9/2'06
私のバドミントンライフ?
(8)つくば時代,そしてバドミントンをやめるまで

 これでほんとに最終章です.ということは「お別れ」が近づいてきてしまったということでもありますね.(7)つくばに来た頃と若干文章を入れ替えました.

 さて,つくばに来て筑波大バドミントン部の練習に混ぜてもらえるようになったことはとても幸運なことでした.阿部先生,吹田先生が考えられた練習のもと,ここで強くなれなければどこで練習してもだめだ,つまり自分は最高の環境で練習できてると思えることが,この歳にして厳しいトレーニングについていける源だったと思います.

 しかし,そういう環境を有効に活用できたかどうかというと,残念ながらそうではなかったと言わざるを得ません.学生達は月曜以外は毎日練習してるわけですから,週2,3回途中から練習に行ってもなんか中途半端になってしまっていたような気がします.時間が経つにつれ,あるいは,4月になって1年生が入ってきたりすると,打つ相手も自分より強い相手よりはそうでもない相手の方が多くなってきました.まあ私の年齢からすれば,もうプレーをするというよりは,指導する立場なので,自分のことはさておいて,学生の面倒を見るというのが普通かもしれません.でも私はまだ自分が強くなりたかった.そして,そのために筑波大バドミントン部の門を叩いたはずでした.

 でもまあ自分勝手な話ではありますね.世の中基本的にはgive&takeなので,takeするものがあるのならgiveするものがなければ成立しません.私は自分が強くなって多くの学生達の練習相手足りうるようになることでgiveできるようになりたいと思っていたのですが,結果的には全く強くなることができず,筑波大バドミントン部に対して何ができたのか?と考えると情けなく申し訳ない気持ちでいっぱいになります.

 この辺の葛藤については,去年女子がインカレで優勝したときに書いてますね.まあ結局,新歓とか追いコンとかそういう節目でみんなが集まるときに偉そーに(^^;哲学的な話,バドミントンというスポーツを越えた話,そしてそれがひいてはバドミントンのプレーや意欲の向上に繋がるという話をしたくらいということですかね.そういう葛藤の中,やはり,自分が強くなること,この歳になっても(^^;強くなろうと頑張って練習しているところを見せるしかないと思ってやってきたのですが,それももうできなくなりました.

 でも,筑波大バドミントン部という場に混ぜてもらってとても嬉しかったですし,私自身はとても楽しかったです.思い出はいろいろありますね.いろんな人とシングルをやりました.N村,Aちゃん,A澤君,S藤君,R人君,T昭君,H間君,N島君,J平君,F井,T居,M井...一番沢山やったのはA澤君ですかね.最初の頃のことで印象に残っているのは,阿部先生にこいつはAちゃんくらいの力だな,と見抜かれて(^^;Aちゃんとシングルをやって,そして阿部先生の目論見通り(^^;,ファイナルの最後の最後までもつれて(確か7点の5ゲームでやった.つまり5ゲームやった),もうみんな試合が終わった中ぽつんと2人でやってたことですかね.Aちゃんも最後の年,Y田とダブルスでインカレに出られてほんとよかったと思います.そうそう,Y田(彼女ってほんとモデル並に綺麗なんですよ)がしばらく怪我をしていて復帰するときに声をかけてもらってよくいっしょにトレーニングしていたのもいい思い出です.そう言えば,なぜだかよくわからないのですが,筑波大バドミントン部の女の子ってかわいくて綺麗な子ばかりでしたねー.

 そんな中でいい思い出は,追いコンの時にも話したんですけど,H坂がある日「先生打ちませんか?」と言ってきて打ってくれたことですかね.レギュラーのメンツと打つ機会がなかなかない中,レギュラーの中で向こうから声をかけてくれて打ってくれたのはH坂だけだったと思います.ラリーなんかもやってくれて結構長い間打ってました.まあその日は調子が悪くて私ぐらいがちょうどよかったというだけかもしれませんが,理由はともかく私は嬉しかったです.まあ確かにH坂はちょっとちゃらんぽらんなところはあったんですけど(^^;,私の中でのH坂の印象はたったそれだけのことがかなり大きな部分を占めています.でも人の人に対する印象ってそういうもんですよね.この間もランキングサーキットで久しぶりに会えて嬉しかったです.ほんとに頑張って欲しいです(もちろん他のみんなも).

 私が筑波大バドミントン部で練習していた2年間のことでどうしても書いておかねばならないのはやはり阿部先生のことです(ここで勝手に書いてしまうこともどうかとは思うのですが...).このコーナーのあちこちで既にいろいろ書いていますが(例えば,ここ),彼ほどバドミントンを愛し,バドミントンに情熱を捧げ,バドミントン,そして,その運動の本質に科学的,学問的,あるいは哲学的に迫った人はいないでしょう.それはバドミントンというスポーツの1種目という枠を越え,哲学や文化足りうるものでした.私は彼と出会ってスポーツは文化であるということを実感することができました.そして,バドミントンにはそれだけのものがあるんだ,下手くそながらも20年以上バドミントンを続けてきてよかった,と心底思いました.

 と同時に,今にして思えばもっと体が動くときに彼と出会っていればとの思いもあります.阿部先生も言われていることですが,スポーツ選手の問題点の1つに若くして人生のピークを経験してしまう,ということがあります.それは人間的にまだ未熟な段階で大きな社会的評価を受けてしまうということもあるのですが,スポーツの自己実現にも繋がる真の魅力に若くて体が動くうちに気づけるか,ということもあると思います.私はもちろんある程度は気づいていたからこそこの歳までやってこれたのだと思いますが,先生に出会ってもっと奥深い世界を知ることができました.筑波大バドミントン部の学生達は私よりはるかに若い,それこそピークの段階で出会っているわけですからほんとに幸運だと思いますし,それを活かして欲しいと思います.死ぬことを除いては取り返しのつかないことはないと書きましたが,それは死に向かう流れである老化についても同様です.気づいたときに体が思うように動かなければどうしようもありません.ですから若くて体が動くうちに気がついて,自己実現に繋がるスポーツの素晴らしさを満喫して欲しいと思います.試合に勝つ,インカレで優勝する,オリンピックに出るなんてことは「おまけ」に過ぎません.でもそういうことに気づいて努力すれば必ず結果はついてくると思います.

 残念ながら,阿部先生とごいっしょさせていただいたのは,彼が退官される1年間だけでしたが,その1年間はとても貴重な時間でした.もちろんその後もお会いできたときはいろいろ楽しいお話をさせていただいています.ただ筑波大を退官された後も多忙を極められているようでお体が少し心配です.でもあれだけの人材を社会がほっとくはずもありません.つまり,そういう役回りなわけなのでそれでいいのだ,それが先生にとっても幸せなことなのだと思っています.

 1年経って,阿部先生が退官された時のこともよく憶えています.筑波大バドミントン部のOB,OGが大勢集まって盛大に行われた退官記念パーティ,その後の割烹一の矢での宴会もそうですが,追いコンのことが今でも忘れられません.追いコンというのは,本来?は卒業する学生の追いコンなのですが,この年は卒業する学生がたまたま少なかったことや何と言っても阿部先生が退官されるということで,阿部先生の追いコンのような雰囲気でした(阿部先生を追い出すというのは失礼な話ですが(^^;).

 阿部先生,利百子さんといろんな話をしたと思います.不確定性原理と全ては150億年前に決まっているの関係の話やシャガールの話もしたと思います.とても楽しい時間でした.そして,最後に阿部先生がみんなの前でお話をされたのですが,そのとき,「境先生を筑波大バドミントン部に迎えられてほんとによかった」と言っていただいてとても嬉しかったです.そしてその後,後は彼に任せたい,というようなことまで言っていただきました.もちろん次期監督は吹田先生ですので,そんなことはあるはずもないのですが,そこまで私のことを評価していただいたのは光栄なことでした.

 そんなこともあり,私が筑波大バドミントン部に対して何ができるかといろいろ考えるようになりましたが,今こうして振り返ってみると,阿部先生にそこまで言っていただいたのに,ほんとに大したことは何もできず,暗澹たる気持ちになってしまいます.

