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9/2'11
[30代再考]
(生き方)

 理由はよくわからないのですが,仕事のことを中心に主として今に至ったいきさつみたいなことを突然書いてしまって,でも結果的に苦しく暗かったと思っていた30代についていろいろ再考することもできました.そして,振り返ってみて,30代にやっていたことは,決して無駄ではなく,とても意味あるものだったことを確認できました.実際,ただ暗く苦しいだけではなく,結構楽しく過ごしてましたしね.例えば,既にどこかで書きましたが,今回の2011年東北地方太平洋沖地震のいくつかの強震観測点周りの被害と地震動の関係も含めて,1-2秒応答では説明できないことが,当時のアイデアで説明できることに気づいたりしています.

 じゃあ,仕事以外のことについては,どうだっただろうかと考え始めました.そして,結論から書くと,30代は,仕事だけでなく,仕事以外のいろんなことについて,非常に重要で,むしろ,相当密度が高かったということにあらためて気づかされます.

 仕事以外というと何かということですが,仕事以外というよりは,仕事も含めて人生とか生き方ということがまずあります.そして,そういうことに真正面からぶつかり悩み苦しむと同時に,そういうことから逃げずに考えに考え抜いたのが30代でした.これは,今でも続いていて,ただ頭の中で考えるだけではなく,自分なりに何となくこういうことかなというものも見えてきて,それをこのサイトという形でアウトプットするようにもなりました.そして,それが始まったのが,まさに30代が終わった頃ということになります.

 そして,仕事以外にやってることについては,30代は,今よりむしろ充実していたと思います.私は,仕事以外にいろんなことをやっているのですが,ここにあるもの以外に大きな柱があって,それは,「世の中のことを考えること」と密接な繋がりがあって,具体的にそれが何かは書きませんが(知ってる人は知っていますが),それにかなり打ち込んだのは30代でした.実績的には,30代はさっぱりだったのですが,40を過ぎて徐々に成果も上がるようになりました.ただ,これについては,これからどうなるかは,まだわかりません.

 ピアノについては,一番充実していたのは,東大ピアノの会にいた大学1年〜M2くらいまでの5〜6年でしたが,30代のときも一応続けていましたし,妻と出会ったのもそういう活動を通してでした.そして,彼女と出会うことによって,ピアノの弾き方とか取り組み方まで変わることになりました.実は,私の「練習論」で,最も効果を上げているのは,ピアノだと思います.昨日よりは今日,今日よりは明日上手くなっているのが実感できるほどです.でも,逆に言うと1日空くと,それだけ目に見えて後退するのもわかりますし,そんなに練習時間がとれるわけでもないので,これも少しずつ,でも着実にといったところでしょうか.

 バドミントンについては,既に書いたように,30代は,40になったとき,全日本の40代に出て勝ち上がるという明確な目標をもっていたので,結構頑張ったと思います.少なくとも今よりは練習もトレーニングもしてました.そして,実際に40になったとき,それなりの成績も残すことができました.ただ,バドミントンは,30代とは対照的に,40代は,ほんとにさっぱりです.

 スキーも準指に受かったのは,40を過ぎてからですが,30代の方が菅平に通い詰めて圧倒的?に滑っていました.ですから,30代の成果が40代になってから出たということだと思います.

 こうして,個別に振り返ってみると上で書いたように,30代は,なかなか目に見えて成果は出ないけど,40過ぎて花開いた?ものの礎となった重要な時期だったことがわかります.

 それで,今というか,40代なんですが,結構楽しくやっていて,仕事も仕事以外のことも充実してると思います.そして,それは,30代で頑張ったからなのでしょう.もちろん,今も頑張ってますよ.でも,歳なのでもうそんなに無理はききませんから,できることをできる範囲でしっかりやって行こうという感じでしょうか.ですから,ほんと20代,30代で頑張っておいてよかったなーと思いますし,40代は40代の頑張り方があるとも思います.

 40代で唯一?結果が出ていないのがバドミントンですが,これも少ない練習時間の中でできる範囲で考えながらやってますので,これは,きっと「今が」耐えるときなんだと思います.つまり,ここでくさらずに地道に続けて行くことが大事ということでしょうね.

 あとは,やっぱり体調ですね.40代は,確かに30代のときのものがいろいろ成果となって現れて充実しているのですが,とにかく体調の悪さにはずっと悩まされています.これさえせめて普通になれば,仕事も今の倍以上は成果を上げられるのにと思います.バドミントンの不調も実はこれが関係しているのかもしれません.

 これについては,これも研究対象として,取り組んで行くことにしたので,とにかくまずこれを何とかしたいと思っています.

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02b
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 なんで暗い過去?を明け透けにカミングアウトしたか,ですが,1つの理由としては,今の自分というか状況に満足できたというか自信が持てたということかもしれませんね.今の自分の状況は,好きな仕事ができてそれで飯が食えているし,おまけにそれなりの評価までしていただいて,社会的にも貢献できていると思いますし,仕事以外のことも一応やれていて,考えてみたら,まさに「申し分なし」です.

 そういうことに気づいた1つのきっかけは,そういう状況を変えてみませんか,という話があったことで,いただいた話なので,ちゃんと検討して,その結果,今の状況がいかに恵まれているかを確認したということはあると思います.ほんとにありがたい話でした.

 もちろん,これからどうなるかはわかりません.今の状況に満足できなくなって,やっぱり変えてみたくなるかもしれません.でも,今は今のままでも全然OKだと思えるし,これ以上は望むべくもないでしょう.まあこれも再三書いているように自然の流れに逆らわず,なるようになっていくということでしょうね.

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9/3'11
[若いときに頑張った方がいいのか?]
(生き方)

 このサイトで,歳をとると無理がきかなくなるので,無理がきく若いうちに頑張っておいた方がいいと再三書いて来ました.これはまさに実感です.私も若い頃は頑張りました(もちろん今も頑張ってますが).このことに異論を挟む余地はほとんどないように見えるのですが,少し論理的に考察してみようと思います.

 反論として,若い頃に集中して頑張るのではなく,歳に関係なくもっと万遍なく頑張った方がいいのではないか? ということを考えてみます.確かに一理ありますね.マラソンに喩えれば,明らかでしょう.最初に全速力でぶっとばしたら途中でばてて完走すらおぼつかないでしょうからね.

 でも,人生はよくマラソンに喩えられますが,よく考えると人生とマラソンは,大きく異なります.それは,マラソンは,数時間で終わりますが,人生は80年くらいかかるからです.これは,どういうことかと言うと,人生は,歳をとっていくということです.

 何を当たり前のことを,と思われるかもしれませんが,人生を生きる上で,これがとても重要です.つまり,最初は,気力も体力も能力も充実していますが,途中からはどんどん疲れて行きます.そして,注意しないといけないのは,若いときに頑張っても頑張らなくても疲れる=歳をとるということです.だったら,速く走れる若いうちに頑張って距離を沢山稼いでおいた方がいいに決まっています.実際,前半の若いときに差がついてしまうと,それを後半で取り戻すのは,相当困難です.

 さらにマラソンと人生の違いとして,リードした人間には,よりよい条件が与えられるということがあります.つまり,若いときに頑張っておくと,距離を稼いでリードするだけでなく,よりよい環境が与えられて更にリードが広がるということです.例えば,会社で出世するんだったら,先に頑張って出世しておいた方が給料も部下も増えてできる仕事も幅も広がるでしょう.研究者なら,若いときに業績を上げないと職にすらありつけませんし,運良く大学に職を得られても,大学のレベルの違いはやはり大きいと思います.

 そして,マラソンは,数時間で終わるのでただ疲れていくだけですが,人生は,とても長いので,前半頑張ると,それで鍛えられて後半の走力が高まるということがあります.つまり,当たり前のことですが,頑張れば,それだけ能力が高まるということで,実は,これが一番大きいでしょうね.

 こうして考えてみると,若いときに頑張ると,レース自体をリードする,よりよい条件が与えられる,そして,走力自体もアップするということで,はっきり言って,勝負は,若いとき頑張ったかで決まってしまうということですね.

