12/1'05

 月が変わったのでファイルも変えました.全日本総合ですが,脇田,柴村ともに残念でした.やっぱ米倉は一筋縄では行かないか...まあ試合を見たわけではないので何とも言えないですが.村松は何とか勝ち上がったようなのでもう1回勝てば8です.その次だって...脇田・村松のダブルもファイナルで負けてしまったようなので,残るは村松のシングルですね.

 帰ってきてビデオをチェックしたら全日本社会人の男子シングル3回戦で文京の内村さんと吉野君の試合が入っていました.内村さんは負けてしまったようですが,吉野君はしっかり勝っていました.まだちゃんと見てないのですが(明日,新潟県中越地震の黄表紙を送らないといけないので),吉野君のプレーは力強さが大分加わって昔私と練習していた頃より格段に強くなってる気がしました.明日,黄表紙出したらちゃんと見ようと思います.

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12/2'05

 全日本総合ですが,村松は期待通りもう1回勝ってベスト8入りしてくれたようです.大したもんだー.全日本総合なんで正真正銘日本でベスト8です.でももっと上を目指せると思うのでこれからももっと上を目指して頑張って欲しいと思います.結局ベスト4は,廣瀬,米倉,平山,森の4人が順当?に残ったことになりますね.脇田がこの中に入っても全然不思議はないと思うのですが,やはりシードされないと勝ち上がるのは大変なのでそこんとこの最初の「壁」を乗り越えてくれたらと思います.

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 新潟県中越地震の黄表紙が終わりません(T_T).だいたいできたなと思って練習に行って,帰ってきていろいろ見出したらびみょーにフォーマットがずれていたり(なんでだろ?),いろいろ気になってきました.もちろん体裁とか間違いとか査読者が指摘している参考意見以外に関係ないところは修正できませんけど.でも査読はもう通っているので,いくら一生懸命参考意見に応えても別に査読者に返送されるわけではないし(ていうかもう版下原稿を送るだけなんですけど),別に必要ないんですけどやっぱり気になっちゃうんですよねー.でも査読者の指摘が間違っている場合は,正直,そうじゃなくてこうなんだよ,と返答したい気分です(採用だと参考意見は「言いっぱなし」になる=だから別に応えなくてもよい(^^;).

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 黄表紙を一応完成させて,夜中(未明?)の2時頃帰ってきてビデオをチェックしたら,全日本社会人の男子シングルがいっぱい(^^;入っていました.こりゃーほんと「宝庫」ですね.どんな試合が入っているか早送りしていたら早坂が日本ランク1位の佐藤翔治から1ゲーム取った試合が入っていました.佐藤翔治が何年ぶりかに国内で負けた試合も.3回戦くらいからいろんな試合が入ってるんですけど,この位のレベルになるとスピードが全然違いますねー.やはり早坂は全国レベルのプレーヤーということです.でも確かに佐藤翔治は少し動きが鈍い感じはしました.早送りして最後の方だけ(^^;見たらファイナルの10点過ぎた当たりで早坂がミスを連発して負けてしまったのですが,そこはやはり力の差を感じてしまいました.でもほんとこういうレベルの試合がいくらでも見られるのはとてもいいのですが,忙しすぎて見る時間がありません(T_T).

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12/3'05

 何とか黄表紙を送って,今日はほんとに久しぶりにちょっと一息ついています.来週からは週末も準指の養成講習やクラブ内の講習などで埋まってますし,12月,1月は週2回2時限ずつ構造力学の講義があり,なおかつ,丸々2日建研の国際地震工学センターの講義もあって,なおかつ,運悪く(^^;空いてるところに学内の会議などがすぽっと入ってきたりして,かなりいっぱいいっぱいです(T_T).あー,こんな感じでもつんかなー.ていうか書かなきゃいけない論文がほんと全然書けない(T_T).1-2秒応答の総まとめを海外のジャーナルに書かないといけないし,震度算定法の最終版もありますし,MM震度階まで拡張したものや簡易振動実験も海外のジャーナルに出したいですし,小谷先生還暦記念出版の原稿読んでいたら,青山先生を囲んでの対談のところで2003年十勝沖地震で被害が少なかったことを説明できなくて地震動関係者が困ってる,と書いてあって(ちゃんと説明できるのに...私は地震動関係者じゃないけど(^^;),そのちゃんとした報告も書かないといけないし.やっぱ年末年始にかけるしかないですかねー.準指も受けず,バドミントンの練習もせず,ピアノも弾かず,***ず,こんな文章も書かずにやりゃーいいじゃん,と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,そんなことになれば間違いなく(私の場合は)精神的にもたないと思います(肉体的には結構大丈夫なので(^^;).この辺のことについてここに書きました.

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何をやるかのプライオリティ

 このコーナーのあちこちで,忙しすぎて自分の研究や書くべき論文が書けない(T_T)と愚痴をこぼしていますが,どーも自分でも奇異な感じがしてきました.本来的なプライオリティから行けば,本来やるべき自分の研究は何を差し置いてもやるべきことなのにそれ以外のことがなぜか優先されているような気がするからです(中には仕方なくそうなってしまってるケースの非常に多いですが).ということで,(私にとっての)何をやるかのプライオリティ(優先順位)について少し整理してみようと思います.

 まず最優先すべきことは「生きていくこと」です.もちろん「生きるべきか死ぬべきか,それが問題」なわけですから,「死ぬ」という選択肢は常に存在するわけで,私もそういう選択を考えたことは今まで何度もありました.しかし,今はこれもあちこちで書いているように「自ら死ぬ」という選択は絶対にすべきではない,と思っています.これもいつかちゃんと書きたいと思っていますが,理由は,「折角」もらった命が「勿体ない」ですし,自分が生きているというよりは,「生かされている」,つまり,自分だけの命ではないですし,死ねば絶対にリカバリーができないなど様々です.

 生きていくためには食べていかないといけないので,優先順位1位は仕事になります.私の場合は大学の教員ですので,研究,教育,様々な業務(雑用(^^;?)となります.このうち教育,様々な業務(雑用(^^;?)は時間や量が決まっていて絶対にさぼれません.私の仕事は工学で,目的は「地震災害を減らすこと」ですから,社会との繋がりもとても大事ですし,様々な業務(雑用(^^;?)の中には学外の委員会や講演なども含まれます(こういう仕事を一切しない人も中にはいますが).まあでも学外の仕事はいざとなったら断ることもできますが,一旦引き受けた以上は責任をもってやり通すことは最優先すべきことです.

 ここで問題となるのが研究です.これは時間はおろか量(質?)すら明確に決まっていません.筑波大レベルの大学の教員にはさすがにいませんが,他大学では研究をほとんどしないで講義や最低限の業務のみしかやらない大学の教員もいるようです.でもいくら何でもそれではひどい話で,一応「給料泥棒」と言われない最低限の研究はすべきでしょう.私の場合はどうでしょうか?筑波大に来て2年半になりますが,その間に一応形になった研究を見るとまあ「給料泥棒」と言われることはないでしょう(もちろんそんなレベルを目指して研究しているわけでないのは言うまでもありません).ということで,優先順位1位の「生きていくための食べていくための仕事」は一応ちゃんとしていることになります.

 しかしながら人間ただ生きて行くだけではつまらないですし,そんなんじゃ生きていても意味ないですから,「人生を楽しむ」ことが必要になります.私にとっては(というより哲学的には)「人生はつまらない」のがデフォルトなので,ただ生きて行くだけでは「つまらない人生」になってしまいます.もちろん楽しさは仕事にも見いだせますし,地震災害を減らすために少しでも社会に貢献したいと思って仕事を頑張れることも「楽しむ」ということに含まれますが,「私にとって」仕事だけの人生はつまらないので,仕事以外にいろんなことやっているわけです.「仕事以外にやっていること」の中の人生や世の中などいろんなことについて考えることに書いているように,家族や友人を含めていろんな人といっしょの時間を過ごすこともこれに含まれます.ですからこれらの「人生を楽しむ」ことが優先順位の2位になります.現段階では,ここまででいっぱいいっぱいになっているので,自分の研究ができない,書くべき論文が書けない(T_T)とぼやいているわけです.

 そこで,この優先順位が3位になっている「自分の研究」「書くべき論文」というのをちゃんと考え直してみます.もちろん優先順位が1位の仕事という範疇での研究はしてますし,論文も書いているのは上で書いたとおりです.私がやっていることは工学なのでやった研究はどんな形でも,たとえそれが講演でも報告書でもホームページであっても全く公表していない,というものはほとんどありません.ではその差異はなんでしょうか?結局は,自分が研究したことを「ちゃんとした形」で論文,例えば,黄表紙のような審査付論文や海外のジャーナルに出す,ということなんですね.まあこれをやらないとどんなにいい研究をしていても「研究業績」としては,認められないわけですし,そういう意味では私が30代にした仕事はほとんどそういう「ちゃんとした形」にしていないので,正直苦い経験もしたわけです.ですからちゃんとした形にしておかなくては,という思い,というかトラウマ?のようなものがあるのかもしれません.

 ですがやはり,そういう「業績を作る」みたいなことはやはり私の中では優先順位は3番目ということになります.もちろん優先順位1位の仕事の中で自然と業績ができてくれば理想ですが,なかなかきびしいのが実情です.実はこういう話は妻に相談したことがあって,妻は「どんな形でもちゃんと成果を発表してるのなら別に研究業績という形にしなくてもいいんじゃない?」と言ってくれました.先日,地震工学会大会で京都に行って,今京大にいる同期の宮田と話したときもこういう話題が出て,彼も「面白いのは実験したり解析したりして研究しているときで,論文を書くのは「作業」だからねー」と言っていました.まあ私は文章を書くのは好きですし,最終的にちゃんとした論文を書くのは,一種の「作品」ができるような快感があるので,そんなに嫌いではないのですが,如何せんプライオリティの1番2番まででいっぱいいっぱいでなかなか3番目まで手が回らないというのが実情です.

 でもプライオリティが低いのですから仕方がありません(と開き直る(^^;).もし3番までしっかりやりたかったら,まずは,てきぱき仕事(1番)を片づけて,しっかり人生を楽しむ(2番)ことだと思います.それが充分満足の行くレベルまでできれば,自ずと3番まで手が回るようになる(はず(^^;)と思います.

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 少し一息つけたら家の前がちょっとした紅葉スポット(^^;になっていること気がつきました(^^).先日,激混みの「秋の京都」にいたのですが,よく考えたら紅葉スポットなんてそこかしこにありそうですね.


玄関を開けてすぐの情景(^^;↓


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 プーナの練習に行ったのですが,たった5人でした(^^;.このクラブ大丈夫なのかな?でもおかげでN嶋君とシングルができました(^^).N嶋君は先日の全日本シニアでシングル,ダブルともしっかり1回勝ってて最近調子は悪くないようです.そして2-0で勝ちました(^^)v.つくばに行って,つくばエクスプレスができてまたプーナの練習に行くようになってから初勝利です(^^).確かにここんとこ調子は悪くないです.でもなんでだろ?ここんとこめちゃめちゃ忙しくてそんなに練習できてないし.ただ衝動的に国内1種大会を見られるようにしたので筑波大の学生達の試合やトッププレーヤーの試合をちょこちょこ見てて,いくつか思いついたことを意識してプレーしてるのと,先日の準指の養成講習のエアロビクスのときやってバドミントンの参考になるストレッチをしてるくらいなんですけど.でも確かに脇田のプレーを見て思いついたことをやってるのですが,それをしっかり意識してできたときはラリーを取ることが多いような気がします.でも意識しないとできないのではまだまだですね.それが無意識まで行かないと(2万回(^^;).行き帰りの電車の中でこの文章と今日上の方でこの文章を書いたときに感じた違和感についてここ書きました.少しすっきりしました.