 さて,私自身のプレーの方ですが,筑波大に来て,筑波大バドミントン部の練習に混ぜてもらうようになって,特に最初の頃はとても充実していたのですが,だんだん練習にも出られなくなり,また上記のような理由で思うような練習もできなくなってきて,どんどん動けなくなって自分の思うようなプレーもできないし,結果も全然出ないということで,どうしたものかと考えるようになってきました.そんな折り,時々筑波大バドミントン部の練習に出ていたW所さんから(ただし彼は私のように学生といっしょにトレーニングはやってなかった思います(^^;),シングルの練習やりませんか?と声をかけていただきました.確か,第一体育館が改修工事で使えなくなり,筑波大バドミントン部の練習が茗渓学園の体育館(の方が立派だった(^^;)で行われていたときだと思いますから,2年目の冬だったと思います.ですから,私が筑波大バドミントン部の練習に混ぜてもらうようになって2年近く経ってからですね.実際,その頃はもう普通にほったらかされて(^^;いましたから,W所さんと打つことが多くなっていたと思います.

 頑張って2年ほど学生と同じメニューをこなしてきたのに結果が出ず,そろそろ練習方法を見直すべきと考えていたこともあり,それからはW所さんとシングル中心(のみ)の練習を中心にするようになりました.最初は,金曜の教職員の練習(実質,私とW所さんしか来ない)と火曜の筑波大バドミントン部の練習の時の週2回やってましたが,火曜の筑波大バドミントン部の練習で練習するのが申し訳なくなって,水曜の教職員の練習(これも実質,私とW所さんしか来ない)と金曜に練習するようになりました.ですから,それからは筑波大バドミントン部の学生達といっしょに練習する機会はほとんどなくなったと思います.W所さんとの練習メニューは基本的に私が考えました.つまり自分の思うような練習ができるようになったわけです.W所さんは私が筑波大に来た頃は私の方が大分強かったと思いますが,その後強くなって(かつ,私が弱くなって),練習相手としては充分でした.そしてそういう練習をこれも2年くらいやったことになりますかね.それでも結局は結果も出ず,自分の思うようなプレーができるようになることも...なかったですかね.

 昨年の8月にはつくばエクスプレスが開通して,文京区時代練習していたプーナにも普通に行けるようになりました.そこで,久しぶりにT中AちゃんやN嶋君などとシングルをやって文京区時代と比べて自分の力がどうなってるかを確かめることができました.そして予想通り弱くなっていました(T_T).でもその頃は,まだ結果に結びついてないだけだ,とか,調子や体調が悪いだけだと思ってましたかね.

 しかし,つくばに来て全日本教職員には結局4回出ましたが,成績や自分の中でのプレーも年々悪くなっていきました.茨城県大会にも何度か出ましたが,1回勝つのがやっとでしたね.そして,今年の全日本教職員であまりにふがいないプレーしかできず,とうとう気持ちが切れてしまったようです.そして,バドミントンをやめることにしました.私には楽しく健康のためにバドミントンをすることはできないこともわかっていました(そうしようかと何度か考えたことがありましたができなかったので).この辺の決意に至った心境は,ここここここに書きました.

 つくば時代は,とにかく結果が出ずに精神的にきつかったですね.私はこの歳まで「歳」を感じたことはほとんどなかった(つまり感覚的にはずっと20代だった(^^;)のですが,生まれて初めて「歳」を感じるようにもなりました.これまでは練習すれば必ずそれに見合った結果がついてきていたので最初は単に調子が悪いだけと思ってました.でもそんなことが何年も続くと「調子が悪い」わけではないですよね.ただ,結果は出なくても,しんどい中にも単純に動いてシャトルを打ってというバドミントンのプレーを純粋に楽しいものと感じられるうちはプレーできるものです.でもある日突然それが感じられなくなった...そして現在に至る,です.バドミントンをやめた日(8/16)からもう半月が経ちましたが気持ちは変わりません.

 でもこうやって振り返ってみると(なんかいろいろカミングアウトしすぎ?の感もありますが(^^;),なんとなく始めてそれこそ「続けていただけ」だったバドミントンですが,20年以上も,もちろんできる範囲ではありますが,自分なりにそれなりに頑張ってきたんだな,とちょっとだけ思うことができました.死ぬとき自分の一生を振り返ってそんな風に,つまり,充実したいい人生だったなーと思いながら死ねたらいいでしょうねーと書きましたが,そういう意味ではいい「バドミントン人生」だったとほんのちょっとだけ思うことができました.最後にもう一度,バドミントンを通して出会うことができた全ての人に感謝して筆を置きたいと思います.

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9/8'06

 なんか随分空いちゃいましたね.シリーズもの?の後って急に書くことがなくなったような感じがして,特に今回は,あーこれで「バドミントン人生が終わってしまった」という虚しさのようなものも当然あります.

 今,建築学会大会の真っ最中なのですが,今年は関東(神奈川大)で何とか通えるので,いつもとは全然気分が違いますね.来年は福岡(福大)だそうです.めちゃめちゃ元地元ですね.でも学生がどんどん増えてきて旅費にいくらかかるかと思うと...

 N山君からみよし@新宿の報告?が来ました.彼は京大出身なので,京都の店の味を知ってるわけです.で,どうだったかというと「あんなもんだったかなぁという感じ」だそうです(^^;.私の点数は7点とまで(^^;予想されてしまいました.東京向けに味をアレンジした可能性もありますが,本物の豚骨は,その日のコンディションによって味がかなり変わりますし,行って自分で確かめてみるしかないですね.

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9/10'06

 昨日,建築学会大会の帰りに秋葉原でJRからTXに乗り換えるときに,ホームに警官が沢山立っていてえらくものものしい雰囲気で何かあったのかと思いました.それで,16:45のつくば行きの区間快速に乗ろうとしたら,16:52のつくば行きの「普通」電車が止まっています.え?つくば行きの普通は終電(11:30)だけのはずだが...何かあって快速が各駅停車運転になったのか?とも思ったのですが,その後,隣りのホームに16:45のつくば行きの区間快速が来ました.

 どうやら単に時刻表の改正があったようです.しかも16:52発の守谷行きの普通がつくば行きになった,という1箇所だけの改正でした.それにたまたま出くわしたわけです(^^;.秋葉がものものしかったのは,帰ってテレビを見たら,自民党総裁候補3人が秋葉で街頭演説をしていたからのようです.でも自民党総裁って党員しか選挙権がないんですけど...誰がなるかはともかく,というか誰になるか決まってますが,私はやはり小沢一郎に一度任せてみたいです.

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 ライオンズがプレーオフ進出を決めたようですね.今年から一位通過すると1勝のアドバンテージが与えられるようですから,是非一位通過して欲しいです.でもやっぱりなんかしっくり来ませんね.メジャーリーグみたいにリーグ優勝と日本シリーズを分ければいいんじゃないですかね(とか思っていたらやっと来年からそうなるみたいですけど).昨年,一昨年のホークスのようにペナントレースを制しても日本シリーズにすら出られず,優勝でもないというのはやはり変です.例えば,去年の場合は,パリーグ優勝はホークスで日本一はマリーンズでいいんでないかと思います.まあそうするにはセリーグもプレーオフをやる必要があったわけですけど,やっと来年からそうなるということです.つまりセリーグは3年も対応が遅れたということですね.

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 飲酒運転ですが,少し補足をすると「飲んだら乗るな,乗るなら飲むな」の「飲んだら乗るな」は,「既に飲んでしまった人」は冷静な判断能力が低下しているため「標語?」として有効ではないということです.一方「乗るなら飲むな」は,「まだ飲んでない人」が対象ですからある程度は効果があるでしょう.というかこれを実行するしかありません.「乗るのに飲んでしまう」人は「飲んだら乗るな」と言われても乗る人でしょう.つまり自分をコントロールできない人です.自分をコントロールできないほど飲んでしまう人も自分をコントロールできない人です.自分をコントロールできない人が犯罪を犯す可能性が非常に高いのは言うまでもないことで,それは飲酒運転に限りません.