 さらに,マラソンと人生の違いとして,マラソンは,途中がどうであれ,早くゴールした者の勝ちですが,人生ってどうですか? 最初は,亀でも最終的に,つまり,死ぬときに兎を逆転すればそれでいいですか? やっぱり,走っている途中,つまり,人生を行きていく中で常にリードして気分よく楽しく生きていった方がいいですよね.

 こうして考えてみると,若いときに頑張らないでいつ頑張るの?って思いませんか? でも,私が若いときは,こういう風にちゃんと?考えて計画的に?頑張ったというわけではありません.つまり,何か知らんけど頑張った(^^;ということなんですが,だからこそ,今思い返して,頑張っといてよかったなー,危なかったなーと思うわけです.

 これは,もちろん,歳とったら頑張らなくていいということではないし,若いとき頑張らなかったからもうだめだ,ということでもありません.そもそも,若い年寄りの境目も明確ではありません.でも,誰でもこれから歳をとっていくわけですから,少なくともこれからの人生の中で一番若いのは「今」なのは間違いありません.つまり,若いとき頑張る=「今」頑張るということでしょう.

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(サッカー)

 日本代表負けませんねー.昨日は練習日だったので,試合はライブでは見ていないのですが,スポーツニュースを見て,あーこれは0-0だな,と思ったらあの結果です.UWFC世界チャンピオンも守ったことになります.

 で,思ったんですが,女子はワールドカップを制したわけですから,これも世界チャンピオンなわけですよね(調べたらやはりそのようです).つまり,今は,男女ともに日本が(非公式)世界チャンピオンなわけです.でも女子は,まずは超過密日程の五輪予選を無敗で通過することがタイトルホールドには必要ということですね.

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03c
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 若いときに頑張った方がいいのか?と関係すると思うのですが,そもそも頑張ってどうすんの?人生をマラソンに喩えるとしたら,別に人生というレースに勝たなくてもいいんじゃないの?という声もきこえてきそうです.その通りです.

 このサイトで散々書いてるように,私自身,人生で成功するとかいうことには,興味がありません.でも,人生どうせ生きていくのなら,楽しく気分よく生きていきたいとは思っています.そして,人生で成功しなくてもいいけど,楽しく気分よくは生きていきたいとは思ってる人は結構いるのではないかと思います.

 でも,「人生は退屈」がデフォルトですから,何もせずにぼーっとしていたら,それこそ退屈でつまんない人生になってしまいます.退屈でつまんない人生では,楽しく気分よくはないでしょう.

 つまり,人生で成功するなんてことは,どーーーでもよくて,そんなことより,楽しく気分よく生きていくということなのです.でも,楽しく気分よく生きていこうとして,やりたいことや,やるべきことを頑張ってやると,結果的に成功した人生になる(なってしまう)んだと思います.でも,そんなこともどーーーでもよくて,要は,自分自身が内的に充実していれば,それでいいんだと思います.

 人生所詮退屈しのぎ.でも,どうせ生きていくのなら楽しく気分よく生きて行きましょう.

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9/4'11
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(サッカー)

 女子サッカー五輪予選の韓国戦ちらっと見ましたが,厳しかったですねー.ワールドカップが終わった後,選手の誰かがアジアを勝ち抜けるのは,ワールドカップで勝つより難しいと言ってましたが,確かにアジアのレベルの高さは男子以上です.中国,北朝鮮は,強いし,韓国も強くなってるし,オーストラリアも入って来たし,その上,あの過酷日程です.どうなりますかね? 五輪に行けないことはないとは思いますが,無敗で抜けられるでしょうか.

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04b
[吹奏楽]
(音楽, スポーツ)

 最近,学校の吹奏楽部が取り上げられているようなことがよくあります.要は,めざせ普門館(中学・高校の部の全国大会が普門館で毎年開催されていることから「吹奏楽の甲子園」と呼ばれているらしい)みたいな感じで,栄冠を掴むために苦しい大変な練習に耐えて頑張ってる生徒達にスポットライトを当てるということでしょうか.

 まあ別にいいんですが,吹奏楽(音楽)ってそういうものでしょうか? というか,現状では,そういうものであることは否定できません.要は,スポーツと同じように厳しい指導者がいて,厳しい練習をさせられて,徹底的に鍛え上げられて,びしっと音を揃えた方が試合に勝つみたいな.

 実際,私も中高吹奏楽部でしたが,コンクールに出て優勝して全国に行っていたのは,そういう学校でした.まあいいんですが,そういうのって楽しいんですかね? 我々はどうだったかと言えば,確かにへたくそでしたが,みんな音楽が好きで,楽しくやってましたよ.

 でももちろん,楽しくやればいいってもんでもないし,上手くなるってもんでもない.それが難しいんだと思います.今は,どうやったら楽しめるか,そして,楽しむことを上手くなることにどうやって結びつけるかがわかります.ですから,今の感覚で当時に戻れば,格段に上手くなるし,それを楽しめると思います(怠け者というところは変えられないが).

 でも,中高生くらいだと,やっぱりそれは難しいでしょうね.もちろん,それがその頃からできる人もいるんですが,クラブという団体だとまず無理でしょうね.ですから,指導者が否応なしにやらせて,やらされた方が結局上手くなって試合に勝つということになってしまうのでしょう.

 要は,指導者が生徒にただやらせるのではなく,音楽の素晴らしさとか演奏して表現する喜びをどれだけ伝えられるか,そして,そのためにどうすればいいのか,そもそも,上からやることを指示するのではなくて,自分で考えて創意工夫をすること,そういうことの面白さや楽しさを教えるってことでしょうね.そして,これは,スポーツも同じです.でも,それができる指導者は,やっぱり極々一握りってことでしょうかね.

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04c
[体の使い方]
(スポーツ)

 ライオンズがホークスに勝ち越したようです.最近,西口いいですねー.前の試合のピッチングフォームをちょっと見たんですが,えー?こんなだったけ?というくらいフォームというか躍動感が全然違います.もちろん,彼の全盛期はずっと前で,そのときから細い体をしならせて投げるような投げ方だったんですが,そのときより大きく体を使えてるように見えました.何度か書いてますが,いわゆるリミッターがはずれたような感じです(追記: 今日のフォームを見たらそうでもなかったです.前回が特別だった?).

 それで,分野は変わるんですが,今日の男子ゴルフツアーでドライビングディスタンス一位の諸藤将次が優勝したんですが,そのフォームを見て,ぶったまげました.飛ばし屋というと,普通は筋肉隆々というイメージですが,彼は全然違って細くて,でも何でこんなに体が使えてるのかと思うくらい体が使えてるんですよ.

 こういうのを見てるとやっぱり「体の使い方」という感じがします.結局は脱力なんですが,よく言われる体をしならせるというのとは違います.私が今一番気をつけているのは,これなんですが,一瞬できてもすぐできなくなるし,とても難しいです.彼らがすごいのは,もちろんフィジカルの違いはありますが,そういうことを記憶として定着させて継続的にできるってことなんだと思います.

 でも多分,無意識に意識ではなく無意識ですね.まさに天才ですが,それだとできなくなったときにどうしたらいいかわからなくなります.前田健太も去年よりほんの少し,でも明らかにできなくなってましたが,最近,大分戻ってきた感じはします.

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04d
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 人生で「成功」するとかいうことには興味がないと何度か書いてきました.ここで「成功」というのは,平たく言えば,有名になったり社会的地位を得たり名声を得たりというようなことです.でも,研究者として,いい研究はどんどんやって行きたいと思っています.でも,そうすると,業績があがって,必然的にそういうことになって来るんじゃないかと思う人も多いと思います.それは,結果論であって,目的ではないということなのか,と言う人もいると思います.でも,そういうのともちょっと(大分)違います.

 例えば,スポーツなら,強くなりたいと純粋に思うでしょう.そして,強くなれば結果は,試合に勝つという明確な形になって現れます.そして,有名になったり社会的地位を得たり名声を得たりということになるかもしれません.でも仕事だとどうですか?

 例えば,普通の会社のサラリーマンだと「成功」とは,出世するってことですよね.でも,いい仕事をしたら出世するってことになってますか? 必ずしもそうはなってませんよね.そうするとどうなるかって言うと,出世したい人は,いい仕事をする,ではなく,出世するにはどうするかということが行動規範になってしまいます.