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12/4'05

 全日本総合ですが,仲尾・坂本(この間,坂本君が筑波大バドミントン部の飲み会にぶらっと顔を出した(^^;)が遂に舛田・大束を破って優勝したようですね.あ,女子シングル決勝も廣瀬は米倉に負けたんですねー.佐藤翔治は総合はしっかり優勝しましたね.今日15時から放送があるのですが,小椋・潮田(ジャンクスポーツにも出ている超人気アイドル?)が出る女子ダブルをやるんでしょう.まあ私にとって女子ダブルは(競技としては)最も興味がない(^^;種目なんですけど...衝動的に国内1種大会を見られるようにしてよかったです(さすがに全日本総合の各種目の決勝はやるでしょう).まあ確かに潮田はかわいいと思いますけど.小椋もシングルを獲った頃はかわいいと思っていましたが,最近は何か顔つきが変わってしまったような....

 全日本総合のテレビ中継ですが,仕事しながらちらちら見てしまいました(^^;.小椋・潮田人気に便乗した?ような形でのこれに合わせた生中継だったと思いますが,そういうプレッシャー?の中でしっかり勝つのはさすがですね.ファイナルになり,放送枠の1時間半を越えてしまって放送時間が延長されたのにはちょっと驚きましたけど(バドミントンも少しはメジャーになってきた?).でもそのおかげで女子ダブルス決勝以外の放送は一切ありませんでした.もし,この試合が早く終わればおそらく男子シングルの決勝が録画で放送されたでしょうから,私個人としてはとても悔しい思いをするところでしたが,衝動的に国内1種大会を見られるようにしたので(多分)大丈夫です(^^)v.

 中継が女子ダブルスしかなかったので(というわけではないですが(^^;),ちょうど今日,全日本社会人の女子シングル決勝をやっていたのでちょろっと見ました.実はランキング1位の廣瀬のプレーは見たことがなかったので見てみたいとずっと思っていてやっと見られました(^^).でも廣瀬って実績(日本人で世界ランク最高の8位)の割にほとんど露出がないのでそういう人は結構いるんじゃないでしょうか?さてその廣瀬のプレーですが,思ったよりオーソドックスでちょっと意外?でした(^^;.でもラウンドもすごいですが,フォア奥強いですねー.やっぱシングルはフォア奥ですね.一瞬あの態勢からはストレートしか打てないように見えるところからおそらく回内と内旋だけでクロスに鋭いショットがばんばん来ます.特にフォア奥から右肩を残したままでのクロスのドロップ(カット)は全く読めません.でもあれだったら脇田の方がセンスを感じますねー(贔屓目でしょうかね(^^;?).

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 静岡に行ったとき気がついた行き先によって東京都区内か山手線内かですが,行き先が東京駅から100〜200kmだと山手線内,201km以上だと東京都区内となるようです.静岡は180.2kmなので山手線内となったわけです.そこで私がよく出かけるところをちょっと調べてみました.おそらくここしばらく最も利用回数が多い?と思われる越後湯沢(^^;を調べてみると199.2kmで,げっ!と思いましたが,ガーラ湯沢だと201kmとなり,ほっ(^^;としました(実にびみょーですねー).

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 さっき,ファミーユ(私が所属している?室内楽のサークル)の12月の例会の案内が来たのですが(いつもありがとうございますm(_ _)m),準指のクラブ内講習と重なってしまってまた行けません(T_T).つくばエクスプレスが開通してから行こう行こうと一応曲の準備もしているのですが(トゥリーナのセビリアとカプースチンのエチュード),如何せん月一ではなかなか予定が合いません.次の1月は東京文化ですし何としても行こうと思います.でもファミーユに行かないと妻に会えないっていうのが...

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12/5'05

 試験の採点をして(これがいつも結構大変(T_T)),今日は特に書くことないかなーとか思っていたのですが,明日〆切のJCI(コンクリート工学年次論文報告集)に,今年防災科技研でやった振動実験でエントリーしようと学生の小杉君と相談していたら,思わぬ障害にぶつかりました.筆者が4人以内ということです.小杉君,梶原君は実験担当者ですし,振動台を全面的に面倒見てくれた松森さん,HPFRCCを全面的に受け持ってくれた建研の諏訪田さんは絶対にはずせません.福山さんは事情を話せばわかってくれる(高校時代からの友人なので(^^;)気もしますが,心情的にはもちろんはずせません.松森さん,福山さんには研究費も負担してもらっています.私を入れるとこれで6人です.4人選ぶのは無理です.ということでやめてしまいました.もし無理矢理4人選んで人間関係がおかしくなるくらいなら出さない方が100倍ましです.

 そう言えば,この簡易振動実験の1年目(3年前)も同じ理由でJCIに出すのをやめたのを思い出しました.当時は,東大生産研の中埜先生,真田さん(現,地震研),徳井さん,山内さんといっしょにやっていたので,建研の福山さん,諏訪田さんを入れると4人ではとても収まりませんでした.筆者を4人以内というのは,何か理由があるのかもしれませんが,4人以内でできない研究もあるので(この簡易振動実験手法の開発なんかはまさにそう),なんとかならないものかと思います.私はこの「簡易振動実験手法の開発」で辛うじて?RCに片足の指2,3本くらい(^^;?残してるようなものなので,このテーマでコンクリート工学年次論文報告集に出せないとするとコンクリート工学協会の会員になってる意味もほとんどないかもしれませんねー.

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12/6'05

 私の研究室で公開してるデモンストレーション番組で取り上げたいという申し出があったのですが,このデモンストレーションの意味を理解しておられなくて,取り上げられ方にとても疑問をもったので今回は断りました.こういう番組は,視聴者にとても大きな影響を与えるので番組関係者も,もっとちゃんと勉強して欲しいですし,ちゃんとした専門家に監修してもらう必要もあると思います.番組の企画書も見たのですが,今話題?の長周期地震動を取り上げて,1995年兵庫県南部地震の高速道路が本震の後の長周期地震動で倒れていた!?などという事実と明らかに異なることが書かれていて唖然としました.こういう番組は,地震は怖いということをしっかり認識してもらうという意味でとても意義があるものでどんどんやって欲しいし,番組を企画された方には敬意を表しますが,それだけに内容は最新の研究成果に基づいたちゃんとしたものでないといけないのは言うまでもありません.

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 今日練習が終わった後,柴村に全日本総合でランキング1位の廣瀬とやってどうだった?ってきいたら,早く終わりすぎですって言ってました(^^;.でも3-3からシャトルがどうとかなんかごにょごにょ言ってましたねー.なんかあったのかな?でもまだ1年だし,筑波大バドミントン部にいて阿部先生,利百子さん,吹田先生の言われることをきいて,なおかつ,自分の頭でもよく考えて練習していけば絶対もっと強くなれると思うので頑張って欲しいです.

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12/7'05

 「忙しさ」って何ですかね?よくテレビで「○○氏の多忙な1日を密着取材!」とかいって,政治家や芸能人などの1日を「分刻みの超多忙スケジュール」などと表現していますが,そんなのって「忙しい」って言えるのでしょうか?ただ誰か他の人が作ったスケジュールに従って動いてるだけじゃん,とか思っちゃいます(^^;.

 例によって?広辞苑をひくと

いそがし・い【忙しい】
形 いそが・し(シク)
(動詞イソグから)
@急がずにはいられない。落ち着かない。源宿木「例の心の癖なれば、―・しくもおぼえず」
Aひまがない。用が多い。多忙である。源澪標「おほやけ私の―・しき紛れに」。「お―・い中を恐縮です」

となっていて,まあこの場合はAなんでしょうけど,これじゃあなんか説明になってませんね(^^;.まあ「ひまがない」の「ひま」は,

ひま【隙・暇・閑】
@物と物との間の透いたところ。すきま。すき。源帚木「見ゆやと思せど―しなければ、しばし聞き給ふに」
A継続する時間や状態のとぎれた間。源桐壺「―なき御前渡り」。「車の流れの―を縫う」
B仲のわるいこと。不和。源澪標「―ある御仲にて」
C仕事のない間。てすき。閑暇。「―をもて余す」「―をつぶす」
D都合のよい時機。機会。源紅葉賀「例の―もやとうかがひありき給ふ」
E所要時間。「―がかかる」
F雇用・主従・夫婦などの関係を絶つこと。いとま。「―をもらう」

のCでしょうから,とにかく仕事をしてる時間が多ければ「忙しい」ということになるんですかね?

 私の中ではほんとに忙しくてしんどいのは,あるとき(〆切や納期)までに,ある一定レベル以上の「質」の仕事を終えなくてはいけなくて,ということはただ「やればいい」のではなく,できるかできないか,どのくらいのレベルまでならできるのかなども勘案しつつ,それに向けていろんなことを計画,段取りし,八方手を尽くして準備していかねばならず,なおかつ,そういうのがいくつも重なって大変なマネージメントを要する状態(いっぱいいいっぱい(^^;)で,そういうのが「超多忙」の私のイメージです.ていうかほんと最近そんな感じなんですけど...(T_T).ほんとその辺の管理を間違えると破綻しそうでまさに自転車操業状態ですねー(まあ確かに自分で自分の首を絞めているようなところもありますが(^^;).でも逆に言えば,その辺をうまくやれば自分の時間(ひま(^^;?)が増えるのも事実なので(だから今の職業を選んだというのもありますし),そういう状態になることを「夢見て」頑張るしかないですね.

 なお,こんな文章書いてるひまがあったらさっさと仕事しろ,という方はこちらをご覧ください(^^;.要は,いっぱいいっぱいになってしんどくなればなるほど,ここにこういうことを書いて,しんどいのを多少でも「発散」「解消」するということなのです.読まされる方はいい迷惑でしょうが(^^;,まあメールじゃなくてホームページなので,読まれるかどうかお構いなく勝手に書いてるということで...(^^;.

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12/8'05

 昨日の「忙しさ」というか「大変さ」の続きなんですけど,こういうときってどうやって頑張れるんですかね.やる気3要素的には,それそのものが面白いとか,誰かといっしょに頑張るとか,これが何か社会や人の役に立つとか,これをやると何か報酬があるとかになりますけど,私の場合,いっぱいいっぱいになるときにいつも心のより所というか,思い浮かべるのは,こういう風にいっぱいいっぱいになって「頑張ってるのは自分だけじゃない」ということですかね.これは幸福論的には,「自分と同じくらい不幸な人がいると安心する」というのと近い気もしますが,まあ「不幸」というのとは大分違うでしょう.少なくともやる気3要素的には人との繋がりになりますね.

 もちろん誰かといっしょに仕事をしていればそれだけで頑張れるでしょうが,夜遅くまで研究室に残って1人で仕事をしていても,例えば,周りの部屋の電気がまだ点いていたり,学生も残って頑張ってくれていたりすれば,それだけで大いに元気づけられます.もっと極端?な話,メッセンジャーを立ち上げていて,オンラインになってる人がいるだけで,なんかいっしょに仕事しているような錯覚?で頑張ることもできます.