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9/12'06
自意識

 これも以前からずっと気になっていていろいろ考えてきたテーマです.人生論(人生所詮退屈しのぎ)に大きな影響を及ぼす,「人は死ななくなる?」ということと密接に関わってきます.ここまで書いてもうわかった方もいらっしゃると思いますが,ここで言う「自意識」とは,哲学・心理学用語で「自己意識」「自我意識」のことで,広辞苑には以下のように書いてあります.

じこ‐いしき【自己意識】 〔哲〕(self-consciousness) 自己自身に関する意識。諸体験の統一的・恒常的・自同的主体としての自我の意識。自意識。自覚。
じが‐いしき【自我意識】 〔心〕(self-consciousness) 自己について持っている意識。能動性の意 識、単一性の意識、時間が経過しても同一であるという意識、外界と他人 に対して自分が存在しているという意識の四側面から成る。

 要は,「自分が自分であるという意識」でしょうか.「この人は自意識過剰だ」という言い方がよく使われますが,この場合は自己チュー,自分勝手といったちょっと違う意味で使われているような気がします.ここで考えているのはもちろん本来の「自分が自分であることという意識」です.

 これは直接「自意識」をテーマにしているかどうかはともかく,いろんんな人がいろんな形で考えているようです.いや,一度は誰でも考えたことがあるでしょう.例えば,あなたがある人のことが羨ましくてその人になりたいと思ったとして(私は一度も誰に対してもそう思ったことはないですが),でもそういう場合って,自意識はそのままでその人になるということですよね.だって,自意識までその人になったらそれはその人そのものなわけで,現状と何も変わらないのですから(^^;.

 大林宣彦監督の「転校生」という映画(映画をほとんど見ない私でも知ってるくらいですから有名?なんだと思います)もそういうことがテーマ?なんですかね?広島の尾道が舞台で,小林聡美と尾美としのり演ずる男女の高校生?が神社?の階段から転がり落ちて入れ替わる,というものです.この場合も自意識のみが入れ替わってるわけですよね.

 入れ替わる,あるいは,その人になる,という場合,自意識だけではなく,その人の能力や才能まで「もっていく」という場合も想定されますが,ここでは「自意識」のみが入れ替わる場合について考えてみようと思います.

 そもそも自意識って何ですかね?まあいろんな議論が既にあるのでしょうが(私は勉強が嫌いなのでほとんど知らない(^^;),私は要するに「記憶」だと思います.最も端的な記憶は,自分の名前ですよね.これも含めて,過去に起こったことの記憶の集積こそが自意識でしょう.例えば,いわゆる「ものごごろがつく」までは自意識はなく,従って,ものごごろがつく以前の記憶はありません.「練習は記憶」と書きましたが,そういう意味では練習によって身につく技能的なものも含まれるわけです.

 「自意識は記憶」ということになると,記憶(メモリー)なわけですからハードディスクのデータのように自意識をコピーすることはできないか?ということになってきます.実はこれが人生論?と関わってきます.つまり「人は死ななくなる?」のかということです.

 医学が進んで,例えば,心臓病になってもES細胞から代わりの心臓を作れたら心臓病で死ぬことは回避できるかもしれません.つまり,人間も機械と同じようにどこかの「部品」が壊れたら修理したり,交換したりすれば半永久的に「使える」ということです.ただ,人がなぜ死ぬのかということに関しては,テロメア(いわゆる命の回数券)を使い切ったら死んでしまうことがわかっていて部品を交換すればいいという単純な話ではありません.第一,脳という最も重要な臓器を取り替えてしまったら,自意識そのものもなくなってしまい,それはまさにその人が生き延びるのではなく「別の人」の誕生ということになります.

 そこで考えられるのが「自意識のコピー」です.「故障した部品」をつぎはぎで交換して行くよりは,同じ遺伝子をもった真っ新の人間を作ってしまって(もちろんこれは倫理上非常に問題があるのですが,それは別の議論になるのでとりあえず話を進めます),そこに自意識だけをコピーした方が手っ取り早いじゃん,てなことになるわけです.もちろん脳の記憶のプロトコルが解明されていないので,コピーしようがないのですが,それがもしできたとするとどういうことになるのでしょうか?

 この辺からだんだんわからなくなります.例えば,あなたが何かの不治に病に冒されて,いや,別に病に冒されなくても寿命が尽きかけて,でももっと生きたいと思ったとします.そして,幸い?なことに医学が進歩して,あなたのミラーの人体を作り出せるようになり,そのミラーにあなたの「自意識」をコピーできたとします.すると,新品でぴかぴかの「あなた」がもう1人誕生するわけです.めでたしめでたし?でも何か変じゃないですか?だって自分は自分だと思う人は複数存在し得ないからです.

 例えば,麻酔か何かをしてオリジナルのあなたの「意識」を失わせて,手術?みたいなものであなたの自意識をミラーにコピーした後,オリジナルのあなたと,コピーした先のミラーが目を覚ます.すると何が起こるのでしょうか?オリジナルのあなたは普通に目を覚まして,自意識がコピーされた横にいるもう1人のあなたを発見します.横にいるわけですからミラーはあなたではありません.でも自意識はコピーされている??ということは,ミラーもあなたで横にいるオリジナルのあなたを見ている??

 というように考えると,自意識はコピーできないと考えるのが妥当であることに気づきます.もっとわかりやすく具体的な例で考えると,例えば,一卵性の双子は全く同じ遺伝子をもっていて,生物学的にはミラーのようなものですが,個別の「自意識」をもっているので,当然のことながら全く別個の人間です(私はこれまでいろんな一卵性の双子を見てきましたが,姿形は似ていても中身は相当違うという印象をもっています).ということでどんなに医学が進んで「新品」のあなたをもう1人作り出せたとしても,やはりあなたは(もちろん私も(^^;)死ぬしかないということになり,私の人生論?の前提も覆されず,めでたしめでたし?ということですかね(^^;.

 でも「自意識はコピーできない」のは「論理的」にそうなる,ということで,実際に何が起こるのかは全くわかりません.つまり「自意識」が何かも実はよくわからないということです.

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9/13'06
WTC?

 昨日(9/12),土木の橋梁関係の報告会で(代理)講演しに浜松町の「世界貿易センタービルティング」に行ったのですが,ちょっとぎょっとしました(^^;.JR浜松町駅からダイレクトに繋がっているのですが,入口のところに「WTC」と書いてあります.ん?そっか,「世界貿易センタービルティング」を訳すと「World Trade Center Building」になるわけです.そう言われてみるとビルの形も「ただの細長い直方体」でNYのWTCと何となく似てますよね.多分NYのWTCを意識して設計されたのでしょう.しかも「特別厳戒体制」とか貼り紙がしてあります.だって「9.11」の次の日ですよ.少し早めに行って自分がしゃべったらそそくさと帰ってきたのでまあ1時間くらいしかいなかったのですが,正直あんまり居心地はよくなかった(^^;ですねー.

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9/14'06
迷惑をかけない

 エコノミスト?のU草某が痴漢行為で再逮捕というニュースが流れていました.この事件?に関しては,何かコメントする気にすらならないどうしようもないことですが,普段思っていることを書く1つのきっかけということでちょっと書いてみようと思います.

 このニュースをきいてどう思いました?大学の先生(なのかな?)がこんなことするなんて,とか,優秀な人材なのに勿体ないとか思います?私はそういう風には全く思いません.

 そもそも彼が経済の分野で優秀かどうか,世の中にとって役に立つ人材かどうかもかなり怪しいですが(昔WBSに出ていろいろコメントしていましたが,「ほう」と思ったことは一度もありませんでした),まあそこはとりあえず置いておいて,仮に優秀な人材だとしましょう.百歩譲ってそうだとしても彼が犯した行為は断じて許されるものではありません.そしてそれは彼の価値の全てを損なう程のものです.