 出世というのは,上が下を引っ張り上げることですから,要は,上に気に入られるように行動するということでしょう.そんなのちょーつまんなくないですか?

 大学は,さすがに普通の会社とは違いますが,そういう面が全くないとは言えません.大学内部の昇進もそうですが,例えば,大学間で誰かを呼ぶというのも,純粋にその人の業績が評価されてということはもちろんあるでしょうが,それだけではなく,呼ぶのは呼ぶ方にメリットがある(例えば,こいつは言うことをききそうとか,めんどくさい仕事をしてくれそうとか,予算がとれそうとか)から,ということは,どこかで書きました.

 要は,単純にいい仕事をしたい,ということです.でも,現状の世の中では,それが「成功」に結びつくとは限らず,いい仕事をするのと「成功」するのとどっちをとるかと言われれば,圧倒的にいい仕事をする方をとるということです.

 もちろん,ちゃんと評価されれば嬉しいですが,対象が研究なので,いい仕事を「しすぎて」,周りがついて来れなくて逆に評価されないようなことも起こるかもしれません(実際,過去にそういうことはしばしばありました).でも,すぐに結果が出るようなこととか時代の潮流に乗ったようなことをやるのではなく,自分にしかできないことを極めていきたいと思っています.

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04e
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 台風12号の被害がひどいですね.これだけの被害になった原因として,想定を越える大量の雨が一度に降ったからと解説しています.なんでも年降水量の2/3が数日で降ってしまったそうです.でも,この説明(言い訳?)ってどこかできいた気がしませんか?

 1000年に1回の大地震や大津波が起こるのなら,地球温暖化とかそんなことではなく1000年に1回の豪雨があってもおかしくないでしょう(*年に1回という言い方に対する注意事項).住民の人達は,こんなの初めてと言ってますが,人間の一生なんてせいぜい80年くらいですから,1000年どころか100年に1回の大雨が降っても初めてに決まっています.

 1000年に1回の災害に備えるのかという声もあると思いますが,結局は,経済的な問題になってきます.終戦直後の日本は,まだ貧しくて,危ない場所でないと住めない人も多かったでしょう.でも,これから人口も減って行くのですし,もうそろそろそういうことをある程度制限してもいいのではないかと思います(今住んでる人を追い出すのは難しいでしょうから,例えば,相続は認めないとか).大雨が降ると崖崩れが起こるようなところに人が住んでいて,それを守るためにどんな大雨にでも耐えるように崩れないように莫大な予算をかけて崖を補強するのは,明らかに非効率です.

 これも土建業で飯を食ってる人が多いから,その人達にむりくり仕事を作るということでしょうか? でもそれって,ここで書いたことと全く同じで,一時的に経済は回っても増えるのは借金だけです.

 とにかく日本は,経済力の割に,住んではいけない危ない場所に多くの人が住みすぎだと思います.崖地や川沿いや液状化が起こる地盤が悪い場所もそうですし,もっと言えば,海の近くは,地震が起こっていつ津波が襲ってくるかわかりません.更にもっと言えば,都心の超高層マンションなんかも「危ない場所」だと思いますよ.

 要は,大局的には,結局,経済が防災,即ち,人の命より優先されているということです.そんなことでいいのでしょうか?(いいわきゃありませんよね)

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9/5'11
[むりくり]
(世の中)

 上の続きです.要は,これもこのサイトで散々書いてる「自然の流れに従う」ということだと思います.人口が爆発して住むところがなくなれば,危ない場所や無理矢理上に積み重ねた超高層建物に住むこともやむを得なかったかもしれませんが,幸い?日本ではもうそういう状況ではありません.少子化というと人口が減って将来一体どうなるんだ?という不安の声が多いですが,人口的にもうそろそろ限界ですよ,と人類のDNAが警告を発しているのかもしれません.だとしたら,それに従うことでしょう.

 自然に考えれば,大雨は降るし,大雨が降れば,川は多少氾濫くらいするでしょうし,崖崩れも起こるでしょう.それを自然に逆らって,むりくり巨大な堤防を築いたり,崖をコンクリートで固めて,川の際や崖下崖上にむりくり住んでるということです.

 海の近くだって,漁業を生業とするのなら,そもそも海に漁に出ている時点で津波なんかより遙かに大きな命を落とすリスクを背負ってるわけですし,サーフィンしたいから海の近くに住むというのもそうでしょう(ちゃんとリスクを認知して住むべきでしょう).超高層マンションなんか,もうそんなに無理して上に積み上げる必要なんかないし,長周期地震動来るのがわかってて一体何やってんでしょうか? 地震でエレベータ止まって陸の孤島になってもまだ気づかないんですかね?

 経済も同じでしょう.景気が悪くなると必ず何か対策を,ということになりますが,人が昼間働いて夜寝るように,経済も波があって当然です.だから,景気がいいときにちゃんと働いて蓄えて,不景気のときに備える必要があるんじゃないですか? 右肩上がりを前提として無理な借金までして過剰な設備投資なんかするから,景気が悪くなるとこんなはずじゃなかったということになるんでしょう.それを国や政府に何か対策せえって言うのも随分勝手な話です.

 むりくり経済を回したりとか,自然を征服するようなことはやめて,自然の流れに従って,やって行きましょうよ.

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05b
[円高対策]
(政治, 世の中)

 新内閣ですが,早速?円高対策をすると言ってるみたいですね.やめた方がいいんじゃないですかねー.円高ならそれに逆らわず逆に利用するようなことを考えた方がいいと思います.そうすれば,円高自体,自然と解消するものです.

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9/9'11
[全ては自分に原因]
(生き方)

 相変わらずあまり調子がよくないのですが,そもそも調子って何でしょうか? もちろん,昼間は起きて夜は寝るように人間の活動度には,一定のリズムがあり,更には加齢もありますから,そういうことに逆らわないように自然の流れにある程度従うことは大事です.でもずっと調子が悪い調子が悪いって言っていたらそれはもうリズムや自然の流れではないですよね.

 そして,その原因は,全ては自分にあるのだと思います.つまり,(一定のリズムではなくずっと)調子が悪いのには理由があるということです.言い方を変えれば,その原因を究明して対策を講ずることによって,事態は改善するということです.つまり,何か行動を起こすということです.そして,それが何かもわかっています.

 でもこういうことは,既にどこかで書いたと思うし,今更わかりきったことです.でも,いつの間にか忘れるというか,意識できなくなってるというか疎かになってる気がします.これも「無意識に意識」でしょうね.つまりは,ルーティン化,生活に当てはめれば,規則正しい生活ということでしょうか.

 どういう風に生きていきたいかという原点に立ち戻れば,気分よく楽しく,です.そのためには,まず体調です.体調を整えるには,無理をし過ぎないこともありますが,適度に体を動かすことは,とても重要です.それは,人間もともとある程度の肉体労働(日本人なら農耕)をするようにできてるからです.

 先日,研究室のある学生から,最近,夜寝れない,体調がよくないと相談がありました.何が原因かはすぐわかりましたので,どうしたらいいか伝えました.そして,これって私自身も同じことだということに気づいたのでした.と同時に,同じような環境になれば学生でもそうなるということで,加齢だけが原因でないことを彼が証明してくれたことにもなるわけです.

 私は,週2回バドミントンをしています.でも,これは,競技としてのバドミントンが強くなるためであって健康のためではありません.むしろ,健康を害してるくらいです.そして,健康のため,体調を整えるために適度に体を動かすということができていないということに気づいたのでした.スポーツをしている人は,それで体を動かしていると思ってしまって,毎日適度に体を動かすということができていないことが多いので注意が必要です.体調が悪くなれば,競技力にも大きな影響が出ます.

 特に私の場合は,週2回,2時間で何リットルも汗をかくほどの激しい運動する一方で,普段は,ほとんど椅子に座りっぱなしです.これでは体にいいわけありませんし,体調も悪くなって当然です.

 でも,これも既にどこかで書いたと思います.つまり,やっぱり忘れてるんですね.「無意識に意識」ってやっぱり難しいです.でも,それに成功すれば,体調もよくなり,とても「気分のいい楽しい人生」になるんだと思います.