 私がいっぱいいっぱいになったとき,「頑張ってるのは自分だけじゃない」と具体的によく思い浮かべる事例がいくつかあって,例えば,もう大分前ですけどT大S研のN先生と飲んだとき,そういう話になって,彼は明日講演会かなにかでしゃべらないといけない資料やOHP(大分昔の話なので(^^;)が前日(当日)の夜中1時になってもまだ全く準備ができておらず,どうしようとか,どこからどう取りかかろうかとか思いあぐねて,気持ちを落ち着かせるみたいな感じでテレビ(多分,パペポTVかなんか(^^;.鶴瓶と上岡龍太郎がやってたやつ.わかります?)を見ていたら,奥さんに「そんなテレビなんか見てなくてさっさとやればいいのに」と心ない(^^;?ことを言われて凹んだみたいなことを話してくれて,そっかー,自分だけじゃないんだと,とても嬉しくほっとしたのをよく思い出します.

 そういう話は,普段いっしょに研究している人などと飲んで話をするといくつも出てくるので,頑張ってるのは自分だけじゃないんだと思うことができます.研究者仲間に限らず,例えば「情熱大陸」のようなドキュメント系の番組でも第一線で頑張っている人がそういう「いっぱいいっぱい」になってる場面はよく出てくる(^^;ので,心の支えになります.そういう事例でよく思い浮かべるのは,「情熱大陸」ではなかったと思うのですが,漫画家の手塚治虫さんが原稿が〆切にどうしても間に合わず,でも海外の何かの賞の授賞式かなにかにどうしても出席しなければならず,空港の待合室のロビーで漫画の原稿を描いておられた情景が忘れられません.やはり,第一線の仕事というのはそれだけ大変なものだし,片手うちわで楽々できるもんじゃないということです.

 私がしんどいしんどい(^^;と,こういう文章を書いているのも,それ自体で発散しているというだけではなく,こういうことを恥をしのんで(^^;書くことによって,そっかー,自分だけじゃないんだな,私も頑張ろう,と思ってくれる人がいたらいいな,という思いがあります.

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12/11'05

 準指の養成講習で丸沼に行ってきました.この時期にしては雪は充分でいい講習になったと思います.でも,あーまた講習を受ける準指受検ライフ?が始まったか,という感じもします(^^;.でも,人生を楽しむために受けると決めたことなので,やるしかありませんね.講習は,はっきり言ってただ楽しいというものではないですが,自分の滑りの質の向上に確実に繋がりますし,どう動くとどう滑れるというまさにスキーの自己表現という本質に近づくことができます.でも寒かったー(T_T).滑ってるより話きいてる方が長いし(^^;.でもこれも幸不幸相対論的には,一旦自分からほんの少しなりがいのある不幸になる,ということをまさに実践していることにもなりますね.おかげで今は少しですが幸福感を感じています.でも疲れたし,これから明日の建研での国際地震工学センターの講義の準備です(T_T).しかし,これも無事乗り切ればまたささやかな幸福感が待っていることでしょう.でもこんないっぱいいっぱい自転車操業状態でいつまでもつのかがちょっと心配です.

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12/13'05

 なんか更新のペースが明らかに鈍ってきましたねー.忙しすぎる(T_T)というのもありますが,忙しすぎると考えないということもありますね.考えないことは幸せになるための1つの方法ですし,小さな不幸を次々と乗り越える(^^;ので幸不幸相対論的にも確かになんとなくですが幸福感はあります.まあこんな感じでやって行くとそれなり?の幸せな人生を送れるのかもしれませんが,それでいいとは思ってません.でも考える時間がない.だから考える時間が欲しいです.

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12/14'05

 今日は今週唯一の休息日?(内外の講義などがない日=したい仕事ができる日)なのですが,一息つくとやっぱいろいろ考えちゃうものです(^^;.

 「職業に貴賤なし」っていいますよね.世の中のあらゆる職業の中でどれ1つ欠けても社会は機能しないので,ほんとにそうだと思うのですが,それぞれの職業の中で第一線で頑張っている人もいれば,ただ生きていくためだけに働いている人もいるでしょう.第一線というとごく一部の有名人?という感じがしますが,どんな職業にも技能のようなものがあって,仕事ができる人とできない人の差は歴然です.

 例えば,私はよく第2学群の学生食堂にご飯を食べに行くのですが,そこのレジ係をしているおばさんの1人の「レジ技能」は素晴らしいです.ものすごい人がわっと並んでもあっという間にあなたはいくら,あなたはいくらと,全く慌ただしさがない落ち着いたしぐさで,かつ,ものすごいスピードで処理していきます.おそらく彼女の給料はその他のレジ係と同じだと思うのですが,こなしている仕事量は倍以上でしょう.そうなると,高い技能をもって多くの仕事をすると損なような気もしますが,そうではなく,彼女は(おそらく)レジの技能を「楽しんでいる」のでしょうし,その技能を日々磨いているのだと思います.ですから仕事をしていても(おそらく)楽しいでしょう.まさにやる気3要素でいう内的熟達ですね.

 今年祖母が亡くなったのですが,その祖母とずっといっしょに暮らしてくれた私の叔母さんがいて(なんか小さい頃よく遊びに連れていってもらって○○姉ちゃんと呼んでいたので叔母さんというのも違和感を感じますが(^^;),彼女は,福岡のS文館という大手書店の店頭でずっと働いていたのですが(もう引退した),漏れ聞くところによると,やはり本屋さんの店員の仕事もかなり奥が深いようで,本の並べ方1つで売り上げが全然違ってくるそうです.彼女は,その辺の技能にものすごく長けていて,売り上げが落ちている店があると,彼女が送り込まれてその店を立て直す,という感じだったそうです.そういう話を母親からきいて,自分の叔母さんがそういう人であることがとても嬉しく,かつ,誇りにすら思えたのは言うまでもありません.そして,彼女はある意味とてもいい人生を送ってきたのだと思いました.

 ですから,どんな職業にも奥深さというものが必ずあって,それを追求していくことが技能の向上に繋がり,なおかつ,やる気3要素的にも楽しく仕事ができるということですね.

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 今日は,今週唯一の休息日?(内外の講義などがない日=したい仕事ができる日)だったのですが,結局,様々な雑用に追われ,かつ,おとといの1日目の建研の国際地震工学センターの講義のときに,今年から?全ての受講生の机の上にノートパソコンが用意されていることがわかって,明後日の2日目の講義で実際にノートパソコンを使って一自由度系の弾塑性地震応答解析をやってもらったらとてもいい演習になるんじゃないかなと思いついて,その準備をしてしまって(してしまって,というのも変な言い方ですが),その後,専攻の若手教官の飲み会があって,それで終わってしまいました...しかも結局明後日の講義の準備まだ終わってないし...なんでこうなってしまうんでしょうかね?やはり,何をやるかのプライオリティー的にこっち(外部の仕事だが一旦引き受けたからにはできる限りいい仕事をしたいと思うこと)の方が優先順位が高いと思ってしまう,ということですかねー.

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12/15'05

 昨日(すぐ上)の続きです.構造力学の講義の3限と4限の間の休み時間にこの文章を書いています.何でしたい仕事をしないで,講義,それも外部の講義の新たな部分の準備をしてしまうのか,ですが,もちろん何をやるかのプライオリティー的に外部の仕事ですが一旦引き受けたからにはちゃんとやるということを優先している,ということもありますが,別に去年と同じ内容でもいいわけですし,それでも内容的には充分なわけです.でもこうすればもっといいんじゃないかな,と思いついてしまったらなぜかそちらが優先されてしまいます.例えば今回の場合は受講生にプログラムを使って非線形地震応答解析ができるようになってもらって,彼らが自分たちの国に帰って,それぞれの国でそれを使って研究を進めてくれて,その国の地震被害が少しでも減るのなら,それは自分がやりたい仕事をすることよりもひょっとしたら大切なことなんじゃないか,とも思えるということでしょうかね.

 でもそう書いておきながらそこまで論理的?に考えてそうしているのかというとちょっと違う気がします.そっちをなぜかやりたい,やらずにはおれないからやっている,という単純な気持ちの問題のような気がします.感覚的には私という個人のことより人類全体のこと(ちょっと大袈裟ですが(^^;)を考えて私という個人が行動するように遺伝子にプログラムされているような感じですかねー.んでもって自分で仕事を増やしてしまって自分の首を自分で絞めてしまうわけです(T_T).でもまあそれも150億年前から決まっていたのでしょうから,運命?には逆らわず,自分がやろう,あるいはやるべきと直観的に思うことを本能に任せてやっていく,ということですね(^^;.

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12/16'05

 今日も1日中建研で講義だったのですが,学生実験が来週レポート提出なので,昼休みに一旦大学に戻り,学生に読む人の立場になって読む人がわかるようにレポートを書くようにという(当たり前の)注意をした後,昼ご飯を食べにこれも私がよく行くパスタとカレーをメインにした学内のレストランに行ったら,まさに「相手の立場に立って行動する」かどうかという状況に遭遇しました.

 私が注文したのはカレーだったのですが,前に1人並んでいました.それで注文をして順番を待っていたら,店員さんが「カレーです」と言ってカレーを出しました.前に並んでいる人が何を注文したか私は知らないので(前の人もカレーを注文したかもしれないので),私はどうしたらいいかわからず,じっとしていたらまた「カレーです.」と店員さんは言います.それで私が「これいいんですか?」ときくと,店員さんは「はい.カレーです.」と言います.カレーであることなんか見ればわかります(^^;.結局,いいのかなー?と思いつつも私はそのカレーをもっていったのですが,まさに,相手の立場に立って行動していない典型例ですね.接客業なのですから,客の立場に立って行動するのは当たり前のことでしょう.その店員さんは自分はカレーを注文されてカレーを用意してカレーを出しただけのことですが,それだけでは相手は混乱してしまう,ということに全く気づいていません.ほんと些細なことですけど,これもまあ以て他山の石ということですね.

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 建研の講義も終わり,年内の学内の講義も来週の火曜で終わりで,専攻学類会議や専攻長選挙の選挙管理委員,センター試験の説明会などはまだありますが,年内の「お仕事」の峠はなんとか越えましたかね(^^;.今年は祖母が亡くなり,喪中の葉書はなんとかもう出したので年賀状もありません(いつもはこれが結構大変).ということで,ようやく何をやるかのプライオリティーの「自分のやりたい仕事」に取りかかれます.年末年始になんとかしたいのは,福井地震のキャリブレーションを考慮に入れた震度算定法の最終版と2003年(もう2年経っちゃったんですけど...)の3つの地震のフルバージョンの被害報告ですかね(もちろんフルバージョンでないものは既にいろんなところに書いています).タイミングよく?大学院生が書いていた新潟中越の報告2つもぼちぼちできてきました(ていうかこれももう2ヶ月くらい経つんだけど...).あ,今年の分も2つあったな(^^;.でも超タイトスケジュールが続いていたので(いつからそういう状態だったかもう記憶もありません(T_T))ちょっと一休みしたい気もしますが,気合い(^^;抜いたら多分だめになっちゃうでしょうねー.

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12/17'05
見かけの若さ

 ここにちょっと書いている,「歳を取る」,正確には,「見かけが歳を取る」ですが,やはり,「頭髪」と「顔の肌」(シミやしわ)に依存するところが大きいですね.

 まず「頭髪」ですが,これは男の場合,禿げていれば相当歳を取って見えます.実は,私の父は見事(^^;な禿で,私は小さい頃,自分は大人になったら必ず禿げると思っていて,「禿げる前に読む本」なんか買ってきて読んで研究してました(^^;.でもこれは結果的には全く杞憂でした.母方は全く禿げていないので遺伝子的にそっちで決まったのでしょうか.確かに父方と母方を見ると母方の遺伝子の方が多いような気は何となくします.