 世の中には,ある特定の分野に非常に秀でていたらそれだけで存在価値があるという人がいます.たとえ「犯罪者」であっても,それを補って余りある才能をもっていたらその才能を評価して活かすべきだ,と言う人もいます.でも私は全くそうは思いません.私の中での「人に対する評価」は,まず何よりも「人間としてちゃんとしている」ことです.どんなに仕事ができてもどんなにすごい才能をもっていてもその人が「ちゃんとして」いなかったら(私は)全く評価しませんし,つき合いたいとか,いっしょに仕事をしたいとは思いません.

 どのくらい「ちゃんとしてる」のが「ちゃんとしてる」ことになるかは,まあ私の中には割と明確な基準のようなものはありますが,最低限としては「人に迷惑をかけない」ことでしょう.ですから,私が何か行動するときも「人に迷惑をかけない」ことが全てに最優先します.逆に言えば,別に才能なんかなくても,仕事も(そんなに)できなくても人に迷惑をかけずに一応ちゃんと生きて行けたらそれで充分だと思います(もちろん生きて行くには最低限食べていけるだけの仕事はしないといけませんが).

 人に迷惑をかけることの最たるものは,犯罪を犯すことでしょう.犯罪を犯すということは法に反することをするということだけではなくて,法とは社会秩序を守るためのルールなので,それを破るということは社会秩序を乱すという重大な迷惑行為なわけです.人を殺しても罪に問われないような無秩序な世の中だとしたらどうですか?しかし法も完全なものではありませんから,法に反しなくてもモラルに反すれば充分な迷惑行為です.その辺については,モラルとコンプライアンスで既に書きました.怖くてなかなか子供を作る決心がつかないと何度か書きましたが,彼(彼女)が犯罪者になったりして人に迷惑をかけるということはない,という1点だけが保証されるのであれば,おそらく決心できると思います.

 なお念のために補足しておくと,生まれつき,あるいは,不慮の事故などで何か障害を抱えることになってしまったら,それは世の中全体で支えるべきで人に迷惑をかけることにはなりません.自分の子供がもしそういうことになってしまったら,もちろんショックでしょうが,今はもうそれが怖くて子供を作れない理由にはなっていません.乙武さんやパラリンピックなどで頑張ってる選手がとても生き生きとしているのを知ることができたからです.もちろん,別に私の子供に限らず,私自身もいつ不慮の事故や病気で障害をもつことになるかわかりません.

 さて,逮捕されたU草某は,「酒を飲んでいたので憶えていない」と言って「容疑を否認」しているそうです.これも飲酒運転で書いたことがそのまま当てはまりますね.「酒を飲んでいたので憶えていない」のなら「容疑を否認」なんかできるわけありません.だって憶えていないんですから.それこそ人を殺したと言われても否定できないでしょう.そういう状態で街中をうろついた時点でもうアウトなわけです.そんな状態の人が,痴漢行為をしていいのかいけないのか,飲酒運転をしていいのかいけないのかの判断ができなくなることは大いに考えられますし,そう考えられるのにそういう状態になるまで飲んでしまうのはもちろん本人の責任です.

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9/15'06
30分で5kmをほぼ毎日ランニング

 バドミントンをやめることにしてからほぼ毎日続けている5kmのランニングですが,1ヶ月経ちましたが,なんとまだ?続いています.まあ30分くらいかけてゆっくり走っているので全然しんどくない(^^;というのもありますね.それにこれもどこかで書きましたが「走る」のってぐいぐい前に進むので本質的にやっぱ気持ちいいです.バドミントンの「秘密のトレーニング(^^;」も時々はやっていたのですが,素振りやフットワークって狭い範囲をうろうろ(^^;するわけですしほんとしんどいんですよ.だから正直,特につくばに来てからはあんまりコンスタントにできてはいませんでした.まあ走るのは健康のため?トレーニングはバドミントンが強くなるためなんで全然目的が違いますけど.でもトレーニングって辛くてしんどければそれだけ効果があるというものでもないし,第一長続きしなければ意味ないですから,効果,持続性などいろんな要素を複合的に考えて自分に合ったものを選択すべきということでしょうね.

 ただ,30分で5kmって全然ゆっくりかと思っていたのですが(だって10000mやマラソンの世界記録のほぼ半分のペースです),運動強度(METs)を見てみるとそうでもないですね.なんとこの表の中では8〜と最高ランクになっています.しかももちろん「レクリエーション」ですが,バドミントンのシングルスが4〜5になっています.そんなばかな(そもそもレクリエーションでバドミントンのシングルなんかやる人いるんですかね(^^;?).もちろん私にとってはバドミントンのシングルスの方が数倍しんどいです.やっぱバドミントンに向いてない?

 30分で5kmというのは別に何か根拠があって決めた数字ではないですが,つくばに来た頃,練習場所が見つかるまで「トレーニング」として5km走っていたのですが,その時のタイムがだいたい22,3分だったので,まあ8掛けくらいで30分くらいかなというだけです(ちなみに走ったことがある人はわかるでしょうが,つくば市の舗道はちょっとしたクロカンコース(^^;です).このペースなら半永久的に,例えば,マラソンもこのペースなら走れるかな,という感じのペースです.もちろん,実際のマラソンは大学2年の時(1983年),T大バドミントン部で半ば必修だったので,一度だけ走ったことがあるのでわかりますが(伊豆戸田マラソンという標高差800m!というとんでもないコースでした),心肺機能より脚の筋持久力が落ちてきて脚が痛くなって走れなくなります.その時のタイムは4時間を少し切るくらいだったので(標高差800m!なので30分引いていいとは言われましたが),だいたい30分で5kmというペースですね.

 ちなみにそのときのことはいい思い出ですね.ちょうどライオンズとジャイアンツが日本シリーズをやっていて,沼津から船で戸田に行くのですが,港で放送されていたラジオの音が船が海岸から離れるにつれてだんだん聞こえなくなるので,甲板から身を乗り出して聞いていました(^^;.その日は確かジャイアンツが王手をかけての第6戦で,中畑が9回表に起死回生の逆転打を打ち,でもその裏にライオンズが確か内野安打で渋く追いついて延長戦に突入し,江川がリリーフで出てきて,金森がサヨナラヒットを打って勝ったと思います.この年のライオンズとジャイアンツの日本シリーズはそれこそ球史に残るような名勝負だったと思います(もちろんライオンズが勝ちました(^^)V).A山先生からいただいた写真集(^^;もそのときのものが入っていたと思います.

 戸田に着いて部屋に行ったら,テーブルの上にいわゆる炭水化物が山積みになっていて,吐くまで?食べさせられました(^^;.いわゆるグリコーゲンローディングですね.でもそのおかげ?か42.195kmの最後まで心肺機能や全身の疲れを感じることはなかったですね.でも最初に標高800mの山を登るのですが,登るのはまあ楽勝で,でも下るとき膝に相当負担がかかったようで,後半の20kmは脚が痛くなって大変でした.マラソンを走った後,1週間は階段を降りることができませんでした(^^;.話を戻します.

 ですから30分で5kmというペースを忠実に守って走っているわけではありません.ていうかそれはとても難しい(^^;.つまり,「このペースなら全然しんどくなくて毎日続けられるし,このペースなら脚が痛くならなければマラソンだって走れるかな」というペースで走っているわけです.ですから,実際には30分で5kmではなく,調子がいい日はタイムがよくなりますし,体が重い日はタイムが悪くなります.ということでタイムを測っているのですが,この1ヶ月の推移をグラフにしてみました(^^;.


 こうしてグラフにしてみると,いろんなことに気づかされて面白いです.縦軸が所要時間(分),横軸が日数です.抜けているのは,飲みに行った日とか雨の日で走れなかった日です(「ほぼ」毎日続けるコツは「毎日」に拘らないことでしょう(^^;).横軸0がバドミントンをやめることを決意した日,即ち,W所さんとの最後の練習日です.つーことは,バドミントンをやめることを決意する2日前から走り始めていたんですね(^^;.