 あとは,ちゃんと「計算」ができているか,ということでしょうね.例えば,忙しくて運動する暇がないというのはわかるのですが,極端な話,1日3時間,適度な運動をすると言ったら,とても3時間なんてムリーってことになるでしょうが,それで,残りの(7時間寝るとして)24-7-3=14時間の体調がよくなれば,どっちが効率がいいかは明らかでしょう.そう考えれば,3時間は,さすがに厳しくても,全体の効率を考えれば,1時間くらい充分に「投資」できるでしょう(でも,トータルで3時間くらいは,やはり何らかの形で体を動かした方がいいような気はする.ただ,職種が何かにはよりますね).

 それには,どういう形でそれを実現するかでしょうね.つまり,生活の中に自然に継続的にどうやって組み込むかです.これも創意工夫ですし,研究対象でしょう.

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09b
[ある試み]
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 ということで,ある試みを早速今日から始めました(でも,こんな感じでいろんなことやるから因果関係がわかんなくなるんですけどねー).単純に言えば,とにかく1時間以上は椅子に座りっぱなしにならずに適度に体を動かすということなんですが,もういきなり何か違う感じがします.

 これに関連するんですが,上で書いたように学生から相談があったときに,彼にも話したんですが,食事をするとかトイレに行くって,じっとしていられないようにちゃんと「そうなってる」んじゃないか,ということです.そして,実際,活動度が上がるとトイレが近くなります.中学生の塾での数学の試験の話は書きました.こういうのってやっぱり関係ある気がします.

 つまり,動く⇔血流が増す⇔活動度が上がる⇔トイレが近くなる という関係です.問題は因果関係ですが,これが一番難しいです.つまり,活動度が上がって動くから血流がよくなってトイレが近くなるのか,動くから血流がよくなって活動度が上がるのか.

 でも,鶏と卵じゃないですが,そういうことって結構ありますよね.幸せだから笑うんじゃなくて,笑うから幸せになるみたいな.つまり,論文書くんだったら,因果関係の解明は不可欠ですが,体調に関して言えば,うまく行きさえすりゃ因果関係なんて別にどーでもいいってことでしょうか.でも,ある程度の因果関係や根拠があればうまく行く可能性は高いと思うので,やみくもにではなく,そこのところも重要視して研究していこうと思います.

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9/11'11
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(サッカー)

 女子サッカーですが,五輪出場を既に決めて中国戦は,サブで行くということで,どうなるかと思ったのですが,1-0で勝って無敗で抜けたようでよかったじゃないですか(試合は東京で集まりだったので見てないが.何とか終電の鈍行ではなく,その1つ前の区間快速に乗れた).これで,「世界チャンピオン」も守ったことになります.

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9/12'11
[今年は涼しかった?]
(世の中)

 まだまだ暑いですね.筑波大は,3学期制なので(でも,もうすぐ2学期制に移行するためカリキュラムとかもうばたばた),例年だと2学期は,9/1開始なのですが,今年は,電力事情を考慮して今日(9/12)開始となりましたが,正解でしたね.でも,まだまだ暑いので,冷房期間が延長されました.

 今年の夏の私の印象は,去年並みの猛暑だった,です(猛暑ならどか雪の法則なら今シーズンも期待できるか).確かに局所的に涼しいときもありましたが,それ以外は,去年と変わらなかったという印象です.でも,今年は涼しかったという声もちらほらきこえてきます.ほんとですか?

 今年の夏は,電力不足が心配されて,でも(もちろん,懸命な努力があったこともありますが),大山鳴動して鼠一匹じゃないですが,全然大丈夫で,猛暑だったということだと困る人達がいて,大丈夫だったのは,夏が涼しかったせい,ってことにしようとしてる,ってことはないですよね?

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9/13'11
[今年は涼しかった?2]
(世の中)

 何日かぶりに首都大の北山先生のホームページを見たら,上の記事に対するコメント?が載っていました(反応早っ(^^;!.でもこの記事も即レス?だが(^^;).今年は去年より涼しかったという声は,北山先生だけではなく,他でもちらほらきこえてきます.でも,私の中の印象は,何日かめっちゃ涼しかったときはありましたが,それを除けば,やっぱり,去年とそんなに変わらないんですよねー.群馬の館林(は,熊谷が東横綱,多治見が西横綱だとすると,もう東大関ですね)などで最高気温が40度近くになったことも何度かあったと思います.

 で,印象であれこれ言っていてもしょうがないので,ちょっと調べてみました.公式なものとしては,気象庁に季節平均気温というのがありました.

 

 これを見ると,平均気温からの乖離は,去年が+1.5度,今年が+0.9度なので,確かに去年の方が高いですが,今年も相当暑かったことになります.今年を上回るのは,去年を除けば,1890年以降で1988年と1994年の2回だけで,今年は,この120年で第4位ということです.これは,「平均」ですから,局所的にめっちゃ涼しかったときを除けば,やっぱり猛暑だと思いませんか?

 ていうか,北山先生が言うように多摩地区は涼しかったということなんでしょうね(いいなあ).つくばって,確かに東京より2,3度は,低いんですが(夏はいいが冬は寒い),人工的に造られた街なので,真夏の昼間は,下からの照り返しがすごいんですよ.

 でも,そんなことより,北山先生も書いておられましたが,やっぱり,電力問題との関係ですよね.「安全率」を見込んで,事前に大騒ぎしておくというのは,わからないでもないのですが,それ以外に妙な意図があるとすると大問題です.やはり,メディアを通してきこえてくることを盲信するのではなく,自分の頭でしっかり考えて分析することですね.

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9/18'11
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 気がついたら5日ぶりですね.このサイトの更新が滞るときは,2つのケースがあって,1つは調子が悪いとき,そして,もう1つは調子が悪くないときです.忙しい忙しくないは私の場合はあまり関係ないです.だいたい,前者のケースが多いですが,今回は,後者だと思います.つまり,最近,久しぶりに調子が悪くないんですよ.とか書いてると,だいたい,調子が悪くなるので,ほんとは書きたくないのですが,それは,調子のいい悪いは,周期的に変化していて,いいと書くときは,いいということをある程度認識してからですから,変化率的にはこれから悪くなっていくとき,ほんとに悪いときは,サイトの更新すらされませんから,悪いと書くときは,これからよくなって行くときだと思います.

 そういう周期的変化は,避けようがないので,それに従って行くしかないのですが,調子が悪いから仕事しないというわけには行きませんから,ある程度は,コントロールする必要があります.それで,ある試みを始めたのですが,今のところ順調に推移しています.やっぱり,まず体調ということですかね.

 昨年の春頃,内的にとても平穏で快適に過ごせていたのですが,なぜそうだったのかは,未だに謎です.ですから,そうでなくなったときには,どうしようもありませんでした. でも今は,調子が悪くないのは,ある試みをした結果だとしたら(実際には,この辺の因果関係はほんと難しいが),調子が悪くなったときは,無理しない程度にそれを実行すればいいわけです.

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9/20'11
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(日記)

 あんまり,書く気ではないのですが,このサイトは,日記的要素もあって,あのとき,どういう状況でどういうことをしていてどういう状態だったのかどういうことを考えていたのか,というのもわかるようにしておきたいので,つらつら書いておきますか.

 最近,調子が悪くないと書きましたが,活動すると疲れますから,ちょっと疲れてきた感じはします.去年の春先もちょっとそんな感じでした.もう歳なので無理せず「最大結果」が得られるように(無理すると体調を崩して結果的に最大結果が得られない)しようと思います.

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20b
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(1000年1回「しか」?)

 最近ちょっと思うのは,1000年1回って,1000年1回「しか」なのか,1000年1回「も」なのか,ということです.普通は,1000年1回「しか」だと思うのですが,直感的に考えれば,1000年1回来るんであれば,80年の人生の中で,来ても全然おかしくないですよね.そして,実際来たわけです.

 既に書きましたが,1000年に1回というのは,あの場所で1000年に1回ですから,日本全国で見れば,1000年に1回の地震は,数十年に1回くらい起こるわけで,しかも,今は活動期ですから,これから10年の間に立て続けに来るでしょう.