 ただ禿そのものが遺伝するかどうか,つまり,禿は優性遺伝で父方,母方のどちらかに禿の遺伝子?があれば禿げる(ちなみに女性は劣性遺伝で父方,母方の両方に禿の遺伝子?があれば禿げる)というのは,違うという説もあるようです.禿の遺伝子は存在せず(そりゃそうでしょう(^^;),頭の形が遺伝する(これなら遺伝しそう)という説が有力なようです.つまり,頭の形が「前から見て」丸いと頭皮が突っ張って血行が悪くなり禿げる確率が高いというものです.確かに禿げた人の頭を前から見ると丸い人が多い(ていうかほとんど例外なくそう)と思います.ですから自分の頭の触って丸かったら(前後にではなくて左右に,です)禿げる確率が高いかもしれません(^^;.逆に左右が角張っていたら大丈夫でしょう.私もそうです.頭皮が突っ張っているかどうかは,,ぐっと押してみてしわができるかどうかでわかります.

 ただ禿げないからと言って安心していると,白髪が生えてきます.でも白髪が多いと歳取って見えるかどうかはちょっと疑問です.私も産総研の吉見に白髪が増えて年取ったと指摘されたのですが,白髪って人によっては結構若い時期から生えますよね.私の妻は私より8つ下ですが白髪だらけ(と本人は言っている)ですし,高校くらいでもうかなり白髪が生えている奴もいました.私の研究室のK杉君も多分私より白髪は多いです.でも彼らは別に歳取って見えるわけではありませんし,充分歳相応かむしろ若く見えるとも言えます.

 次は「顔の肌」ですね.「見かけの若さ」を対象としているので,「顔」の肌です.これは私は全然自信がありません.顔以外の肌は,かなり自信があるのですが(20年前とほとんど変わらずぴちぴち(^^;?),顔の肌はだめですねー.というのは私はかなりスキーをするので,相当ダメージが蓄積されています.今は日焼け止め塗りまくりで完全防御していますが,若い頃(^^;は日焼け止めを全く使っていなかったので,春先なんかはほんと真っ黒(^^;で,ぼろぼろ皮が剥けていました.おそらくその影響でシミが結構ありますし,しわ(正確には肌のダメージによる重力落下?)もあるんではないでしょうか.まあそれでも同年代よりは若く見えると(勝手に自分では)思いますが.

 最近はそうでもないのですが,筑波大バドミントン部の練習に混ぜてもらうようになって1,2年くらいは一緒に打ったりトレーニングしたりしていたので,彼らの顔を至近距離(^^;で見るとその違いは歴然でしたね.ある時期,女の子の中にほんとモデル並に綺麗な子が1人いて(というか彼女以外の筑波大バドミントン部の女の子もどういうわけか?みんな結構かわいい),彼女が怪我から復帰してリハビリ的にトレーニングをしている時期があって,よくいっしょにトレーニングしたのですが,彼女の肌を間近で見るとほんと透き通るように綺麗で,こっちが恥ずかしくなるくらいで,彼女といっしょにトレーニングするのを避けていた(^^;くらいでした.

 考えてみるとバドミントンというスポーツは,いろんな点で社会人が仕事をしながら生活の一部として健康のためにではなく競技として続けていくスポーツとしてとても優れているのですが,室内競技なので雨が降ってもできるというだけではなく,日に焼けないというのもメリットの1つですね.

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 私は身長が178cmくらいあります.先週(先週なんですね(^^;.あまりに慌ただしい1週間だったのでもう随分前のことのようです),準指の養成講習で1班10人くらいなのですが(東京では1班20人!くらいいるので雲泥の差ですね),その中でも頭1つ飛び出て(^^;います.専門委員の先生にも背があって(上手く滑れば)とても見映えがする,と言っていただけました.でも実際にはスキー,それもいわゆる基礎スキーで身長が高いのは一般に不利と言われています.大きいと動きの粗が目立つからです.実際,全日本クラスのデモンストレーターはほとんどが170cm以下です.東京にいたときクラブが定宿としていた○み山荘をのM下透さん(元全日本デモ)もそうおっしゃっていました(彼も結構背が高い).

 普通は背が高いとスポーツには有利なことが多いので(スキーも基礎スキーではなく競技ならそう),珍しいケースですね.でもそういうケースは他にもいくつかあります.競馬のジョッキーやモータースポーツのドライバーはまあわかりますが,動きを魅せるものの多くはそうかもしれません.体操とかフィギュアスケートなんかもそうですね.テレビなんかで演技をしているの見ると,体の大きさに合わせてズームするので(^^;とても大きく見えるのですが,身長データなんかが出てくるとびっくりするくらい小さいです.まあ確かに物理学的にも小さい方が「慣性」が小さいので,身長という長さで規準化された動きであれば背が低い方が動きはきびきび見えると思います.

 そう考えると確かに準指や正指の養成講習はみんな1級以上なので,その中に背が高い人はあんまりいませんね.もうこの時点でかなりふるいにかけられている,ということでしょうか.私の178cmというのは平均よりは大分高いですが,そんなめちゃめちゃ大きいというほどではないです.でもこのレベルで私より大きい人はほとんどいません.ということでかなり不利な条件?でスキーをしていることになりますが,まあだからどういう言うことは特にありません(^^;.

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12/18'05

 クラブ内講習が先方のデモの都合で中止になってしまったため,日帰りでガーラに行ってきました.大寒波到来で大雪極寒との予報でしたが,行ってみるとまあ大したことはありませんでした(^^;.午後から晴れたくらいです.むしろ先週の方が寒かった.こういうことは実はよくあります.私がまだ学生の頃,当時下の階の研究室にいた現東工大の山田先生とよくいっしょにガーラに行きましたが,大雪警報でピーカンということもありました.天気予報は悪い方にはずれると苦情が殺到しますが,いい方にはずれてもあまり文句を言う人はいません.ですから「悪目」に発表しているのだと思います.

 ガーラは東京から新幹線で1時間20分くらいで,駅を降りたらそこがゴンドラ乗り場という超好アクセスのスキー場なのですが,つくばに来てからは東京に出るのに時間がかかるのでなかなか行く機会がありませんでした.でも今年ようやくつくばエクスプレスが開通してまた行けるようになりました.つくば→南流山→南浦和→大宮と行けば乗り換え回数は増えますが東京回りより早いです.東京から行っていたときより30分余計にかかるくらいです.

 ガーラ自体はそんなに大きくないですが,石打丸山と連絡しているので,だいたいそっちに行っちゃいます(^^;(今日はまだ連絡がオープンしていなくてガーラのみでしたが).シーズンロッカーをもっていてN大のN先生とシェアしているので,よく現地集合(^^;でいっしょに滑ります.今年から同じ専攻のM先生も仲間(^^;に加わりました.価格的にもリフト券がついて1万円くらいなので,交通費は実質往復5〜6000円くらいで,車で下道で岩鞍やハンターなどのつくばから比較的近いスキー場に行くのとさほど変わりません.何より,行き帰りの電車の中で仕事ができるのが大きいです(^^;(ていうか行き帰りの電車の中で仕事しなきゃいけないっていうのが...).

 今日は日曜でさすがに結構混んでいて,でもそれでもリフト待ちは5分くらいだったのですが,帰りのゴンドラはかなり並んでいたのでN先生とどうしようか,と言っていたら,東京の時に所属していたクラブのY野さんとばったり会いました.彼もよくガーラに来ているそうです.私はここ数年(^^;ウェアが変わっていないので(ていうかそんなにスキーに行っていないので),ウェアで私とすぐわかるらしく(スキー場でのアイデンティティはほとんどウェアですからね(^^;),いろんなスキー場でいろんな人に声をかけられます(^^;.それは嬉しいのですが,さすがにもう今年はウェアは変えようと思います.

 帰ってきてビデオをチェックしたらインターハイをやっているはずが,日中交流戦というのをやっていました.それで舛田・大束のダブルスと中国ペアの試合をちらっと見たのですが,やっぱこのレベルだとものすごいスピードと迫力ですねー.来年日本でやるトマス杯・ユーバー杯も放送するらしいのですが,その予告編?みたいのもやっていてインドネシアペアのダブルスなんかほんとすごくて同じ人間とは思えないです(^^;.でもほんと中国の選手相手だと佐藤翔治がぺんぺんに負けてしまうレベルなんですからやんなっちゃいます.なんか今日はちょっと思ったことというよりは単なる日記?になっちゃいましたね(^^;.

 そうそう.つくばエクスプレス情報(その10)(^^;です.つくば⇔南流山は800円なのですが,つくば⇔北千住の休日回数券は1枚あたり714円なので,当日切符を買うよりはこっちを使った方が安いことになります.実際,今日使ってみたらなんの問題もなく使えました.

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つくばエクスプレス(TX)情報のまとめ

 つくばエクスプレスも開通して3ヶ月が経過して,情報や裏技?もだいたい出尽くしたと思われますので,ここで一通りまとめておこうと思います.「ちょっと思ったこと」を少し整理したい,というのもあります.まず,余計なこと(^^;もいっぱい書いてありますが,一応該当部分へのリンクです.

その1: つくばエクスプレスに乗りました
その2: また(^^;つくばエクスプレスに乗りました
その3: つくばエクスプレス情報(その3)
その4: 単なる日記?(つくばエクスプレス情報(4))
その6: (10.24 TX情報(6))(その5は,その6に吸収)
その7: (11.03 TX情報(7))
その8: (11.05)
その9: (11.07)
その10: (12.18)

 ポイントはやはり3ヶ月間しか有効でない回数券の使い方です.回数券は3種類あります.

 普通11枚で10枚の値段
 時差12枚で10枚の値段
 土休日14枚で10枚の値段

 「普通」はいつでも使え,「時差」は,10:00〜16:00(入札時間),「土休日」は土曜,日曜,国民の祝日,休日,1月2〜3日,12月30〜31日で使えます.回数券なので乗車下車区間が固定されます.乗越精算は可能ですが,精算方法は「一旦下車」です.例えば,北千住から秋葉原までの差額は,1150-1000=150円ですが,「一旦下車」すれば何と280円もかかります(JRなら160円,地下鉄なら190円).

 回数券は,ブックランドカスミ近くのセブンの隣の金券ショップ「BIG FIELD」(無休,営業時間10:00〜19:30)でばら売りもしています.取り扱っているのは,つくば⇔秋葉原,つくば⇔北千住の2区間で価格は以下の通りです.()内は,左が正規運賃との差,右がお買い得度(回数券を正規に購入した場合の割引率がどの位キープされているかという割引率キープ率)です.

 つくば⇔秋葉原つくば⇔北千住
 正規運賃(参考) 1150 1000
 普通 1100(- 50, 48%)  950(- 50, 55%)
 時差 1000(-150, 78%)  880(-120, 72%)
 土休日  850(-300, 91%)  750(-250, 88%)

 お買い得度(割引率キープ率)は,だいたい,「普通」が50%,「時差」が70〜80%,「土休日」が90%で,「土休日」は利用価値があります.「時差」の70〜80%はそこそこという気もしますが,差額にするとわずかに秋葉が150円,北千住が120円です.

 つくばから東京へ行く場合の乗り継ぎ駅は,北千住(常磐線,地下鉄千代田線,地下鉄日比谷線,東武伊勢崎線)か秋葉原(山手線,総武線)が考えられます(都営大江戸線沿線なら新御徒町も可).乗り継ぎの便利さですが,北千住と新御徒町は比較的近い(特に北千住の常磐線はかなり近い)ですが,秋葉原は上下に相当移動します.