 まず,基本的に右上がりになっています.もちろん,1ヶ月前は真夏でだんだん涼しくなってきたということはあるでしょうが,やはり「効果」が見られるということですね.そして,始めた頃は例えば最近と比べるとパフォーマンスがとても悪いことがわかります.実際,その頃は腰が痛くなったり,後半脚が重くなってきてペースががくんと落ちることもありました(このペースなら半永久的に走れるというペースで走ることにしているのでしんどくなったらペースを落として走ります).つまりこの位の「しんどさ」で走れば30分で5km走れるだろうと思っていたが,最初は全然30分では走れていなかったことになりますね.バドミントンの練習は激しくしていたが,とても基本的な運動である「走る」という能力がかなり落ち込んでいたことがわかります.横軸0はバドミントンの練習をした(最後の)日ですが,その後2,3日は疲れが残っているのか極端にタイムが悪くなっています.

 その後,比較的順調にタイムは伸びていますが,一本調子ではなく「波打ち」ながら伸びています.つまり,一旦タイムが落ち込んで回復するときに前回のピークを更新するといういわゆる「超回復」をしながら伸びています.そしてその周期はだいたい1週間くらいであることがわかります.走り始めてほぼ本来?のタイムに戻るまでもだいたい1週間くらいですかね.1つの波動のタイム差はなんと2分くらいあります.つまり1週間くらいの周期でこのくらいのパフォーマンスの差が生じるので,試合がある場合なんかはやはり調整がとても重要ということになりますね.

 ということで,これからも続けていきたいと思います.9月になってから大学も雨でない日は自転車で通うようにしています.これもだいたい5kmくらいですが,所要時間はdoor to doorだと12,3分と実は車とそんなに変わりません(車だと駐車場から部屋までの時間も数分かかるので).あとは歩くことですかね.よく1日1万歩歩きましょう,とか言われてますけど,私の場合,被害調査にでも行かない限りはそんなに歩くことはないですからねー.普通の人だと1万歩だと100分かかるようですが,100分もかかるとするとその間「何するか」が重要ですね.

 そうそう体重と体脂肪率も一応毎日測っているのですが,体重はまあそんなに変わらないのですが(でも1kgくらいは減ったのかな?),体脂肪率は明らかに減ってますね.やはり激しい運動よりは,そんなに激しくない運動の方が脂肪が燃えるってことですかね.まあ私は体脂肪率が「アスリート度」の尺度として使われることにはかなり疑問をもっているのですが(だって,例えば落語家の桂U丸師匠の体脂肪率はどう見ても多分一桁ですよね(^^;),今のペースで行けば一桁も夢?ではないかもしれません.

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 飲酒(運転)ですが(しつこい?),私はもちろん「酒なんか飲むな」と言ってるわけではありません.私も飲みながら話ができる人と話をするのは大好きです.でも飲むことが人間の「(判断)能力」を失わせるものであることはしっかり認識しておく必要があります.つまり「ある一線」は決して越えてはならないということで,「ちゃんとした人間」ならそれができるはずだし,できないのなら「飲むな」ということになります.

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9/17'06
情熱大陸

 私が普段見ているテレビの番組がいくつかあるのですが,その中に最先端で頑張っている人を取り上げた番組群があります.今放送しているものでは,TBSの情熱大陸,NHKのプロフェッショナル,テレ東のカンブリア宮殿,主としてスポーツ選手を取り上げるTBSのバースデーですかね.情熱大陸は大分前から放送されていますが(バースデーも違う名前で日曜の夕方にずっと以前から放送されていた),最近この手の番組が増えてきてちょっと見るのも大変(^^;になってきました.でもこの手の番組を見ると「医療ドラマ」と同じように最先端で頑張っている人を見て,しんどいのは私だけじゃない,私も頑張らなきゃと思うことが(多少)できます(^^;.ですから見ているわけです.

 今週は,情熱大陸に大学で同じ研究科で同じ学系のS海先生が出演(^^;されてました.大学で見ててもほんと大変そうですが,ほんと大変そうですね.でも何というか彼の人柄がにじみ出ていてとてもよかったと思います.結局は人間ということ,人間に年上年下は関係ないということなどとても共感できるところも多かったです.そして何よりまさに何かが私を動かしているやらねばならないという衝動にかられるという感じがしました.とにかく体調が悪い,と言っておられたのもとても印象的?でした.体調が悪くても「それでもやらなければならない」という衝動が優るわけです.私もとにかく体調が悪いのですが,残念ながら最近は「それでもやらなければならない」という衝動が体調の悪さに相当負け気味です(T_T).でも被害地震が起これば這ってでも行くでしょうね(^^;.

 そう言えば,私の周りの同じ研究科や同じ学系の先生方をよくテレビで拝見します.S海先生もそうですが,NHKのプロフェッショナルでロボット工学者が取り上げられていたときはY田先生の研究室が出てきましたし,VR(バーチャルリアリティ)ではI田先生がよく出られてますね.そうそう,トリビアの泉でチャゲアスの距離を画像解析で測るときにはK田先生が出ておられました(^^;.私も地震が起こったときは時々引っ張り出されています(^^;.まあテレビに出るから偉いとかそういうことは全然関係ないと思うんですけど,やはり分野によってはある程度は必要なのかなと思っています.特に研究テーマが身近な場合はそうですよね(自分から進んで出ようとは思いませんけど(^^;).地震防災なんか研究室で研究してるだけじゃほんとどうしようもありません.

 私の場合,地震が起こって,震度が6とか大きくても被害が小さかった場合,それは日本の建物がもう大丈夫なのではなくて,地震の揺れが短周期だったために震度は大きくなるが被害は出ないという性質の揺れだったからですよ,そうでない性質の揺れ(例えば,兵庫県南部地震や新潟県中越地震の川口)が起これば,甚大な被害が生じるので決して安心しないでください,とは何としても伝えなければという衝動にかられます.でもなかなかわかりにくいですよね.震度がちゃんと被害と対応するようになればわかりやすくて単純明快でいいと思うのですが...

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9/18'06
文武両道?

 文武両道という言葉がありますよね.もとは文学と武道の両方の道に長けるという意味だったようですが,一般的には勉強だけではなくスポーツもできる,といった意味に使われているように思います.自分で言うのもなんですが(^^;,私がかなりスポーツをしていることを知っている人からはよくそういうことを言われます.まあ勉強とスポーツと両方できるとかいうことより,スポーツってほとんど「必修科目」に近いものだと私は思っています.だって人間は動物なんですし,ちまたで「知的」と思われている仕事のほとんどは結局「体力勝負」ですからね(^^;.でも私は,勉強やスポーツ以外にもっと大事なことがあると思うのですが,それは最後に書きたいと思います.

 さて,文武両道ですが,勉強だけではなくスポーツもできる,という場合に加えてスポーツだけではなく勉強もできる?というケースも出てきました.もちろんずっと以前からそういう人達はいたのですが,先週,早実の斎藤君や早稲田に合格した福原愛さんが「文武両道」と取り上げられていました.このコーナーでも何度も書いているようにスポーツだけができて人間的には最低だとしたら,ほんとにつまらない人間だしつまらない人生でしょうから,まあ結構なことだと思います.でも実際のところはどうなんですかね?確かに早実は進学校ですが,斎藤君は野球部の推薦枠で早実に入ったそうですし,福原さんも早大スポーツ科学部の「トップアスリート入学試験」とやらに合格したということです.つまり別に勉強ができたから早稲田に入れたわけでもなんでもないわけです.ですから今の時点では文武両道でもなんでもないわけです.

 しかし大学ですから,単位を取れなければ卒業はできません(できないはずです).もし大学で野球や卓球ばかりやっていて卒業できたらほんとに何のために大学に行ったのかということになりますし,もしそういうことになれば早稲田は自らその権威?を失墜させることになるでしょう.福原さんは中国スーパーリーグはどうするんですかね?早稲田大学は1年のうち何ヶ月もの間,海外にいても卒業できるような「楽勝」な大学なのでしょうか?筑波大にも体育専門学群(体専)があります.私がいっしょに練習していたバドミントン部の学生のほとんどは体専の学生です.しかし体専はとても厳しいところでスポーツだけやっていたら卒業できません.サッカーの平山君が入ってきたときもまあどう処遇するかいろいろすったもんだあったようですが,結局休学という形になりました.