 もちろん,経済とのバランス次第ですが,今の日本,明らかにそのバランスがおかしいです.車検が来ると車を買い換えることなんかより,必要最低限の生活を守ることの方が大事だと思いませんか? 足下をしっかり見ることより夢の方が大事ですか?

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20c
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(スポーツ)

 先日の世界選手権で金メダルを獲った室伏広治さんですが,自分で様々なトレーニングを工夫してやってる話は,既に紹介しましたが,結局,トレーニング方法を「外注」したんですね.やっぱり,餅は餅屋ということでしょうか? 成績がずっと低迷していたので,結果が欲しかったのでしょうか? ちょっとがっかりですが,まあそんなもんなんでしょうね.

 ライオンズですが,可能性はあると書いたら,ほんとにひょっとしてきましたね.でも,5連勝して4位まで上がってきましたが,3位のオリックスも勝ってて,3位までのゲーム差は3.5なので,実は,差はそんなに縮まってないんですけどね.まあでも世の中の流れ?的には,楽天なのかなあ.

 一方で,去年日本一のロッテが最下位に沈んでいて,プロ野球って,ほんとわずかな差のところでしのぎを削ってる感じがします.いや,昔は,もっと差があったと思うので,そうなってきたということでしょうか.

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20d
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 再三書いてますが,やっぱり,人間,夢や目標がないと頑張れないのでしょうか? テレビを1回つけると,必ずそういう感じのコメントが出てくるくらい,いろんなところで,さかんにそういうことが言われてます.

 でも,人類が地球上で普通に生活するようになって,もう何万年も経っていますが,夢や目標をもって頑張ったのって,せいぜいここ200年くらい,日本で言えば,戦後の高度成長期くらいなんじゃないでしょうか.それまでは,毎日同じような日々を繰り返し,でも,その日その日をしっかり生きてきたはずです.そして,それで充分だと思いませんか?

 これも再三書いていますが,私には夢も目標もありません.でも,毎日楽しいし充実してますよ.もちろん,家族や友人を大切にして,これも大切な学生達といっしょに地震動の性質と構造物被害の本質について追究していきたいと思いますし,ピアノは上手くなりたいし,バドミントンも強くなりたいし,スキーも上手くなりたいし,***たいし,人生や生き方についてずっと考え続けて行きたいです.でも,これらどれ1つとっても,別に夢なんかないし,目標もありません.でも,(繰り返しになりますが)毎日楽しいし充実してますよ.

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20e
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 夢や目標と関係するのかもしれませんが,そういう「形あるもの」に向けて頑張るとやっぱり厳しいことになりそうな気がします.夢や目標を達成するということは,夢や目標を失うこと,ということは,既に何度も書きました.そしたら,次の目標を設定すればいいというわけには,なかなか行かないものです(私もそうでした).

 例えば,ある会社員が大企業に入社して,出世して社長になることを目標にしたとして,もちろん,目標を達成する人は,極々僅かですから,ほとんどの人は,目標を達成できず,つまり,目標に向かって頑張り続けて,ある意味,それでOK?なわけですが(実は,これが夢や目標の微妙なからくり),不幸にも?達成してしまったら,どうなるでしょうか.

 いろんな場面で,いろんな大会社の社長が出てきますが,なんか結構しょぼい人が多いですよね.でも,昔は違ったはずです.つまり,社長になった途端に目標を達成して,とにかく大過なく任期を終えるというしょーもないことになるわけです.最近の日本の首相だってまさにそんな感じですよね.

 でも,ほんとは,こういう仕事をしたい,日本をこうしたい,というのがあったはずです.でも,そのためには,社長や首相にならなくてはいけない.そして,それに向けて頑張って,なったときは,もう疲れて,本来の目的を忘れている.

 最近の若い人は,覇気がない,夢や希望をもってないとよく言われますが,これもどこかで書きましたが,彼らはそういうことに既に気づいてるんだと思います.そして,夢が希望がなくても,彼らは,充分楽しそうにやってますよ.

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20f
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 ずっと体調が悪くて,あることが気になっていて,それで,ちょうどいい具合?に市から無料検診の葉書が来たので,行ってきました.何の検診かというと,B型C型肝炎ウィルスです.2週間経って,今日結果が出ました.結果は,全くの陰性です.今までいろんな検査をしてきたんですが,どれも真っ白でした.

 でも,今まではどうすりゃいいの?という感じでしたが,ここんとこ少し活路が見えてきたので,それを続けてみます.もしそれで上手く行けば,「そういうこと」だったのかということになりますが,まあ,体調よくなりゃ何でもいいんで,それでOKです.

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20g
[スポーツは誰のもの?]
(スポーツ)

 室伏さんのようなことがあると,スポーツって誰のものだろう?と考えます.そりゃあ,スポーツをする人でしょ.そうでしょうか?

 これも再三書いてきましたが,世界のトッププレーヤーでさえ,「創意工夫して強くなる」というスポーツの最大の楽しみを享受しているとは言えません.むしろ,トッププレーヤーほど,例えば,技術やトレーニング方法をコーチやトレーナー任せにした「外注」となってることが多いです.勝つということを優先するとそういうことになってしまうという面も確かにあります.でも,それじゃあ,誰かに自分の体を「貸してる」,もっと言えば「乗っ取られてる」ようなものでしょう.

 ここまで考えてくると,プレーヤーというよりは,その指導者に「創意工夫して強くする」という大いなる面白さがあることに気づかされます.つまり,スポーツってプレーヤーだけのものではなく,指導者やトレーナーなど全部含めた人達のものであるわけです.そして,プレーヤーであるのは,ごく短い時間で,指導者になるとしたら,そっちの方が圧倒的に長いことになります.そして,何より,自分で考えて創意工夫してプレーした人でなければ,ちゃんとした指導者にはなれないでしょう.

 うーん,でも,やっぱり,プレーと創意工夫の両方ができたらやっぱり最高ですよね.指導するのは,お医者さんと同様,「他人が外から」ですから,本人にしかわからない感覚までは,制御しずらいと思います.でも,どんなに歳をとってもプレーし続ける限りは,両方できるわけです.

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20h
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 ずっと以前から,原発に対して津波対策をすべきと指摘していた津波の首藤先生が原子力学会の大会で講演を行った,というニュースが流れていました.私が気になったのは,今,首藤先生は,どういう気持ちなんだろうか?とうことです.この辺で書いたことが関係すると思うのですが,ほら私が言った通りになっただろ,でしょうか? それとも,ずっと指摘し続けたにもかかわらず,それが受け入れられず,今回の大惨事になってしまった無念さでしょうか?

 やっぱり,後者のはずですよね.でも,研究者としてできることは,正しいと思うことをちゃんと指摘することしかありません.もちろん,できる限り,それを多くの人に伝えることはしますが,そこから先は,役回りが違うと思います.

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20i
[ツーショット写真]
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 書き出すといっぱい書けちゃうもんですね(^^;.有名人と知り合いでツーショット写真を自慢げに見せる人っていますよね.でも,ツーショット写真って,街で芸能人に出くわして,写真いいですかーってやれば,誰でも撮れちゃいますよね.つまり,ツーショット写真なんか,知り合いである証拠にならないわけです.じゃあ,どうすれば証拠になる? 連れてくるしかない?

 ていうか,自分じゃなくて,知り合いであることを自慢すること自体がしょっぼい話なんですけどね.まあ,ミーハーしてるくらいならかわいいもんですけど.

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9/21'11
[±0]
(世の中)

 台風接近ということで,午後の講義が全て休講になりました.学生さんに何かあったら大変ということでしょうか.

 最近の若い人達って,数が少ない分やっぱり「大事にされてる」と思います.私の頃なんか,勝手にすれば?みたいな感じでした(^^;.団塊の世代や団塊ジュニアは,もっとほったらかされたでしょうね.

 これ以外に,数が少ない分,同世代に競争相手が少ないというメリットもあります.その一方で,世代間の年金などの負担は,とても重い.大事にされることだって,ほったらかされると何もできなくなる奴もいるみたいに,長い目で見ればいいことばっかでもないでしょう.つまり,世代によっていろいろ事情は違っても,トータルでは±0になってるってことでしょうか.