 以上の事実から総合的に判断すると,「普通」と「時差」の回数券は,ヘビーユーザーなら正規に購入すればいいですし,そうでなければ金券ショップのばら売りは,お買い得度が低いし,いちいち買いに行くのは面倒(^^;なので利用しない,「土休日」の回数券は,時々利用する人は,乗り継ぎ(下車)駅が北千住か秋葉でいい場合は,金券ショップのばら売りを利用する,よく利用して乗り継ぎ(下車)駅がいろいろの場合(私の場合はこれ)は,つくば⇔北千住の回数券を購入する,ただし,北千住⇔秋葉はTXは利用しない,というのが一応?の結論です.

 予め予定が決まっているものは1ヶ月くらいまとめて買っておくというやり方もあります.その際は,店員が間違える(^^;ので(全部で6種類ある),ちゃんと何が何枚,何が何枚と紙に書いていってそれを見ながら選んでもらうようにしましょう.買った後,自分で確認しようとしても自分も混乱するので確認できません(^^;(だから店員も間違えるわけですけど).

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12/19'05

 昨日ビデオでバドミントンの世界のトップ選手のプレーを久しぶりに見て,正直唖然...としたのですが,なんでですかね?自分でプレーしているのでそのすごさがわかるということでしょうか?それともバドミントンがものすごい身体能力の高さが要求される超ハードスポーツだからでしょうか?

 例えば,競技人口が圧倒的に多いサッカーや野球のトップ選手の上が「偏差値的」には遥かに上でしょう.私もサッカーは時々見ますが,スペインリーグ,イタリアセリエA,プレミアなどのトップ選手のプレーは見ていてほんとにすごいです.野球だって最近はテレビでしか見なくなりましたが,昔球場に足を運んでいたときは,そのスピードにびっくりしたほどです(一番びっくりしたのはライオンズにいた東尾の投げる球の速さですね.遅さじゃないですよ!).でもバドミントンのトッププレーヤーとサッカーや野球のトッププレーヤと比較してどっちが「度肝を抜かれるか」というとバドミントンです(私にとっては).

 理由は上で書いたように2つ考えられますが,私も小さい頃はよく野球をして遊んでいましたし,大学院時代の研究室,地震研に就職してからも(一応)ピッチャーでした(変化球投手でしたけどストレートも120kmくらいは出ていたと思う).サッカーも小さい頃はよくやりました.ですからどっちも全くプレーしないわけではありません.むしろレベル的にはバドミントンよりサッカーや野球の方が遥かに下手くそなので,すごさをより大きく認識してもよさそうなものです.

 とすると,やっぱバドミントンの特性としてのすごさもあるのかもしれません.実際,人間が生身で出すことのできる世界最高速と認定されたという記事が最近,朝日新聞に出ていました.でもハイアライって...?

国際バドミントン連盟(IBF)は3日、男女混合の国・地域別対抗戦スディルマン杯(5月・北京)で計測したスマッシュ速度を公表し、男子でダブルス選手の傅海峰(中国)の332キロが最速記録となった。 IBFによると、「ギネスブック」で球技の最速はスペインや中南米などで行われるハンドボールに似ている「ハイアライ」の302キロとなっており、“世界最速”を30キロも上回った。

 ということで,世界トップレベルのバドミントンプレーヤーのプレーを見てバドミントンをしない人がどう思うか,にちょっと興味があります.ビデオでも見られますが,やっぱ生だと全然迫力が違います.昔,大学の体育の授業で,運動会(体育会のこと)でバドミントンを始めて2年目の私がクリアを打っている横で打っていた奴が怖いと言って逃げ出したくらい(^^;ですから.世界トップレベルまでは(残念ながら)行きませんが,日本トップレベルのプレーヤーなら筑波大バドミントン部に何人かいます.あー,でも男子のそういうレベルのプレーヤーは今年で卒業してしまいますけど...

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 フィギュアスケートの浅田真央がグランプリファイナルで優勝したのになぜオリンピックに出られないのか,というのが話題になってますね.年齢制限ということですが,まさに,ここに書いたことが関係してますね.体の動きを魅せるスポーツは体が小さければ当然有利になります.成長しても体が小さければその有利さ?を大いに生かすべきでしょうが,まだ成長していないとなるとやはり問題はありそうです.実際,浅田は12歳のとき3回転ジャンプを3回連続して行うという離れ業をやっていますが,体が成長した今ではさすがにもう無理でしょう.もし年齢制限がなくなれば,勝つために体がまだ小さい子供を無理矢理競技に引っ張りこんだり,成長を抑制するなんていうドーピングまがいのことも行われるかもしれません.ということで,今回の件は,まあ仕方ないでしょうね.

 ただ,浅田真央はずっと以前から注目していますし,こういう状況で本人も次のバンクーバを目指すと言っていますし,いろんな意味でとても気になる存在になってきました.ここでオリンピックに出て金メダルとって目標を失う?より本人にとってはずっとよかったかもしれません.そもそもオリンピックで金メダルを獲るなんてことより大事なことはいっぱいありますから.

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12/20'05
自分で散髪

 私はもうかれこれ10年近くいわゆる散髪屋に行っていません.つまり自分で散髪しています.そうしようと思った理由はいろいろあるのですが,まず第一に散髪屋に行く時間が勿体ないし,めんどくさい(^^;ということです.じっと30分以上何もしないで座っているのも結構辛いです.仕事で夜遅くなるのですが,そんなに夜遅くまではやってません.土日だと混んでいるので待ち時間もばかになりません.自分で散髪するのであれば,散髪したくなったときいつでも,それこそ夜中でもOKです.時間も5分くらいであっという間に終わります

 次にまめに散髪したいということがあります.散髪屋に行くとすると大分髪が伸びてきて耐えられなくなってから(^^;行くという感じですが,そんなに耐えられないところまで我慢しないでも(^^;自分でやるのであればもっとまめに散髪できます.身だしなみ的にもある一定のレベル以上をキープできます.そして,当たり前ですが散髪代もかかりません(^^;

 ただ問題は,自分で散髪する技術をどうやって習得するかでしょう.しかし,はっきり言ってしまえば,大した技術は要りません(^^;.確かに散髪屋を営むのであれば,いろんな人の頭髪をいろんなヘアースタイルに散髪できなければならないので,とても高度な技術が必要となりますが,自分で散髪するのであれば,自分という1人の人間の頭髪を自分の好み?のヘアースタイルに,という唯一一通りの散髪ができればいいのですから.

 私のやり方は,お風呂に入るときに洗い場でふつーのバリカンで髪を摘んで刈るという至って単純なものです.摘み方によって長さをコントロールできます.沢山根元近くまで摘めば短く,毛先の方しか摘まなければ長くできます.この方法のメリットは鏡すら要らないということです.摘んだ指の感触でコントロールするので,目をつぶってもできます.当然,見えない頭の後ろの部分も見ずに散髪できます(さすがに時々不安になるのでたまに鏡でチェックしていますが(^^;).

 ただ,耳回りはびみょーなコントロールが必要となるので時々失敗します(^^;.頭のいわゆる「角」の部分の長さの切り換えも難しいですね.まあこれらも慎重にやれば失敗しないのですが,めんどくさくなってまあいいやって感じでやってしまうと失敗します(^^;.最近,バリカンを新調したので,びみょーに感触が変わってしまって今はそのキャリブレーション?をしているということもあります.ということで技術もまだまだ未熟ですし,より正確に早くかつ思い通りに散髪できるように技術向上を目指して行きます(^^;.これも内的熟達に繋がるもので,楽しんで退屈しのぎできるものの1つですね.

 ちなみに初期投資?はバリカンということになりますが,私のやり方は「摘んで刈る」なので,別に特別なアタッチメントがついたものは必要なく,5000円も出せば立派なものが買えます.ほんとは3000円くらいのものでいいのですが,お風呂で使うのでやはり水洗いできるものがいいですね.ちなみに以前のものは3000円くらいで10年近くも働いてくれたことになりますので,散髪代を1回3000円として年に8回(1.5ヶ月に1回)行ったとすると,3000円の初期投資?で3000x8x10=24万!も稼いでくれたことになります(実は今初めて計算してびっくりした(^^;).自分で散髪するようになったのは別にお金の節約が理由ではなく,上で書いたような理由なのですが,結果的に?節約できた額を見ると結構太いですね(^^;.

 実は自分で散髪することを思いついた?のは,アメリカに1年いたとき,そこの散髪屋の散髪の仕方を見てからでした.髪を櫛で持ち上げて,バリカンでザーッと刈るだけで10分くらい終わるものでしたが,出来映えは全く問題ありませんでした(ただし,家に帰ってシャワーを浴びる必要がありましたが(^^;).そんな感じでアメリカで過ごし,日本に帰ってきてから散髪屋に行くのがひどくおっくうでしかも余計なことをいっぱいしてくれることにあらためて気がついたものです.

 ただこの10年で私の髪はどんどん短くなってきました.実は私は長髪,それも半端な長髪ではなく,女性の長い髪(ワンレンやアップにできるくらいの長さ)にとても憧れていて(というか女性そのものに憧れている(^^;),何度も伸ばそうとチャレンジしては,中途半端に伸びたときに生え際が皮膚や耳に当たるのがどうしても我慢できず,そこでばっさりというのを繰り返しながら結果的に本来の希望?とは裏腹にどんどん短くなってきてしまいました.今では襟足や耳回りが少し伸びて耳や首筋に当たるともう散髪してしまいます.

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12/22'05
12/22'05
恵まれていない方がいい?(モチベーションのコントロール)

 あなたは恵まれている方がいいですか?恵まれていない方がいいですか?ときかれて「恵まれていない方がいい」と答える人はそんなにはいないでしょう(でもこの文章を読んでいただいている人は,世の中で当たり前とされていることに問題意識をもっている人が多いでしょうから(^^;,ひょっとしたら結構いるかもしれませんね).私だってそりゃー恵まれている方がいいです.でも今までのことをいろいろ思い返してみると,恵まれている方が幸せか,恵まれている方がいい結果を残せるか,というとむしろ逆のような気がします.

 まず仕事の中に占める研究の部分ですが,私はT大地震研から筑波大に移って3年近くになりますが,仕事の中に占める研究できる時間などを考えれば明らかに地震研時代が恵まれていました.もちろん,移籍と同時に昇進もしたので純粋に組織の違いによる環境の違いのみ同士を比較することはできませんが,T大地震研のようないわゆる「大学付置研究所」は,講義などの労度が少なくて済むのは確かなので,純粋に研究だけをしたければとても恵まれています(まあその分?学外の仕事がばんばん来ますが(^^;).

 でも研究に対するモチベーションは,地震研時代より今の方が高いような気がします.これは,結果的に出てくる研究業績を見てもそうですし,地震研時代からずっと私のことを見てくださっている方がいらっしゃったらそう思われているのではないかと思います.ただこのことに関しては,純粋に環境の違いかどうははっきりしません.このコーナーのあちこちで書いているように私の地震研時代は,まさに私にとって「失われた10年」に対応していたので,たまたまそういう時期だったというだけかもしれません.実際,1999年台湾集集地震が起こって以降の地震研時代の私の研究に対するモチベーションは,少なくとも今と変わらなかったですし,それから2,3年(^^;で急速に業績を上げたので公募で筑波大に来られたとも言えます.

 仕事(研究)以外(仕事以外にやっていること)では,まずピアノですが,これもこのコーナーのあちこちに書いていますが,私は小さい頃から防音室付きのグランドピアノをもつことがずっと夢で,例えば,一番モチベーションが高かったT大ピアノの会時代の練習環境は,とても恵まれているとは言えず,グランドピアノで思う存分練習できたらいいのになあとずっと思っていて,10年前に念願の防音室付きのグランドピアノという環境を手に入れましたが,それ以降は,モチベーションは今一です.実際,1日1時間以上練習する日はありません(勿体ない(T_T)).