 H末涼子を入学させたときもそうでしたが,この大学はどうしたいのか?どうありたいのか?が私にはよくわかりません.マスコミは当時はH末涼子の入学で人気爆発と報じていましたが,そんなことで人気が出ても意味ないでしょうし,少なくとも早稲田ほどのレベルの大学に入る学生がそんなことで志願先を早稲田にするなんてことは考えられません(もしそうだとしたら世も末ですね).むしろほんとに優秀な学生は敬遠するでしょう.だって,普通ならちゃんと勉強して入っているのに一方ではろくに勉強しないでフリーパスで入る人もいることになるわけですから.つまり志願者が増えるとしても増えるのは始めから合格は難しい人達でしょうから,「受験料稼ぎ」ということなら意図はよくわかります(^^;.でもそれが真意だとしたら単なる金儲けでほんとにどうしようもないですね.

 早実の斎藤君はともかく,卓球の福原さんがなぜ早稲田進学を希望したのかもよくわかりません.早稲田の卓球ってそんなに強いんですかね.あるいは素晴らしい指導者がいるのでしょうか?(実はよく知らない(^^;)それならそれでよくわかります.筑波大バドミントン部に来る体専の学生も多くは阿部先生や吹田先生の最新の理論に基づいた指導の下で練習したいと思って門を叩いた学生達です.でも既に中国スーパーリーグに出るほどの福原がそういうことが目的とも思えません.少なくとも卓球のことを考えれば早稲田か中国スーパーリーグのどちらをとるべきかは明らかでしょう.ということは卓球以外の「何か」が目的ということになります.「何か」って何でしょうね?文武両道?学歴?文武両道かどうかは,上で書いたように学力で入らなければ意味はありません.ただ「一流大卒」の肩書きが欲しいだけだとしたらがっかりですが,まあ日本もまだまだ学歴社会ってことですかね.

 卓球しかできない人間にはなりたくない,ということはとても結構なことだしよくわかります(同じようなことは平山君も言ってますね(^^;).ただ,それが大学進学なのかということです.福原自身は,インタビューのやりとりなんか聞いていてもとてもしっかりしていて(それは斎藤君もそうですね)別に大学なんか(^^;行く必要はないし,いろんな場面で人間的に成長できると思うのですが...

 文武両道が,勉強もスポーツもできるという意味だとすると,そんなことより大事なことはいくらでもあります.勉強ができること自体が全然大したことではないことは既に書きました.そして,それ以上に大事なことはやはり「人間としてちゃんとしていること」でしょう.私はこのコーナーではないですが,哲学的なこと,「人生や世の中などいろんなことについて考えること」もとても大事なことだと思っています.どんなに仕事やスポーツができてもそういうことに何の考えももっていない人はとてもつまらない人間に(私は)見えてしまいます.でもまあそれ以前に「人間としてちゃんとしていること」が最も大切ですし,それで充分と言えば充分だと思います.

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9/19'06

 東京での委員会のついでにN山君が知らせてくれたみよし@歌舞伎町に行ってきました.区役所の裏あたりということだけ憶えて行ったのですがちょっと迷いました.でも真っ昼間からがんがん呼び込みしてるのはさすがに歌舞伎町ですね(^^;.すぐ近所に博多天神がありました.

 11:00〜15:00のランチタイムはラーメン500円で(それ以外の時間は600円),しかも替え玉無料キャンペーン中でした(^^).肝心の味は...旨かったと思いますよ.N山君は「あんなもんだったかなぁという感じ」だったそうですが,こんな感じだったと思います(^^;.少なくともレシピを東京向けにアレンジしてることはないと思いました.でもレシピは同じだが何かが違う感じはしましたね.普通は(京都の店も)替え玉をするときダシを足すのですが,それもありませんでした.

 でもまあ由○(福のれん),博多天神とほぼ同格で8点あげてもいいと思います(予想がはずれましたね>N山(^^;).でも順位付けをすると由○→博多天神≒みよし@歌舞伎町ですかね.ランチタイム以外なら博多天神の方がお得なので,コストパフォーマンス的にはN山君の言うとおり博多天神かもしれません.それに新宿まで行くのはやっぱめんどいですね(^^;.由○,博多天神は山手線の東側(八重洲,京橋,本郷,神田,新橋)にあるので私はそっちに行ってしまいそうな気がします.

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9/20'06

 TX(つくばエクスプレス)ですが,いつの間にか時刻表の改正があったようですね.昨日,9:10つくば発の快速に乗ろうとしたら,9:07に発車しました...(早めに行ったので乗り遅れずには済みましたが...).TXはかなりの頻度で使っていると思うのですが全く気がつきませんでした.先日も守谷行きの普通がつくば行きになっているのも時刻表を見て気づいたほどです.こういうことはちゃんと知らせて欲しいですねー.ホームページを見ても時刻表の改正があったとはどこにも(多分)書いてません.

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9/21'06
夫婦二人三脚

 よく使われる言葉で,以前から気になってる?言葉に夫婦二人三脚というものがあります.想定されている意味としては,夫婦助け合って,でも実際には男性が稼いで,女性が家のことをやっていく(内助の功(^^;)みたいな感じですかね.まあ夫婦のあり方は人それぞれなので別にそうしたい人はそうすればいいと思うのですが,ということは,そういう特定のやり方を「夫婦二人三脚」と褒め称える?のはどうかと思います.少子化対策ですかね(^^;?このコーナーで何度も書いていますが,男とか女とかいう前に1人の独立した人間同士なわけですから,男女で役回りを決めてしまうとか,夫婦はお互い半人前で(男は家事ができない,女は働けない)それを補いあって「二人三脚」でやっていくべし,みたいな考えは私個人的にはどうかと思います.

 でもよくよく考えてみると「二人三脚」って助け合ってることになってると思います?実際に運動会などで行われる「二人三脚」ってとても走りにくい(^^;ですよね.1人ずつ独立しているならもっと速く楽に走れるのに,二人三脚にして,お互いの脚を引っ張り合ってる状態にしているわけです.ですから,「夫婦二人三脚」は本来的な意味としては正しいのかな,とも思います(^^;.

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9/22'06
自転車の夜間無灯火

 バドミントンをやめてからほぼ毎日5kmのランニングに加えて,雨でなければ自転車通勤もしているのですが,最近は日が暮れるのが早くなり,帰りはもう真っ暗です.そしてつくばに住んでいる方はおわかりでしょうが,ほんとに真っ暗です(^^;.まあ東大通り(「ひがしおおどおり」と読みます.初めて見た人は必ず「とうだいどおり」と読みます(^^;.私も筑波大で関東リーグがあって初めてつくばに来たとき,なんでつくばに「東大」通りがあるの?と思いました(^^;.)沿いを帰ってくるので大半はまだ沿線のお店がやっていてほんとに真っ暗なところはわずかですが,お店が閉まってしまうとほんとに大半が真っ暗になっていまいます.夕ご飯を食べに帰るときはまだ大半のお店がやっているのでほんとに真っ暗のところはわずかですが,その代わりその時間帯だと多くの自転車とすれ違います.そして驚いたことにその多くが無灯火です.

 これは別につくばに限ったことではなく,東京にいた頃も日常茶飯事でした.自転車の夜間の無灯火はもちろん交通法規違反ですが,そんなことより何のために電灯をつけるのかが全然わかっていません.多くの人はおそらく自分が自転車を運転するために先が見えるように電灯をつける,でも真っ暗ではなくて自分は見えるからつけなくても大丈夫,と思っているのでしょうが(ほんとに真っ暗で見えなければさすがに電灯をつけるでしょうから(^^;)それは大きな誤りです.自転車の電灯をつけるのは自分の身を守るためです.つまり,電灯をつけて自分はここにいますよ,と向こうから来る人や自転車に知らせているのです.自分が見えるかどうかではなくて,相手に自分が見えているかどうかが問題なわけです.相手から見えていなければ,ぶつかられる可能性はとても高いです.