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21b
[無限なものなどない]
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 私が小学校の時,天文にのめり込んだ時期があったことは既にどこかで書きました.その時は,天文学者になりたいと思ったのですが,父に「天文で飯が食えるか」と一喝されてあきらめた?(ていうか単に飽きた?)のは憶えています.でものめり込んだと言っても,小学生ですから,天体望遠鏡を買ってもらって天体観測をしたり,いろんな星について調べたりという程度のことです.

 いろんな星を調べる中で,興味をもったというか憧れたのは,いわゆる超巨星です.直径が太陽の何百倍という星が宇宙に存在することに驚き,興奮しました.そういう中で今でもよく憶えているのは,蠍座のアンタレスとオリオン座のベテルギウスで,当時のデータでどちらも太陽の数百倍という大きさでした(おぼろげな記憶によるとアンタレスが太陽の550倍,ベテルギウスは300倍くらいだったと思いますが,今調べるとベテルギウスは,もっと大きいようなので記憶違いですかね?それとも40年前のデータはそうだった?).

 その後,もっと大きい星が見つかった(というかそう予想された)というニュースを何度かきいた気がしますが,私の中では,アンタレスとベテルギウスは,ずっと憧れの星でした.特にベテルギウスは,空を見上げればオリオン座はすぐに見つかりますから,あーベテルギウスだなーと思っていつも見ていました.

 そして最近,ベテルギウスがもうすぐ超新星爆発をするかもしれないという話をききました.超新星爆発というのは,天文をちょっとでもかじったことがある人なら知ってるでしょうが,全然「新星」ではなく,星の終わりです.もうすぐというと,宇宙スケールだと何百年後?って感じですが,それがなんと来年(2012年)かもという説もあるそうで,驚きました(でも来年見られるということは,もう既に何百年も前に超新星爆発してるってことですけどね).もし,そういうことになれば,世紀(どころではなく人類が見れるか見れないかくらい)の天体ショーになるでしょう.なんでも何ヶ月にも渡って月以上の明るさで光り輝くそうです(何百光年も離れているのに).そして,その後,視界から消えてなくなるわけです.つまり,オリオン座が完全に「欠ける」わけです.

 でも,私が思ったのは,そういうことではなく,もし来年,そういうことになれば,小さい頃に知ったベテルギウスという憧れの超巨星が,私が過ごしてきたたった数十年の間にその一生を終える,普通は,何万年,何億年というタイムスパン起こる宇宙での出来事が(たまたまですが)たった数十年の間に起こるということで,それに何とも言えない不思議な感覚をもちました.

 宇宙が誕生して137億年と言われていますが,そもそも,何百億年というと天文学的数字なんでしょうか? というか,天文学の数字なので(^^;,それは当たり前で,要は,無限に長い時間と言えるでしょうか?

 宇宙の終焉については,既に書きましたが,宇宙の寿命は,まあざっくり数百億年といったところでしょうか.こうやって,数字で書けるってこと自体,完全に有限ってことですが,例えば,1秒を1年に換算すると1年は,60x60x24x365=31536000秒なので,90〜100年という少し長めの人生は,30億秒となります.つまり,1秒経つとひとーつと数えるように1年経つとひとーつと数えると,人の(少し長めの)一生は30億年に相当し,それは,宇宙の始まりから終わりの数十分の1というオーダーなんですよ.そう考えると,数百億年って,決して無限に長いものではなくて,意外と短いものだと思いませんか?

 つまり,人生はおろか,宇宙でさえ,完全に有限なもので,無限なものなどこの世にないということです.これってどうですか? 虚しくなりますか? 私は,確かに「儚い」とは思いますが,虚しいとは思わないです.むしろ,ちょっと「いい感じ」かな.なんか,ぱっと咲いてぱっと散るみたいな気持ちよさみたいなものも感じます(というようなこともどこかで既に書いたと思います).

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21c
[同じことを敢えて書く]
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 このサイトの記事を書いているとき,あー昔,こういうこと書いたなと思って検索してリンクを貼るときに,その周辺の昔の記事を読むことがあります.自分で言うのもなんですが(^^;,面白いですねー(^^;.機会があったら,というか,その気になったら一度全部読み返したいくらいです(でももう新書で10冊分は越えたか...).

 そして,そうやって昔の記事を読んでみると,書こうと思ったことで既に書いていることが結構あることに気づきます.憶えているものもありますが,書いたことを忘れてるものもあるでしょう(憶えているのは「あります」という断定形だが,忘れてるのは,「でしょう」という推定形である理由はわかりますよね?).

 でも,多少同じことの繰り返しになっても,敢えて書くようにはしています.それは,1つは,このサイトを読んでくださる方の多くが見るのは,最近のもので,昔書いたものを読んでくれる人なんかそんなにいないだろうということ,そして,もう1つは,たとえ一度書いたとしても,今この時は,どういうことを考えているか,ということを記録しておく,ということが理由です.

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21d
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 台風で東京近郊は,電車が止まって大変だったみたいですね(って,つくばも東京近郊と言えば東京近郊ですが...TXも止まったみたいだし).私は,念のため車で出かけたので,別に普通に帰ってきました(車が一番安全なのは,平らで田舎のつくばだからで,都心だと却って危ないですよ).テレビで渋谷のバス停に並ぶ長蛇の列を中継していますが,まさにほんの半年前に見た光景です.しかも今回は,不意打ちではなく,台風が来るとわかってるのにです.そんなもんですかねー.ほんと首都直下地震なんか来たら大変なことになりますよ.怖いことに目をつぶる,まあ大丈夫だろうと思ってしまうのは,人間の本能ですが,本能に従って行動すれば,かならずひどい目に会います.まあ大丈夫と思っても十中八九は,大丈夫ですが,十回中一回にやられてしまいます.

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21e
[褒められて伸びるタイプ?]
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 「褒められて伸びるタイプとけなされて伸びるタイプがある」とか言いますよね.でも,それってどういうことでしょうか? そりゃあ,けなされるより褒められた方が気分がいいでしょうから,気分がよくなってやる気になって頑張るということでしょうか? やることが,例えば,穴を掘るとか,ただ走るとか,ねじを回すとか単純なことならそれでもいいかもしれません.

 でも,やることが,もっと高度な判断を要する仕事とか研究とかだったらどうでしょうか? 指導者から見て,明らかにとんちんかんなことをやっていて,「いいよいいよー,それでいいよ」って褒められて伸びるわきゃありませんよね.

 スポーツだって,生まれつき圧倒的に運動能力があって,ほっといても周りより全然強いし上手い,なんてのは,草野球レベルの話でしょう.草野球からシニア,高校野球,プロとレベルが上がっていけば,ただ才能があるだけで,生き残っていけるわけがありません.それでも,のしていけるとしたらまさに天才でしょう.

 つまり,褒められて伸びるタイプとか自分で言ってるのは,天才かバカのどっちかで,天才だとしても,だいたいが大したレベルでやってないだけの話で,そうでないとしたら,100万人に1人のちょー天才ということになります.

 つまり,99.9999%の確率で,欠点を指摘されて修正できる「けなされて伸びるタイプ」の方が伸びるし,そうなった方が圧倒的に得ということになります.

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9/22'11
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 会議会議の連続で,ある試みができず,早くも体調に陰りが...だから,体調が悪くないなんて書かない方が...そして,体調が悪くなってくると,ある試み自体も面倒になってやらなくなり,ますます体調が...という悪循環にならないように,要は,ここが正念場?でしょうか.

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9/26'11
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 今日は,(1週間伸びた)地震工学会の論文〆切でした.研究室で全部で5編出しました(毎年だいたいこのくらいの数).自分で言うのも何ですが,どれも面白いものが出せたと思います.春の建築学会は全員出してるし,そこから新ネタで更に5編出せたのは,まあまあいいんじゃないですかね(ほんとは全員出して欲しかった).論文出す(出させる)のは,大変ですが,やっぱ面白いし楽しいです.今回は,査読なしなので,最新の成果をこんなん出ましたけどーと出せるので余計そうですね.まあ,言い方を変えると,〆切間際まで計算してるっつーことですけど(^^;.