 バドミントンに関しても,思うように練習できる時間がとれないから,練習方法やトレーニング方法を工夫したり,少ない練習時間でどうやって強くなるかを考えたりして,今まで続けてこられたのだと思います.ここで少し書きましたが,筑波大バドミントン部は,強豪チームであるにも関わらず,ただバドミントンだけしてればいいというところではないのですが,それがとても大事なことですし,モチベーションの向上,更には,バドミントンの技術の向上にも繋がっていると思います(バドマガにはそういう風には書いてありませんでしたが).

 スキーも雪のない首都圏から電車や車で何時間もかけてスキー場に出かけていくのは大変で,車で1時間以内でスキーに行ける雪国だったらいいなー,と思うこともありますが(もちろん,スキーに行きやすいかどうかだけで住む場所や職場が決まるわけではないのは言うまでもありません(^^;),実際にそういう「恵まれた」環境だと逆にスキーに行かなくなるような気がしますし,実際そういう話はよくききます.

 こういう文章を書いてる暇なんかほんとはないのに,寸暇を惜しんで睡眠時間を削ってでも書いてしまうのは,やはりこういう文章を書いてる暇なんかほんとはないからでしょう(^^;.

 もう多くの方がお気づきだと思いますが,こういう「恵まれた環境とモチベーションの反比例関係」は,私個人に限らず,まさに日本などの先進国の現代社会に起きていることです.これもいろんなところに書いていますが(例えばここ)恵まれた環境を手に入れるべく,幸せになろうと一生懸命みんな働いて高度成長を成し遂げ,実際,世の中便利になり,恵まれた環境を手に入れてしまうと,逆にモチベーションが下がり,不幸になってしまったのはとても皮肉なことです.

 ではどうすればいいかですが,あえて「恵まれない環境」に身を置くことができる人もいます.今のままではだめだと一念発起して会社を辞めたり,全てをなげうって出家したりする人はそういうところもあるのではないかと思います.しかし多くの人は(悲しいかな)一度恵まれた環境を手に入れてしまうと,それを手放すことはなかなかできないものです.私も地震研時代,何度も仕事を辞めようと考えましたが,結局実行に移すことはできず,一念発起して筑波大の公募に応募するくらいがやっとでした.今の日本社会の恵まれた?環境を放棄して江戸時代に戻れば幸せになれるとしても,実際にはもう逆戻りはできません.

 私が思うに現実的な解決策は,「環境とモチベーションのコントロール」だと思います.確かに恵まれた環境とモチベーションは反比例するところはありますが,あまりに環境が粗悪だと話にならないのは言うまでもありません.あまりに恵まれすぎて?働かなくてもよいなら働かなくなってしまう人も多いでしょう(そして不幸になるでしょう).そこのバランスをうまく取ることだと思います.つまりモチベーションが上がらない,モチベーションが下がってきたなと思ったら,往々にして「恵まれすぎてる」ことが可能性の1つとして考えられるので,そこをうまくコントロールすることです.

 私は仕事以外にいろんなことをやっていて,それは,確かに仕事だけではつまらないので(仕事がつまらないのではなく,仕事「だけ」だとつまらない,という意味です),つまらない人生を少しでも楽しくするためにそうしているところはあるのですが,なんだかんだ言っても,一番大事なのはやはり仕事で,仕事のモチベーションを高めるために仕事以外にいろんなことをやっているというところも大いにあります.仕事ばかりしているとやはりどうしても意欲は低下してきます.そこで仕事以外のことをやります.それも休憩とか息抜きとか気分転換とかそういう半端なレベルではなく,もうそれをやるのがしんどく嫌になるくらいやります.そうすると逆に仕事がしたくなります(^^;.ついでにいっぱい練習したという達成感や幸福感も感じられます.

 実際,私は18〜21時くらいに,例えば筑波大バドミントン部の練習に出て,その後,シャワーを浴びて夜1時とか2時過ぎまで仕事をしています.練習後は,肉体的には疲れてもうへろへろで,もうバドミントンをするのが嫌になってますから(^^;,逆に仕事に対するモチベーションは上がっています.肉体的にとてもしんどい思いをして練習すると,デスクワークのありがたみがほんと実感できます(^^;.バドミントンやスキーで飯を食わせてやるから毎日6時間練習しろと言われたら私にはとても無理です.逆に机にばかりかじりついていると体を動かしたくなってうずうずしてきます.要はそういう「ないものねだり」を利用してモチベーションをキープしていると言えるかもしれません.

 そういうモチベーションのコントロールは,これ以外にもいろんなやり方があると思います.モチベーションを上げたいもの(例えば,やらなければならない仕事)以外のことを嫌になるまで(^^;やるという1つの方法を紹介させていただきましたが,これ以外にもいろいろあります.そのうち私がやっているものをいくつかご紹介できればと思っています.いずれにしてもモチベーションが下がってきた,やる気が起きないと思ったら,無理して我慢して頑張るよりまずそこのところからいろいろ考えて工夫することでしょう.その方が遠回りのようで実は早道ですし,第一楽しくできます(そんなにのんびりしてられない場合も多々ありますが(T_T)).

 無気力になると無気力であることに悩んでしまって,無気力であることを解決するという解決法を念頭に置かないところがあるので(私もそうだったし,今でもそういうところがまだある),まずそこから始めるのがいいと思います.なんだかんだ言ってモチベーションさえ上がってくれば大概のことはできるものです(それでもできなければどうやってもできないのですからそれはそれで仕方ありません(^^;).〆切に間に合わないといけないというやり方は,やる気3要素的に言うと「報酬」なので,最も効率が悪くしかも辛くしんどいので,できれば避けたいものです.でもどうしてもそうなってしまってとてもしんどい思いをしているのが現状(T_T)なので,私もまだまだということで(^^;,もっとうまく「モチベーションのコントロール」の工夫をしていきたいと思っています.

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12/23'05

 今日はほぼ2年ぶりに東大バドミントン部の同期で集まって飲みました.最初はプーナの忘年会に出ることにしていたのですが,東大バドミントン部の同期の1人が地方にいて,たまたま東京で仕事があって20年ぶり?くらいに集まりに顔を出すということになり,急遽こちらを優先しました(^^;(すみませんm(_ _)m).実は先日,彼女と何回かメールのやりとりがあって,東京に出てくることがあれば,私が同期を召集してみんなで集まると宣言していた?ということもあります(でも今回はK上が集まろうと言い出してくれて彼が幹事をやってくれました).

 ほんと楽しかったですねー.話していて波長も合いますし,半分くらいは官僚になってもう本省の課長とかいう感じなんですけど,話している雰囲気は20年前と全然変わらなくて,でもみんなそれぞれの分野で活躍していて,その上で昔の感じでバカ騒ぎ?できるというのはとても幸せなことです.バカ騒ぎと言ってもやっぱみんな頭がよくて(私を除いて),冗談もセンスがありますし,こっちが言う冗句もそういうものに強く反応してくれるので気持ちいいです.今日も予想通りバドミントンネタで,「境がバドミントンを始めたのは大学を卒業してからだからなー」とか言われてからかわれました(^^;.

 当時は,東大バドミントン部は,私が今練習に混ぜてもらってる筑波大バドミントン部と交流戦をやっていたので,そのときの話も話題に上りました.S澤が4年とき,まだ(さほど)強くなかった当時1年のT藤さんに勝って,彼女がその後,インカレチャンピオンになったのが自慢だとS澤が言ってました.でもT藤先生憶えてるかな?今度会ったとき,きいてみます(でも多分憶えてないでしょーねー(^^;).

 K上のお嬢さんがピアノを頑張ってるみたいで,金がかかってしょうがないとぼやいていました(^^;.今東京音大が躍進していて,その辺のことも彼はしっかり把握していて私の妻のことも話に上りました(妻は桐朋のピアノ科卒ですけど).でも自分の子供が何かやりたいことがあると言い出したら,それは親にとっても幸せなことだと思いますけどねー.でもおそらく私が親でも反対すると思います.反対されてもそれでもやりたい,というくらいでないととてもきびしいと思うからです.

 私が頑張ってる?震度算定法のことも話題に上って,S澤がとても同意してくれたのも嬉しかったです.彼が言うには,震度をいきなり変えるのではなく,被害と対応する指標を(とりあえず)併用するのがいいのではないか,という提案?があって,今まさにそういうことを考えていて,さすが官僚(^^;,世の中の仕組み?がよくわかってる,と思いました.

 ただ,私と妻の夫婦?関係については大いに理解を示してくれる人と全く理解できない人にきれー?に分かれる感じでしたね.もう1ヶ月以上会っていないとか言うと,そんなん夫婦じゃないという人と(確かに夫婦とは思ってないのですが(^^;),ただつき合ってるという状態ならお互い忙しければそういうこともあるという人に完全に分かれます.みんなとても優秀で仕事もできてしかもいい奴で,でもその中で「既往の枠組み」に捕らわれる人とそうでない人にきれーに分かれるのは,まあいつものこと?ですが(^^;,それを確認できておもしろかったです.

 予想通り終電になりましたが,まあなんとか最後までいっしょに飲めたのでこれもつくばエクスプレスのおかげです(^^).つくばエクスプレスも終電でしたが,半蔵門線(渋谷で飲んだので)も終電だったのがなんか嬉しかったです(^^).今度はいつ集まるかですが,実は十日後にまた集まります(^^;.というのは,今ブラジルにいる奴がいて(今日は彼だけが来てなかったことになる)彼が年末に一旦帰国するからです.2年前集まったのもそれがきっかけでした.ということで,また十日後と言って解散しました(^^;.

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12/24'05

 クリスマスプレゼント(^^;ではないですが(でも今年も普段と何も変わらない何もないクリスマスイブでした...),過激すぎて(^^;とても公開できなかったT大ピアノの会の会誌「桃源」の原稿ですが,震災後の対処法など有益?な情報も沢山含まれていると思うので,思い切って公開しました(でもこのコーナーなので気がつく人しか気がつかないと思いますが).ただ,いくらなんでもまずいところは割愛しました.逆に一部加筆したところもあります.でも実は割愛したところに本音とか有用な情報が入っているのですが,まあしょうがないですね(まさに「割愛(惜しく思うものを思いきって手放したり省略したりするこ(広辞苑))」ですね(^^;).

一応専門家?が考える本音(^^;の地震防災対策(一部割愛,加筆
桃源・東大ピアノの会・会誌原稿)

 過激すぎて(^^;とても公開できなかったT大ピアノの会の会誌「桃源」の原稿ですが,震災後の対処法など有益?な情報も沢山含まれていると思うので,思い切って公開することにしました.ただ,いくらなんでもまずいところは割愛しました.逆に一部加筆したところもあります.「桃源」では入れられなかった(入れられたのかな?)写真も入れてみました.でも実は割愛したところに本音とか有用な情報が入っているのですが,まあしょうがないですね(まさに「割愛(惜しく思うものを思いきって手放したり省略したりするこ(広辞苑))」ですね(^^;).

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 今回は「音楽以外の話もしよう」という特集で,専門?の最近頻発する地震についてということで原稿の依頼がありました.それにしても地震が多いですねー.筑波大に来てまだ2年半ですが,その間に,2003年宮城県沖,2003年宮城県北部,2003年十勝沖,2004年新潟県中越,2005年福岡県西方沖,そして2005年宮城県沖と6回も被害調査に行くことになってしまいました.30周年記念誌の時も書いたのですが,私は普段非常に筆まめでして(自分で言うのも何だが)毎日大量のメールをいろんな人に書いたり,ブログのようなページをもっていて(「人生や世の中など」でググればヒットします),ほとんど毎日更新しているので(^^;,この文章もとても長く,かつ,顔文字が頻繁に現れるメールやブログのような文章になることをどうぞお許しくださいm(_ _)m.

