演奏を残しておきたいのですが,学生時代のパワーはとてもありません.もちろん忙しさの違いもあるでしょうが,どんなに多忙でもその気になればなんとしてでもやるものです(私の場合は).今と当時と比較するとまあ普通に考えれば今の方が格段に多忙だということになるでしょうが,でも当時は大学2年の進振り(大学1,2年の成績で進学先が決まる)前のとても大事な時期ですし,少し大袈裟に言えばそこで勉強するかどうかで人生の大勢が決まるわけですから,当時の方が大変な状況だったと言えなくもありません(^^;.
アタミアンの春祭を聴いて,当時のことを思い出したわけですが,だからと言って当時のように「その気になる」わけでもありません.人間ってどういうときに「その気になる」んでしょうね.まあこれもやる気3要素が参考になるでしょう.でもなかなか「その気になる」もんでもないですよね.でも「その気にな」ったときは自分でも信じられないくらいのものすごいエネルギーを発揮できるものです.
人間の「能力」って何でしょうかね.もちろん才能のようなものもあるでしょうが,私は「どれだけ自分をその気にさせるか」が大きいと思います.人間「その気」になれば大概のことはできるものです(と私は思っている).
もちろん才能のようなものは最初の頃(入門時)はかなりものを言います.しかしレベルがどんどん上がってくると才能だけではどうしようもありません.どんなに才能があっても全く練習しなければマラソンで金メダルは絶対取れないでしょう.毎日夕方5時になれば必ず帰宅するような規則正しい?生活で最先端の研究をしていけるわけがありません.ヤンキースの松井秀喜さんの座右の銘は「努力できることが才能である」だそうです.まあとてもよくわかるのですが,苦しいのを我慢して努力するのって辛いですよね(^^;.私は努力を努力と思わない状況にする,即ち,「その気になる」のが一番いいと思っています(そうしないと努力できない(^^;).面白さは面白いと「思う」ものではなくて「見出す」ものだと書いたのもそういうことです.でもなかなか難しいですよね.だからこそそれができる人が「結果的に」努力できて,「成功」するのでしょう.私もいろいろ考えたり研究したりしているのですが,今のところどうやったら「その気になる」のかまだわかりません.「その気にな」れば大概のことはできる(と思ってる)のですから,いかにして自分をその気にさせるかが私の最大の課題なわけです.
しかし幸不幸ということになると話は別です.「成功」すれば幸せとは限りません.向こうとこっちで書いたように,例えば,ワールドカップなんか見てると「成功」して日本代表にまでなって,でもあんなに大変な思いをしないといけないくらいなら,ふんぞり返ってテレビ見て,日本のサッカーは世界レベルにはまだまだだ,なんて勝手なこと言ってる方がよっぽど幸せという考えもあるでしょう.それでもサッカーを志す人は日本代表に入りたいと思うわけです.それが「その気になる」かどうかということです.
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昨日から左膝がどうにも痛いです.過去の記述を検索するとこの時点でもう痛いと書いてありますね.そのときは保健センター行かなくちゃと書いてありますが,結局行かなかったと思います.でも昨日朝起きたときかなり痛くてまともに歩けないほどでした.昨日の夜は若手((^^;?)教員の飲み会だったのですが,歩いて10分くらいの飲み屋まで歩いて行けそうもなく,どうしようかと思ったのですが,S原先生が車で行く人!と呼びかけてくれて助かりました(^^).
昨日はそんな感じでなんとかしのぎましたが,一向に良くなる気配がなく,意を決して今日保健センターに行くことにしました.今日が大学院の推薦入試の研究計画書の〆切で何回か添削していたのですが,保健センターに行こうと学生の部屋に自転車をとりに行って,「提出何時まで?」ってきいたら「3時までです」って,今1時だよ...おかげでまた?待合室でノートパソコン広げて添削する羽目になりました.もっと早く見せろっつうの.
保健センターに来て,なんかまた来たなーって感じがして検索したら,肉離れで1月に来てますね(何が原因で来たかもう忘れてた).なんか怪我ばっかりしてますね.まあスポーツをやめれば怪我なんかしないのですが.
でも今回は症状的にはとても不思議です.一番痛いのは朝起きたときです.次に痛いのは座って仕事をしていたりした後.つまり,じっとしてる後にかなり痛みがでます.まともに歩けないほどです.でもえっちらおっちら歩いているとだんだんよくなってきます.もちろん痛みが消えることはないのですが,その気になればバドミントンもできそうです.いやこの時点で痛みは出ていて,その後もそんな感じでずっとやってきたわけです.
検査の結果は,レントゲンも撮ってもらいましたが,特に異常はありませんでした(ほっ).でもいつもそんな感じなんですよねー.要は運動をやめれば治るわけです.でも今週末はつくば市のシングルだし,全日本教職員まで1ヶ月くらいしかないし,どうするか決断を要するところです.つくば市のシングルは捨てて1週間くらい休んで様子を見るか...
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どうしようかと思ったのですが,結局昨日は練習に行ってしまいました.もちろん痛いのですが,やればできるもんです(^^;.筑波大バドミントン部のA澤君とシングルやったのですが,結構動けるもんです.でも次の日が怖い,と思っていたら,ちゃんと薬を塗って湿布をして寝たら,夜中に痛くて一度目が覚めましたが,今日の朝はそうでもありませんでした(もちろん痛いことは痛いですが).こんな感じで騙し騙しやっていって自然に治ればいいのですが.ていうかいつもそんな感じでやってきたんですけどね(^^;.
とか書いていたら地震研時代,南研の学生だったN山君からひざ痛って動かしてないときの方が痛いんだそうです。とメールが来ました(^^).へぇー,じゃなくて,ガッテン(^^).でもバドミントンのシングルと脚上げ体操じゃあえらい違いだなー(^^;
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ここで紹介したSONYのVAIO typeUの新製品ですが,ゼロスピンドルモデルも出るので,今日東京での仕事の帰りに実物を触ってきました.画面がめっちゃ小さくて見えない!という話もきいていたのですが,それは意外と大丈夫でした.でもあのキーボートはちょっと使いものになりません.両手でブラインドタッチは全く不可能ですし,両手の親指入力も相当きびしい.ザウルスのMI-E21のキーボードの方がまだ親指入力に耐えます.ということで購入の可能性はなくなりましたかね.
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東京に行く時,TXの入口近くにあるバス停の横を通ります.
「つくバス」というめちゃめちゃ「ベタ」なネーミングです(^^;.TXができる前は確か「つくつくバス」というのもありました.まあ普通なら全くセンスねーなーということになるのでしょうが,私は「ベタやなー」と思わず心の中で笑っちゃいます.そして心の中で笑うときってなんか心がちょっと「なごんでいる」ことに気がつきます.つまりこのネーミングは「ある意味」成功しているわけです.もちろんそこまで考えてやってるとは思えませんけど(^^;.
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