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9/27'11
[小宇宙(ミクロコスモス)]
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 今話題になってるニュートリノは,光より速い?ですが(ほんとワイドショーでも取り上げられてるくらいですからね),ほんとだとしたら,アインシュタインの相対性理論をひっくり返すわけで大変なことですが,730kmを0.0024秒差ですから,それが正しいかどうかは,物理というよりは,測定方法の問題でしょう.そして,昔のことを思い出しました.

 高校時代,正確には,東大に入って当時の田無の宇宙線研究所の素粒子のゼミに出るまで物理学者志望だったことは,既に書きました.高校で勉強した力学の,物体の運動を全て数式で記述できるということに感動して,物理学者になりたいと思いました.でも,当然のことながら,現代の物理はもっと進んでいて,いわゆる素粒子物理という世界でした.それは,今回の「ニュートリノは,光より速い?」のような壮大な実験,あるいは,スーパーカミオカンデのように巨大な観測をやるというもので,物理ではない違ったものに見えました.

 でも,今ならわかるのですが,研究ってそういうものですよね.どういうことかと言うと,例えば,今の私は,地震動の性質と構造物被害の関係を力学的に解明したいわけです.これは,純粋な知的好奇心であり,真理の探究です.でも,そのためには,大地震が発生したら,足を棒のようにして被害調査をしないといけない.そして,それは,研究そのものとは関係ありません.実験や観測についても同じです.

 そして,この調査や実験や観測の研究活動に占める割合は,とても大きいです.更に,集めたデータを整理して本丸の解析のところまで行くのまで含めると尚更です.つまり,純粋に真理を探究してる時間は,全体の中のごく一部に過ぎないわけです.

 というと,研究するために膨大な無駄な?時間を費やしてると思われがちですが,そうではなく,調査や実験や観測そのものも実は研究対象です.地震動の性質と構造物被害の関係を力学的に解明するには,どういう被害調査をすればいいのか,どういうデータをとればいいのか,あるいは,調査自体をどう効率的に行うか.実験や観測も同じです.今回の「ニュートリノは,光より速い?」の実験も,ものすごい小さな差をどうやって検出するかにものすごい労力が払われたと思いますし,そういうところを楽しまなければ,こんな大変なことやってられないでしょう.つまり,そういうところに創意工夫をして,楽しさや面白さを見出すことができる人が成功するのでしょう.これは,研究者に限らず,どんな仕事でも同じです.

 とは言え,やはり,一番面白いのは,地震動の性質と構造物被害の関係そのもの,あるいは,宇宙全体の森羅万象を記述する法則を見出すことでしょう.ここ数日,論文を出すということで,いろいろ考えたり,計算したり,学生に計算してもらったりして,あーでもないこーでもない,じゃあ,こうやってみたらとやってたのですが,やっぱり,そういうことが楽しくて面白いです.

 じゃあ,素粒子物理の道に進んで,そういうことをやればよかったじゃんとなるのですが,実験や観測にあまりに膨大な労力を要するので,実験する人と理論やる人が分かれちゃってるのが現状です.つまり,実験する人は,素粒子物理というよりは,730kmで0.0024秒差を検出するにはどうするかを一生懸命考えてる,一方,理論やる人は,他の人がやった実験結果を使うので,こういうデータが欲しいと思っても自分で実験できなければ他人任せになります.そして,一人一人の研究者がやることは,とても細分化,分業化されています.つまり,対象があまりに巨大すぎるんですね.

 私がやってることは,かろうじて,調査,実験から解析までを1つの研究室の中で閉じることができています(ただし,地震動データの観測については,防災科学技術研究所や気象庁のものを使わせてもらってます).ですから,対象は狭いですが,素粒子物理にはない「小宇宙(ミクロコスモス)」を存分に探究できてると思い,今やってることでよかったなー,大学に入った直後に転身を決意してよかったなーと思うわけです.これは,あの時あのまま理論物理の道に進んでも,自分の数理脳では,大したことにはならなかっただろう,ということも含まれてます(と,一応書いておく).

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27b
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 ようやく涼しくなりましたね(ていうか,朝晩は寒いくらい?).暑さ寒さも彼岸までと言いますが,まさにその通りなわけです.つまり,猛暑とか異常気象とか言ったって,大筋では,そんなものすごいことでもなんでもないわけです.

 ただ,これと正反対なことを言えば,今の状態って,ほんと奇跡的なものだとつくづく思います.ここ数千年の地球の気候が奇跡的に安定していることはどこかで書きましたが(話は少し変わりますが,ここ100年で気温が上昇傾向と言ったって,長いスパンで見れば僅かな変動にすぎず,ましてやそれが人間が排出するC02のせいとするのは,あまりに暴論であることも既に何度も書きました),太陽との絶妙な距離とか地軸の傾きとか月の存在とかどれをとっても奇跡的,言葉を変えれば,とても危ういものです.つまり,広大な宇宙のごく片隅で,数百億年という時間の中の奇跡的な一瞬の出来事の中にいるということでしょう.そもそも,それが奇跡と認知できる知能をもった我々自身が奇跡的にそういう条件下で存在しているということがそれを「証明」しています.

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27c
[だめなとき]
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 また,余計なことをカミングアウトしてしまうような気もしないでもないですが,「だめなとき」って誰でもあると思うんですよね.いや,ない人もいるのかな? 少なくとも私はありました.というか,いっぱいありました.いつまで遡ればいいですかね?

 例えば,小学校受験をして落ちたということを書きましたが,もちろん,大牟田から久留米まで電車に乗って毎日通うのが嫌で嫌で,わざとてきとーに解答したということはあるんですが,まあ,そういうことも含めて「だめ」ですよね.

 小学校時代も総じて「だめ」だったと思います.勉強はそこそこできたとは思いますが,相当自分勝手で生意気な子供でした.中学に入るとちょっと変わり始めます.最初の頃は,今一でしたが,中2くらいのときは,相当頑張って勉強したと思います.でも,1年くらいでしたかね(^^;.受験が近づくと「だめ」になっていって,何とか,地元の公立高校に入りました.

 高校時代も今一ですねー.高2のときは,楽しかったのですが,年が明けて父が亡くなって,一気にやる気を失い,大学受験も失敗し,というか,それ以前にろくに勉強しなくなり,浪人して大学に入ります.

 大学に入ってからも,これも既に書いたように,物理学者になるという目標を失って,さまよいます.何とか建築構造という分野を見つけて,進振りを乗り切って,建築学科に進学した後は,悪くなかったと思います.そして,研究室に入り,研究の面白さに目覚めてしばらくは,薔薇色?の研究生活を送ります.

 ただ,大学4年から博士を修了するまでの6年間は,ほんと頑張ったとずっと書いてきましたが,まあ,その通りではあるんですが,もちろん,それ以外にもいろんなことはやってましたし,研究もずっと順風満帆だったわけではありません.

 そして,就職して1,2年は,幸せだったのですが,だんだんおかしくなっていったことも既に書きました.1990年代は私にとっても失われた10年ということも書きました.でも,思い返してみるとそうでもないことにも気づいたりして,その辺のことについて(自分のために),ちょっと整理しておこうと思います.

 東大地震研に就職したのが1991年の4月で,当時,結婚しようと思ったいた人との話がだめになったのが,1992年の秋だと思います.南先生の仕事をサポートした地震荷重の緑の本が出たのもこの年ですね.

 ただ,1993年1月の釧路沖地震の被害調査には,頑張って行きましたし,久々の大地震ということで,注目度も高く,その後も調査結果の分析や整理などかなり頑張ってやったと思います.釧路地方気象台で大加速度地震動がとれたということで,1994年のJEESに論文も書きました.この年は,北海道南西沖地震にもグアム島の地震にも調査に出かけました.

 年が明けて,1994年1月のノースリッジ地震の被害調査にも行ったんですが,そのときのことでよく憶えているのは,JCIの〆切が1月で,いっしょに行った東北大の前田先生などは,論文提出をあきらめたりする中で,私は,(当時は)巨大なノートPC(98ノート)を飛行機に持ち込んで原稿を書いて提出したんですよ.ですから,この頃は,まだ頑張ってた(頑張ることもあった)んだと思います.実際,JCIの論文は,大学院1年のときからこのときまで「皆勤」でした.