 地震の話をする前に簡単に私が今何の仕事をしているかを紹介しておいた方がいいですかね?今のところ地震防災を対象とした研究者というものをしています.職業で言うと筑波大学の教員です.筑波大の前は東大地震研というところにいました.最近は地震が多いせいかちょくちょくテレビや新聞に引っぱり出されるようになってしまって***割愛***,でも「あー,こんな奴おったな,今こんなことしてんだ」と気づいてくださった方がいらっしゃったらそれはちょっと嬉しいことです.

 一言で(ちょっと格好良く(^^;)言うと「地震による構造物被害に伴う人命の損失を減らすための研究」をしています.地震被害が起きるたびに被害調査に出かけていて(現場第一主義なので),被害速報を現地からホームページで公開したりしています.ホームページは,大分広く認知されるようになってきて新潟県中越地震のときは1週間で2万アクセスありました.最近は,地震が起こると直後からカウンタが急増して早く被害調査に行ってこいとせっつかれている(^^;ような感じです.その他には,実際の被害と対応しない現在の震度の問題点を指摘し,被害と対応する震度算定法を提案して***割愛***,鉄筋コンクリート造建物を対象とした世界最小の超縮小モデルというものを開発してそれを使った振動実験などをしております.もしよろしければ,研究室のホームページ(http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~sakai/jsd.htm←かちゃかちゃURLを入れるより「境有紀」でググった方が早いです(^^;.GooやGoogleだとちゃんとトップページが先頭に来るのですが,どういうわけかYahooでは変なページが先頭に来てしまいます)をご覧いただければ幸いです.

 さて,本題の最近多発する地震について,どう考えるべきか,どうしたらいいのか,ということですが,この手の話題については,いろんなところで話していますし,研究室のホームページの中でもいろいろ書いています(例えば,阪神・淡路大震災から10年 地震災害の3つの特質と問題点 http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~sakai/jss.htm).でも一応専門家?としては,公衆の面前やテレビカメラの前や誰もが見ることができるホームページでは本音のところは言えない(書けない)のも事実ですので,ここでは本音のようなことをばんばん(^^;書きたいと思います.

 地震災害という災害は,実はかなり特殊で「厄介」なものです.なにが厄介かというと「滅多に来ない」ということです.滅多に来ないとどうなるかというと,滅多に来ないから対策も進まない→大地震が来れば甚大な被害が生じる,の悪循環です.最近は地震が多いのは確かですがほんとに大きな被害地震と言えるのは1995年兵庫県南部地震くらいです.その前だと1948年の福井地震まで遡ります.しかし,70年周期説的に言えば活動期に入ったとも言われていて,実際1940年代は,わずか10年間に1000人以上の死者を出した地震が5回(鳥取,東南海,三河,南海,福井)も起こっています(1940+70±10=....).M(マグニチュード)8クラスの東海,東南海,南海はかなり世間を騒がせていますが,M7クラスの直下地震は日本のどこでいつ起こってもおかしくありません.そして,1995年兵庫県南部地震はまさにそういう地震でした.

 じゃあどうすればいいかですが,***割愛***,現在の耐震規定を満たしていないいわゆる「既存不適格建物」を耐震補強してください,そのためにまず耐震診断(既存の建物の耐震性能を定量的に調べること)をしてください.自治体によっては只で行ってくれるところもありますよ,ということになっています.実際,私は日本だけでもう十数回地震被害調査に行きましたが,大きな被害を受けた建物のほとんどはそういう既存不適格建物でした.甚大な被害だった1995年兵庫県南部地震ですらそうです.2004年新潟県中越地震で震度7を記録した川口町というところでは20%の家屋が全壊しましたが,そのほとんどがいわゆる既存不適格建物でした.ですからあまり大きな声では言えませんが,1995年兵庫県南部地震や2004年新潟県中越地震では確かに大きな被害が生じた反面,現在の日本の耐震技術のレベルの高さが証明されたと言われています.実際,世界的に見ても日本の耐震技術の高さはダントツで,現在の日本の耐震規定を満たすように,現在の日本の(ちゃんとした)ハウスメーカーやゼネコンの建築技術,補強技術をもって施工すれば,震度7クラス(正確には震度7は青天井なので震度7の下限の計測震度6.5程度)の地震が来ても大きな被害を受けることはまずありません.

 でもどうですか?地震が怖いから我が家も耐震診断してもらって耐震性能が充分じゃなかったら耐震補強工事してもらおうかな?とか思います?***割愛***.耐震補強にかかる費用はもちろんいろいろですが,普通の木造家屋だとだいたい100〜200万くらいです.つまり車1台分くらいですね.みんな車は何年おきかに買い換えますが,自宅を耐震補強しようとは思いません.それはやっぱり大地震なんかほんとに来るかどうかわからないし,いつ来るともわからない地震に対して100〜200万もかけて結局,家屋の耐用年限(だいたい30年くらいだが50年くらいはみんな平気で住んでる.それはそれで問題ですが.)が来るまで地震が来なかったら無駄?なお金ということになります.

 でも耐震補強が進まない一番の原因は,費用対効果が明確でないからではないでしょうか?「念のために耐震補強」するのではなく,「耐震補強した方が得」なら耐震補強しますよね.実は今年の卒論生の1人にどういう場合に耐震補強したら得か,どういう場合はしない方が得か(^^;などの費用対効果についてちゃんと被害と対応した震度を使って検討してもらっています.耐震補強を進めるには,「耐震補強した方が得」かどうかというちゃんとしたデータを示すのが一番だと思っているからです.ぼちぼち結果が出始めていますが,かなり興味深い結果になりそうです.家屋の老朽化による耐震性能の低下がポイントのようです.結果が出たらホームページで公開しようと思っています.

 ということで耐震補強が進まない現状で,本音的(^^;にどうすればいいかですが,私はとりあえず命を確保することかなと思っています.直観的バランスからいっても,生きてるうちに一度来るか来ないかというくらいの確率の事象なので,そういうことになりますよね.自宅を所有している場合は,財産を失うというリスクもありますが,これは例えば地震保険などでまかなうこともできます.自宅を所有していない場合はとにかくとりあえず生きのびることだけを考えるということになります.***割愛***.それに私は命が惜しいとはあまり思わないのですが,さすがに職業柄,地震で建物の下敷きになって死ぬわけには行きません(^^;.では人は地震でどういう建物の下敷きになって死ぬかというと,やはりほとんどは古いいわゆる既存不適格の木造家屋です.それは木造家屋は倒壊すると「生存空間」がほとんど残らないことが多いからです.***割愛***.しかも潰れるのは多くが1階です.ですから,もし寝室が木造家屋の1階なら2階にすることをお勧めします(もちろん2階が潰れることもたまにはあるので確率の問題ですが).木造アパートなら2階の部屋にしましょう.



 もし鉄筋コンクリート造や鉄骨造なら大きな被害を受けても命を落とす確率は低いと考えていいです(もちろんこれも確率の問題で0ではないし,直下でM8クラスの地震が起こったり,糸魚川−静岡構造線なんかが動いたらとんでもないことになります).自宅がマンションの場合,あるいは,外で働いている人が昼間会社などの勤め先にいる場合は,だいたい鉄筋コンクリート造か鉄骨造建物だと思います.そういう建物はどういう風に壊れるかですが,最悪の場合,ある1つの階が潰れます.複数の階が潰れることはまずありません(上の括弧内に同じ).損傷は一旦生じ始めたところに集中するからです.しかし,潰れた階には生存空間が残るケースが多いです.1995年兵庫県南部地震では例えば三宮のオフィスビルの多くが1つの階が潰れるいわゆる層崩壊をしましたが↓,完全にぺしゃんこになったものはほとんどありませんでした.




 日本ではないですが,私は被害調査でそういう層崩壊した建物の潰れた階に潜り込んだ経験がありますが(今にして思えば,よく潜り込んだもんだと思います(^^;),柱は完全に潰れているのにだいたい高さ1mくらいの空間が残っていました↓.実は地震が起こった時そこに座ってくつろいでいた人がいて,その人は地震だ!と思ったら天井がゆっくり降りてきて,あー,つぶされて死ぬー,と思ったら天井は頭の上のところで止まって,その後,這い出して無事脱出したそうです.

外から見た潰れた2階の柱↓

潰れた2階の内部の様子↓

 なんでそうなるのかというと,ちょっと専門的になりますが,多くの建物の窓などの開口部の梁(外梁)の上下に腰壁,垂壁という部材が付いているためで,柱が潰れても腰壁,垂壁が潰れることはまずないので,だいたい高さ1mくらいは空間が残るのです.もっと極端な話,腰壁垂壁が付いていない建物内部の梁(内梁)も上下方向に潰れることはまずありえないので,万が一腰壁垂壁が効かなくても梁せい−スラブ厚分の空間(高さ数十cm)は残ることになります.人間横になってみればわかりますが,高さ数十cmでも充分生存できます.逆に言うと地震だ!と思って上を見て梁があったら,即座に横に移動しましょう.ただ,いろんなものが吹っ飛んでくる可能性もあるので,そういうものから如何に身を守るかですね.グランドピアノなんか結構怖いです.地震力は慣性力なので,ということは,重い軽いにかかわらず同じ加速度が働くということで,つまり,重ければ重いほど運動エネルギーも運動量も大きいということです.窓際ならガラスが割れて飛んでくるかもしれません.

 1つの特定の階が潰れるということは,どういうことかと言うと,建物全体がひっくり返らない限り他の階は安全ということです.海外では時々ありますが,日本の建物で建物全体がひっくり返ることはほとんどありません.地盤の液状化で建物がひっくり返った写真を見たことがある人もいると思いますが,液状化で人が死ぬことはまずありません.液状化が起こると建物全体がそのままひっくり返ることがたまにありますが,そういう時も,ひっくり返るときはゆっくりゆっくり傾いて行きます.1964年新潟地震の時,液状化でひっくり返った団地↓の中にいたおばさんが,最初床に座っていたが,だんだん建物が傾いてきて,気がついたら壁に座っていた(^^;んだそうです.


 ですから特定の階が潰れたとしても例えば,7階建てなら6/7は大丈夫ということです.そして1/7も生存空間は残ることが多いです.よく1階が駐車場でピロティーになっている建物があって,その階は壁がなく剛性が低くて潰れるとしたら必ずそこが潰れる↓のでよくない,と言われていますが,そこは人は住んでいないことが多いので,生命の確保という点では理想的?とも言えます.損傷は一旦生じ始めたところに集中するので,わざとある階を壊してそこでエネルギー吸収をするという設計コンセプトもあります.逆に言うと1階がピロティーになっていて,かつ,そこに人も住んでいたら最悪です.実際,1994年ノースリッジ地震(ロサンゼルス郊外の地震)では,亡くなった人の半数はそういう1階ピロティーに住んでいた人達でした.