 光の向きによって必ず順光と逆光があります.暗くても自分の進む先が見えているということは,自分にとっては順光ですが,ということは,向こうから来る人にとっては逆光なわけです.つまり電灯をつけずに運転できる状況であるほど,向こうから来る人からは見えておらず,そういう状況であるほど電灯をつけて存在を示さねばぶつかられてしまうことになるのです.

 まあそんなことは相手の立場になって考えてみればすぐにわかることなので,要は自分のことしか考えていないということでしょう.そういう人はそうでない人より事故に合う確率は格段に高いと言えます.まあそれは自業自得ですが,巻き込まれる方は大迷惑です.それは飲酒運転も全く同じですね.

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 ライオンズは1位通過マジックが点いていたのですが,楽天にまさかの完封負けでいきなり厳しくなってきましたね.残り5試合で最下位の楽天戦が3試合でライオンズ有利と言われていましたが,私は対楽天はどうも負けた印象が強くて(実際の対戦成績はそんなに悪くない)嫌な予感がしていたのですが,いきなり的中?してしまいました(T_T).雰囲気的には今年は「日ハムの年」なんですかねー.

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 今Sカパーで国外大会の放送をやってるんですが,ほとんど決勝しかやらないので,中国,台湾,インドネシア,マレーシア,デンマークの選手ばっかりという感じなのですが,今日ふと見ると女子シングルで森が出てました.別に日本人が出てるからどうということはないですが,やっぱり嬉しいもんですね(^^;.全然関係ないですけど森って田村亮子に似てると思いません?それで日本バドミントン協会のホームページをチェックしたらいつの間にか全日本社会人が終わってました(^^;.早坂はシングルが16,ダブルが8でしたね.シングルは8決めで大束にファイナルで負けたようです.うーん,もうちょい.宮崎もダブルで16に入ったんだね.磯下,吉野君も2回勝ったようです.

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9/23'06

 世間はあんまり騒いでいませんが(^^;,パリーグがすごいことになってきましたね.昨日ライオンズは厳しくなったと書いたのですが,今日勝って,一方の日ハムがサヨナラ負けで再び残り3試合でマジック3です.ホークスも含めてどれも逆転また逆転のすごい試合でスコアも全て5-4です.なんかもうプレーオフが始まってるような感じです.大学院のD1(1988年),D2(1989年)の頃を思い出します.

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9/24'06

 今日は上位3チーム揃って負けましたね(^^;.でもライオンズは最下位楽天にまさかの負け越しで私の嫌な予感が当たってしまいました(T_T)(日ハム,ホークスも連敗したからよかったようなものの...).ライオンズ,日ハムともに残り2試合です.成績が同じなら引き分けが多いライオンズが上に来ます.つまり2勝すればOKなのでマジック2なわけです.ライオンズはマリーンズと,日ハムはホークスと潰し合い(^^;ます.ホークス頑張れ!まだ諦めるな(^^;!でも1989年は2試合中1勝すればOKで近鉄にやられてますからねー.そう言えば近鉄ってチームもうないんですねー.1988年1989年とライオンズと近鉄が優勝を争っていた頃は,どっちも全然負けなくてめちゃめちゃハイレベルな争いでした.

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想像力がない

 先週,先々週と飲酒運転報道がすごかったですね.連日のように飲酒運転事故を取り上げていましたが,もちろん先日の悲惨な事故がきっかけです.あの事故以来,飲酒運転事故が頻発するようになったわけありませんから,以前からしょっちゅう起こっていたものを急に取り上げだした,ということでしょう.「飲んだら乗るな」と言っても効果は低いと書きましたが,ここではそもそもなんで飲酒運転をしてはいけないのか考えてみます.

 法律違反なので飲酒運転はしてはいけませんよ,というのではあまりにひどい話です.それが最も説得力を持ち,罰則を強化しないと飲酒運転はなくならないとしたら,ほんと世の中どうしようもない奴ばっかりで,法で縛らなければ悪いことばっかりしよる,といったとても殺伐として住みにくくつまらない世の中にどんどんなっていきます(もう大分そうなってきてしまった気はしますが.でも私は世の中の大半は善良な市民だと思いたいです).

 法律違反を恐れなくなってる風潮も怖いですねー.捕まったら罰を受ければいいんでしょ,自己責任でやってますから,みたいな,捕まることを一種のリスクのようにとらえている人もいるようです.当たり前のことですが,テロや自然災害はリスクですが,飲酒運転で捕まることはリスクでもなんでもありません.だって飲酒運転しなければ絶対に捕まりませんから.それに他人を巻き込んでしまったら自己責任もくそもないでしょう.

 法律違反という以前に,というか,なんでそういう法が設けられているのかというと,一言で言えば飲酒をすれば運転能力が低下するからです.運転免許はライセンスであり,「契約」条件として,例えば目が悪ければ眼鏡をすることが条件ということと同様に,飲酒をしていないということも含まれているわけです.ですから法律違反という以前に契約違反ということになります.ライセンスを取ったときは当然飲酒していない状態だったでしょうから(^^;,その条件でライセンスが発行されたわけです.

 しかしなかなかそう杓子定規には行かないものです.常に法定速度を守っている車なんか数える方が難しいです.飲酒運転はアルコール濃度を測定すればある程度客観的に判断できますが,居眠り運転は判定が難しいでしょう.それに法を厳格に運用するのであれば,違反は全て捕まらなければ公平ではありません.法の運用が厳格にできなければ,即ち,検挙率が低ければ,捕まらなければいいという発想が生まれ,「まあこのくらいならいいだろう」と考える人が出てきて,いわゆる「グレーゾーン」ができてしまいます.

 「グレーゾーン」ができてしまうのは,法を厳格に運用できないという技術的問題もありますが,厳格に運用すると成り立たない,ということもあります.つまり法が実情に適合していないということです.ある程度の違反があるのを前提として法定速度を低めに設定すると,常に法定速度を守るとまともに運転できない?なんていうことになってしまいます.飲酒運転にも似たような事情があります.

 私は東京からつくばに来たのでよくわかりますが,田舎に住んでいれば深夜の交通手段は車しかありません.田舎というのは別に「ど田舎」という意味ではなく,交通網が発達していて夜遅くまで飲んでいても電車で家に帰れる東京などのごく一部の大都会以外,つまり,日本の大部分は田舎です.実際,この飲酒運転騒動?の発端となった事故は140万都市の福岡で起こったものです.福岡に地下鉄はありますが,その沿線は福岡市のごくごく一部に過ぎません.バスは10時を過ぎればほとんど走っていません.それはつくばも同じです.たまに飲むくらいなら飲む日は代行やタクシーを使えば済むことですが,世の中には毎日のように飲まないとストレスを発散できない人も多いようです.そういう現状を鑑みるとこれまで飲酒運転が日常茶飯事的に行われていたのは想像に難くありません.

 もちろん飲酒運転は犯罪であり,絶対にやってはいけないことですが,法を厳格に運用できないのであれば,上で述べた実情の方を変える必要があります.自転車置き場がないのに駅前に自転車を置くのはやめましょうと言っても効果がないのと同じです.飲酒運転報道や飲酒運転取締強化週間のような一時的なものでは,そのうち忘れ去られてしまいます.

 上で飲酒運転で捕まることを一種のリスクのように考えている人がいると書きましたが,多くの場合見つかって慌てふためいていることから,全く「覚悟」ができていないことがわかります.犯罪を犯して捕まる覚悟もくそもないですが,要は決定的に想像力が欠如しているのだと思います.「飲んだら乗るな」と言われて理性のかけらが残っていれば,飲酒運転して捕まることをちゃんと想像できれば,いや,そんなことより,飲酒して運転能力が低下して人の命を奪ってしまう,という最悪の事態を想像できれば怖くて飲酒運転などできないのが当たり前です.

 人の命は一旦失われると(今のところ)絶対にリカバー不能ですから,人命損失に繋がる可能性のあることは極力避けねばなりません.車は凶器です.しらふのときですらそうです.飲酒運転も含めて無謀な運転をする人は,自分が人を殺すかもしれない,ということを想像できない人です.そういう人に限ってそういうことになってしまったとき我を忘れてパニックになります.だってそういう事態を全く想像できていなかったのですから.