 その年の秋に妻と知り合い,翌年1月に兵庫県南部地震が発生して,3月からバークレーに行きました.今の記憶によると,1994年は,もう「だめ」でしたし,バークレー滞在期間も「だめ」でした.そして,バークレーから戻ってきてからも,ずっと「だめ」だったと思います.でもこの頃は,千葉大の中村先生,名工大の梅村先生,広島大の神野先生,豊橋技科大の真田先生,防災科学技術研究所の中村さん(修士までなら鹿島の中山さんとか引田さんとかフジタの小野さんとか.土木の東原研には産総研の吉見さんもいました)などが災害部門に学生としていたときで,研究生活?は,楽しかったですよ.

 浮上のきっかけは,何度も書いているように1999年台湾集集地震と思ってたんですが,1998, 1999, 2000年と地震動をサイン波一波に置き換えるということで構造工学に論文書いてますね(なんか他人事みたい).1998年には,名工大の梅村先生と繰り返しによる耐力低下モデルの開発をしてJCIなどに論文を書いています.このモデルは,阪大におられた鈴木先生に高く評価していただきました.つまり,1998年の論文の準備をする1997年くらいから徐々に「戻って」きていたということでしょうか.

 以上のことから判断するに,30代はずっとだめだと勝手に思っていたんですが,「だめ」だったのは,数年くらいのものなのかもしれません.1995〜1996年のバークレー滞在期間は「だめ」だったのですが,1996年のWCEEには,そのときやってた解析(要は,兵庫県南部地震で発生した地震動がいかに破壊力のあるものすごいものだったかということ)で2編(自分と南先生の分)論文は書いています.もちろんどんなに「だめ」でも建築学会大会の論文は書いていますが,当時,地震研で教員の論文リストを収集して公開するというのが始まって,協議?の結果,建築学会大会は,地震学会の予稿集扱いで(でも実際には全然違いますけど)カウントされないということになり,どうしたものかと思って,当時,兵庫県南部地震を受けて都市直下地震シンポジウムというのが始まって,第2回の1997年から終わるまでの1999年まで,毎年これに出して「食いつないでいた」のを憶えています.ですから,だめだめだった頃も,大会はもちろん,構造工学やJCI,都市直下,WCEEには論文書くくらいのことはやってたということですね.

 ただ,これもよく憶えているのですが,精神的には,2000年の夏頃がどん底だったと思います.シドニーオリンピックで高橋尚子さんが金メダルを獲ったのでよく憶えています.このあたりで新島で地震があって,被害調査に行くとか行かないとかで行き違いがあって,相当参っていました.その後,スロベニアに行き,その間に2000年鳥取県西部地震が起き,翌年には2001年芸予地震が起こって,1999年台湾集集地震でやった被害調査方法を日本の地震に対してもやり始めたくらいからは,もう大丈夫だったと思います.実際,この頃から,震度算定法などの論文ばんばん書いてますしね.そして,筑波大に移籍して現在に至る,ですかね.

 こうして振り返ってみると,「だめ」なときがとても多いことに気づかされます.30代は,暗く辛かったとは,何度も書きましたが,0代,10代も大半が「だめ」ですね(まあ,これはまだ子供ってことでしょうが).それでも何とかここまでは来られました.逆に,今って,もちろん順風満帆ではないですが,まあ何とかちゃんとやってるなーと逆に驚いてしまいます.

 まあ,ここまでは,単に私の個人的な過去の振り返りなんですが,要は,「だめ」なときってやっぱりあると思うんですよ.でも,ずっと「だめ」なわけじゃない.だから,今は「だめ」でも,めげずにあきらめずにやり続けることは,やっぱり大事なんだと思います.

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9/28'11
ここまで来られた
(仕事, 生き方)

 すぐ上で「ここまで来られた」と書きました.ここで言う「ここまで」の「ここ」と言うのは,わざわざ説明までもなく,そういう立場とか社会的地位まで来たとかいうことではなく,地震動の性質と構造物被害の関係というテーマに興味をもち,まだ誰もやったことのないアプローチで取り組み,それを地震災害軽減に繋げることで「ここまで来られた」ということです.結果として,評価していただけるとしたら,素直に嬉しいですが,それ以前に,(大変でしたが)自分の手で小宇宙とも言える世界を作り上げたことで,人生を楽しんで行ける最高の対象を得たことが何よりも大きく,これこそが「ここまで来られた」ということです.

 ただ,私がやっていることは,工学ですし,小谷先生の教えの通り,独りよがりな研究をしていればいいというものではありません.ですから,上で「評価していただけるとしたら」と書きましたが,ちゃんと評価していただける研究をすることは,やはり,大事だと思っています.

 でも評価と言うと,なにか順位付けみたいなことになりがちですが,そういうことではなく,やはり一番より独創性でしょう.**大学の教授と言ったって,誰かがなれるものですし,実際たくさんいるわけですし,そもそも「ランキング」が上の大学の教授が偉いというわけではありません.つまり,研究者である以上,その評価は,一研究者として,どれだけ他人がやっていない独創的な研究を高いレベルでやっているか,ということで,「そういうことができるところまで来られた」ことに感謝して,これからもそういう研究をするべく頑張ってやって行くということですね.

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28b
[研究者に対する評価]
(世の中, 大学)

 なんで,今更,上で書いたようなことを書いたのかと言うと,うーん,違うんだけどなー,ということ,例えば,**大学の教授なんてすごいですねーとか,そういう「形」で評価?されることが結構,あるんですよ.もちろん,私のことをよく知らない人がとりあえずそういう観点で私を見るのは,しょうがないとは思うんですが,そうでない人も結構そういうところがあります.

 繰り返しになりますが,**大学教授と言ったって,それが帝大系の一流国立大学教授であっても,東大教授であっても,誰かがなれるものだし,実際,いっぱいいるし,それ自体は,てんで大したことありませんし,そんなところを目指してきたわけありません.でも,やっぱり,そういう目で見られてしまうんですかねー.私がもし評価されるとしたら,単に**大学教授とかそんなことではなく,上で書いたようなことだと思っているので,そういうことを言われると,何だかとても過小評価されてるような寂しい気分になります.でも,世間一般的にはしょうがないとしても,分野が違えば,やっぱりそうなってしまうんですかねー.

 要は,研究者に対する評価というものが,そういうものになってしまうということでしょうか.でももしそうだとしたら,これ以上は上はないわけですから,これ以上は評価されないということになってしまいます.実際,そういうことになってしまってる(評価されないから研究もしない)人も少なからずいます.

 私はもちろん,そんなものを目指してきたわけでないので,そういうことにはならないと思いますが(ただし,怠け者であることは変わらないので,単に怠けるか,いろんなことに興味があるので,他に興味が行くことはある?),どこかで「なんだかなー」とは思ってるってことですかね.

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28c
[長生きしない?]
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 ここ1ヶ月くらいは(対策をしているためか?)大丈夫ですが,体調が悪いとずっと書いてきました.でも,母親を見ていてもそんな感じで,でも大病はせず生きてきて,私もそんな感じで長生きするのかなあと何となく思ってました.でも,考えてみたら彼女とは性が違います(当たり前).で,私と性が同じ彼女の兄弟や父親などを見てみると,みんな短命なんですよねー.

 大関に昇進した琴奨菊がおじいちゃんのことを言っていたので思い出したんですが,私っておじいちゃんを知らないんですよ.つまり,二人とも私が生まれる前に亡くなってるんです(対照的におばあちゃんは,二人とも長生きだった).そういうのって男女差(単に女が男より長生きということではなく)あるんですかね? まあ,別に長生きしたいと思ってるわけでもないので,どうでもいいっちゃいいことですけど.

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28d
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(野球)

 ライオンズですが,引き分けを挟んで10連勝と破竹の勢いだったのですが,とうとう負けてしまいました.しかも,オリックスも負けないんで差は全然詰まってません.つまり,渡辺監督が言うように,問題はこれからということですね.いっそのこと,オリックスじゃなくて絶不調の日ハムを引きずり下ろしますか.

 終盤に追い込むとそのままCSに流れ込むんで,その先も可能性は高まります.実際,最近は,ソフトバンクにもオリックスにも勝ってるし,今一番強いのは,ライオンズだと思います.でも問題は,「間に合うか」ということですね.

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