 想像力がない人は絶対に幸せになれません.なぜなら,幸福論で書いたように,幸せとは如何に不幸な状態が想像できるかにかかっているからです.毎日普通にご飯が食べられるのを幸せだと感じられない人は,そうでない状況が想像できない人です.毎日普通にご飯が食べられることは全然「普通」のことではありません.想像力がない人は,他人の気持ちや痛みもわからないでしょう.なぜなら,他人の気持ちや痛みは想像するしかないからです.要は自分のことしか考えてない人です.そういう人は,結局は幸せになれません.もっと具体的なことでも,例えば,何か目標のようなものがあってそれがあなたの幸せに繋がるものだとして,今どれだけ頑張れるかは,目標を達成したときの幸福な状態,達成できなかったときの不幸な状態をどれだけ想像できるかが大きな鍵を握っています.既存不適格建物に平気で?住んでいる人も自分が被害に遭うことを想像できない人です.

 想像力に欠ける人が多くなってきたのは,想像しないで済む世の中になってきてしまったことも一因としてあると思います.映像などはそのものをリアルに見せてくれますが,それがもう当たり前になってしまって,映像のリアルさでは実情を却って想像できなくなっています.実際テレビを通していろんな悲惨な状況を見てもどこか別世界のことのような感じがしてしまいます.しかし現場に行けば全く違います.それは地震被害調査に行く度に痛感します.やはり現場第一主義ですね.それにこれだけ情報が溢れ,日常生活に忙殺されていたら想像する暇もないでしょう.しかしそういう状況の中で想像力をつけるには,やはり一生懸命想像するしかないと思います.

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9/26'06

 今日は久しぶりに私の出身研究室があるT大工学部11号館に行ってきました.11号館はずっと耐震補強工事をしていて,「新装開店」してから行ったのは初めてでした.建物や部屋の中はそんなに変わってなかったのですが,一番驚いたのは,1階にスタバが開店!していたことです↓.


 小谷先生の退官記念出版の打ち合わせだったのですが,出がけにちょっとトラブルがあって少し遅れていったら,会場はもう浅瀬川(ちゃんこ料理屋)に移動していて(^^;,そしたらたまたま日本に立ち寄っていたLさんも来ていて懐かしかったです(早速CANNYの最新版をいただきました(^^;).H川先生,T才先生(Y国大),S原先生(T大),私とフルメンバー?が揃ったのも久しぶりでした.

 T才先生に「境君老けたねー」と正直に(^^;言っていただきました.そうなんですよ.自分でもわかっているのですが,つくばに来て体調も悪くてしんどいし,歳を感じるようになったとは何度もこのコーナーに書いている通りです.それでなんでしんどいのか,という話で,大学の先生って若い学生を相手にしているので若いとかよく言われるんですけど,逆に言うと自分より年下の人間を相手にしていて,そうすると結構しんどいというか,甘えられないというか,プレッシャーもあるんですよね.いつもそんな感じだとしんどいんじゃないか,たまにはこういう会で周りは先輩ばっかり(実際,今日の5人のメンツの中では私が一番ぺーぺー)という中で愚痴をこぼすようにと言っていただきました.とてもありがたく嬉しかったです.

 帰りがけにH川先生といろんな話をしながら帰ったのですが(彼も今はTX沿線に住んでいる),H川先生はもう世間だと定年という年齢なのですが,今でもばりばり現役で働いておられて,まだまだ頑張ると言っておられてとても元気づけられました.私の職業は定年があってつまらない,モチベーションが下がると書いたのですが,社会が必要としているのであれば,社会がほっとかないと思いますし,自分もそういう人間になれれば,定年なんか関係ないわけです.

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 パリーグですが日ハムが勝ってライオンズが(松坂で)負けて状況が一変しましたね.1日立てば天国から地獄という感じです.まさにもうプレーオフ状態ですね.ホークスはエースの斉藤でしたし頑張って欲しかったのですが,さすがにもうきびしかったようですね.明日日ハムが勝てばその時点で1位が決まります.今年から1位には1勝のアドバンテージが付くので1位通過はかなり優位です.やはり今年は日ハムの年ですかね.

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9/27'06

 あーあ,結局日ハムが1位通過になっちゃいましたね.ホークスにもっと頑張って欲しかったんですけど(もちろんライオンズのために(^^;).まあ今年は日ハムの年なんですかねー.でも1位通過でもまだ優勝じゃないってのが...それにしても5戦勝負で1勝のアドバンテージはかなりでかいです.日ハムは4戦中2勝すればいいわけです.ライオンズは優勝するには,まずホークスに勝って,日ハムに対して4戦中3勝が必要です.でもこうやって書いてみると不可能ではない気もしてきました(^^).「4戦中2勝すればいい」とかいう条件だと意外と達成できなかったりするんですよね.ていうかそういう条件でライオンズも結局1位通過できなかったわけです(^^;.

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9/29'06

 今日はE-ディフェンスで3階建て学校建物の振動実験でした.天皇皇后両陛下も来られるということで厳戒体制で,送迎バスで新神戸から三宮を通ってE-ディフェンスまで行ったのですが,途中三宮を通るときは,大きな被害を受けた建物が全て「新品」になっていて,さすがに11年前を思い出しました.バスはA, B, Cと3つに分かれていて,Aのバスに超偉い先生方がたくさん乗っておられて,ランク別(^^;?とか思ったのですが(S田によるとT北大のM田先生も同じことを言ってたそうです.ちなみにM田先生Cバス(^^;.),もちろんそんなわけはなく単に五十音順だったようです.でも,もちろん偶然でしょうが,実際に「Aバス」に乗っておられたA山先生,O田先生,K山先生など耐震工学の大先生方は五十音順で前の方の人が多いですね(とバスの中でT才先生と話していました).ちなみにE-ディフェンスに着いてK山先生に「ホームページ読んでるよ」と声をかけていただいてさすがに恐縮(^^;しました(って,ひょっとしてこの文章も読んでおられるのかも...(^^;).今日は来られてなかったと思いますが,U村先生,A山先生,O谷先生も「あ行」ですよね(^^;.ちなみに私はぎりぎりでBでした(^^;.

 実験は神戸海洋気象台の100%入力でしたが,神戸海洋気象台の破壊力自体も大したことありませんし,既に入力されたもので生じた柱の曲げひび割れ以外はほとんど損傷がなく,「エンターテインメント」としては今一(^^;でしたが,今回は基礎固定ではなく,地盤の中に建物を「埋めている」という実験で,相互作用の大きさを立証することになったと思います.実際に見ていても振動台はがんがん動いているにもかかわらず建物はほとんど揺れてませんでした.地盤には被害調査でよく見る大きなひび割れが入っていました.2004年新潟県中越地震の小千谷小学校の最大余震で学校の1階の入力がK-NETの半分以下という衝撃的な観測結果があるのですが,そういうことを確認できたことにもなりますね.あー,でもこういう地盤の中に建物を「埋めて」の振動実験を超縮小モデルを使ってやりたいと思っていたのですが,K谷澤先生に先にやられちゃいましたねー(^^;.

 三宮に戻ってきて,11年前を振り返りながらぶらぶらしようと思っていたのですが,T才先生とK澤先生(S工大)に捕まって?飲んでました(^^;.T才先生,K澤先生とは1993年釧路沖地震の被害調査にいっしょに行ったので(C葉大のK崎先生が加わればフルメンバー)なんかとても懐かしかったです.思い返せば,いわゆる「極短周期地震動」はあの時が始まりでした(実際には1962年広尾沖地震で金井先生によって問題点は指摘されていましたが,原因不明ということになっていました).当時私はT大地震研に助手として赴任したばかりのぺーぺーで,雪の中,T才先生に引きずり回されて(^^;?被害調査はとにかく辛くしんどいの一言だったのですが,最終日に釧路地方気象台で900Gal.の強震記録が取れたとの情報を得て気象台に押しかけて「生き返った」のを憶えています.

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