 1階がピロティーでない場合はどの階が潰れるかですが,1995年兵庫県南部地震のように中間階が潰れる場合もあります.それはどういう場合かというと「剛性が変化する階」です.具体的には,下の階までは柱の太さが80cm×80cmだけど,その階から70cm×70cmになっている,という場合です.中高層建物は必ず下の階から上の階に行くに従って柱が細くなっていきます.上に行くに従って軸力も地震力も減るからです(地震力はその階以上の重量に作用します).そして,柱の太さは上の階に行くに従ってだんだん減るのではなく(そんなことしたら施工が大変(^^;),何階かおきに10cmとか5cmとかいうオーダーでがくんがくんと減らします.またSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)と言って,鉄骨が鉄筋コンクリートの中に入っている建物がありますが,鉄骨が下の階から途中の階までしか入っていない場合もあるので,そういう場合も鉄骨が入っている階のすぐ上の階が潰れる可能性が高いです.あとはセットバックと言って,下の階より部屋数が減る場合もそうですね.

 もし集合住宅に住むのでしたら鉄筋コンクリート造,鉄骨造で4,5階以下の低層のものがお勧めです.実はいわゆる「団地」の建物はおそらく一番安全です.上述したように地震力は慣性力で質量に比例した力がかかるので,全体の質量が小さい(低層)ことが重要です.またちょっと専門的になってしまいますが,建物には必ず雑壁(設計に考慮されない壁)などによる余剰耐力(耐力=強さ)というのがあり,当然余剰耐力は質量が小さいほど「効いて」来ます.従って,低層建物は設計で想定する何倍もの耐力をもっています.逆に言えば,高層,超高層建物は現代技術の粋を集めた設計がなされていて理論的な安全率も高く設定されていますが,余剰耐力はほとんどないと考えていいです.あとは,平面形(上から見た形),立面形(横から見た形)は整形(シンプル)なほどいいです.平面形は円が理想ですが,まあ正方形とか長方形なら大丈夫でしょう.L字型とかエレベーターホールが端にあるような剛心が中心にないものは捻れ振動を起こします.立面形も長方形がベストです.上述のセットバックも立面が不整形な例です.要はデザインが格好いい(^^;ものはそれだけ耐震性を犠牲にしているということです.でもまあどこかの階が潰れたとしても生存空間は何とか残ることが多いのは上述した通りです.

 鉄筋コンクリート造,鉄骨造,鉄骨鉄筋コンクリート造の集合住宅であれば,命を落とす可能性は古い木造住宅よりは低いと言えますが,建物が被害を受けて何とか生きのびたとしてもその後がかなり厄介です.もし大きな被害を受けて立て替える必要があっても全住民の3/4以上の同意が必要になるので,お金がないとか言って駄々をこねる?人が必ず出てきてなかなかうまく行きません.1995年兵庫県南部地震で被害を受けたマンションでいまだにもめてるところ(つまり被害を受けたまま)もあります.***割愛***.

 でもそういうことを差し引いても自宅を所有したい,という願望はあるでしょうから(そういう願望は日本人特有のものだという説もあるようですが),まあテレビや冷蔵庫のように耐久消費財として買うということですかね.間違っても資産運用目的に買ってはいけません.最近ほんと大学によくそういう勧誘の電話がかかってきます.ということは儲かるのは電話を受ける方ではなく,かけてくる方ということですから,そういう勧誘には絶対乗ってはいけないということです.話を戻すと,大地震で壊れてしまえば,地震でテレビが棚から落下して壊れるのと同じように(^^;家やマンションも使えなくなるということです.一軒家であれば,家は潰れても土地は残るので更地にすれば極端な話テントを張って住むこともできます.全壊(と自治体が認定)すれば取り壊して更地にするだけに必要な額くらいを国や自治体が出してくれるシステムになっていますが,都心で何十万棟という家屋が全壊すれば(ちなみに1995年兵庫県南部地震による全半壊家屋は20万戸以上)明らかに財政破綻でしょうねー.

 実は地震が怖い人はテントに住むのが一番安全です.「地震は人を殺さない.地震によって壊れる建物が人を殺す」という名言があるのですが,まさにその通りです.震度7のものすごい揺れに遭遇したとしても,もし運動場の真ん中のような周りになにもないところにいれば,まあ立っているのは難しいでしょうが,しゃがんで数十秒やり過ごせばどってことはありません.しかし,既存不適格建物の中にいれば,普段は雨露をしのいでくれる建物が一転凶器と化します.建物を充分に耐震的にできる建設技術があるのに,それを放置していることは地震が悪いというよりは,そこに住んでいる人の責任とも言えます.つまり,大地震というと自然の猛威には勝てない,とか言う人がいますけど,それは大きな間違いで,地震災害は自然災害と言うよりは人災なのです.何かあったら国がなんとかしてくれるという時代ではありません.今流行?の言葉で言うと自己責任ですね(^^;.実際,トルコでは地震で大きな被害を受けたら国が全額補助をしてくれるので,みんなわざと耐震補強などをせず地震が来るのを待って?いて,そうするとどうなるかというと,大した地震でもないのに何万人という人が亡くなってしまうという最悪の悪循環になっています.だから皆さん耐震診断,耐震補強しましょう,となるのですが***割愛***.

 ですからまあ,できることからやりましょう,ということになります.これはいろんな講演会などでも話していることで,つまり建前なのですが,本音でもあります.例えば,上で書いた木造家屋なら寝室を1階から2階にするとか,後は,本棚や箪笥が倒れてくる方向に寝ないようにベッド(布団を敷く位置)を変えるとか,そういう些細なことでも地震で命を落とす確率は格段に違ってきます.人間起きていれば何とか生き残ろうとするもので,逆に言えば寝ているときは全く無抵抗なので寝る場所の状況はとても大事です.実際,1995年兵庫県南部地震は未明に発生したため,亡くなった人の多くは,古い木造家屋の1階で寝ていた人達でした

 もし起きていたらどうしたらいいかですが,これは結構見解が分かれています.落下物や吹っ飛んでくるものから身を守るために机やテーブルの下に潜りなさい,という人もいますが,そんなことより揺れが収まった後,脱出するために出口を確保しなさい,という人もいます.でも家が潰れるかもしれないという揺れで玄関まで走る余裕がありますかね?もし閉じこめられて外に出られなくても家の中にある程度の食料はあるでしょうし,いざとなったら窓ガラスを割って外に出ることもできるわけですから,やはり身を守るのが先決という気がします.昔は火を使っていたらすぐに消しなさい,と言われていましたが,火傷などして逆に危ないし,今は都市ガスのメータにセンサが付いているので,自動的に消火されます.むしろ問題となっているのは,地震で停電してそれが復旧したときの通電による火災です.ですから避難するときはブレーカーを落としましょうとはよく言われています.

 でも最優先なのはやはり命でしょうから(地震保険に入っても当然失われた命は返ってきません),万が一建物が倒壊しても空間が残りそうな「生存空間」に移動すること(例えば前述の梁下から脱出することなど)ですかね.腰壁垂壁のあるところは窓などの開口部なのでガラスの破損に気をつける必要があります.大学の研究室で私が普段座っているところは窓側で腰壁も垂壁もあるのですが,窓のすぐ横なのでブラインドを開けた状態で降ろしています.自宅であれば棚の倒れる方向などを考慮して生存空間が残りそうな所の目星をつけておく,あるいはそういう場所を確保しておくのがいいと思います.剛性の高いものは転倒しなければ上の階が落ちてくるのを支えるのは難しいですが,人1人くらいの生存空間を確保してくれることがあります.

 1999年に台湾集集地震というのがあって私も被害調査に行ったのですが,完全に倒壊したマンションから何日か後に兄弟が助け出されたことがありました.彼らはなぜ生きのびたかというと隣りに冷蔵庫があってそれが生存空間をなんとか確保していたからです.しかも冷蔵庫の中には食料が入っていました(一石二鳥(^^;).そういう剛性の高い家具を利用する手もあります.箪笥だって倒れさえしなければある程度上階を支えられる可能性はあります.でも,いくら壁にがっちり固定しても家そのものが倒壊したら当然いっしょに倒れてしまいますけど.

 これから家を建てる場合は,上述したように当然現在の耐震規定を満たさないといけないですから,まあ大丈夫でしょう(ただし,手抜き工事や耐震強度偽装をしなければの話です).そういう意味ではマンションもそうです.中古の物件を購入する場合でしたら,これは結構有名な話でご存じの方も多いと思いますが,1981年のいわゆる新耐震以降に完成した建物が一応現在の規定を満たしていると考えていいでしょう(正確には建築基準法は2000年に改正されたので現規定を満たすものは2000年以降).ただし直下でM8,あるいは巨大断層が動けば保証の限りではありません.実は直下でM7でも1995年兵庫県南部地震のように断層の壊れ方によっては,非常に破壊力のある地震動が発生する場合があるので,絶対安全とは言えません.まあそんなのが来たら運命だと思って潔く?諦めるというのも1つの生き方です.

 最近は,免震住宅とか免震マンションがとても多く建設されるようになってきました.でも免震というと地震の揺れを「免れる」みたいですけど,建物が地面に接している限り,つまり,空中に浮かばない限りそんなことは絶対にありません.実は,免震は何をしているかというと,多くの地震動の周期帯より建物の周期を長くして共振しないようにしている,ということです.ですから,最近話題になっている長周期地震動に対してはむしろ逆効果です.もちろん,そういうことを考えてダンパーという減衰によって揺れを低減させる装置を付けていますが,免震建物だから絶対安心ということはないということです.長周期地震動が発生する平野に長周期の超高層建物や大規模構造物をわざわざ?建てるのは,平野に人が集まる→住むところがなくなって高層建物を建てる→平野では長周期地震動が発生する,という流れからすると,ある意味,最悪の巡り合わせと言えなくもありません.でも免震住宅や横に長い建物はまあいいとしても***割愛***.もちろんよく起こる短周期地震動に対してはその効果は圧倒的です.でももともと短周期地震動では大きな被害は生じません.ほんとに怖いのは,短周期地震動と長周期地震動の中間の1-2秒くらいが卓越する「やや短周期地震動」です

 大きな地震が起こって何とか生きのびたとしたら,次は,その後どうサバイブするかです.最近話題になっているのは,いわゆる「帰宅困難者」ですね.先日,東京で震度5強の地震があって交通が麻痺して大変なことになったみたいですけど,あの程度の地震であんなことになるとすると,ちゃんとした?大地震が来たらどうなるかと思うとほんと想像するだけでぞっとします.そういう時に最も威力を発揮するのは自転車です.実際,1995年兵庫県南部地震のときは,新幹線に自転車を担ぎ込んで被害調査に行きました.車は大渋滞(というかほとんど駐車場状態)で全く使いものになりません.頑張って歩いて帰りましょう,とも言われていますが,自転車があれば全然違います.自転車って誰が発明したのか知りませんが,転がり摩擦係数が小さいという物理的な性質だけで全く燃料なしに,人がただ歩くだけの時速5〜6kmを3〜4倍の時速15〜20kmにまでしてくれる大発明だと思います.ですから,できたら勤め先に1台自転車を置いておくことをお勧めします.場所がかさばるなら折りたたみ式のものもあります.

 私は仕事で週2回くらいは東京に行くのですが,東京にいるとき地震が起こったらと思うと仕事が終わったらそそくさとつくばに帰りたくなってしまいます(^^;.交通が止まって60km歩くのはいくらなんでもきびしいです.でも自転車があれば何とかなるでしょう.ほんとどっかに自転車をこっそり置いておければいいんですが...もちろん東京に知り合いはたくさんいますが,地震が起こったら連絡をとるのは難しいでしょうねー.あとは,簡単な食料を常に携帯しているといいと思います.チョコレート1箱なんかでも全然違います.当然単位重量当たりのカロリーが高い甘いものがいいです.そんなに面倒なことではなく別に普段使っている鞄にぽんと入れておくだけです.何ヶ月かに一度,地震なくてよかったなと思ってぽりぽり食べて(^^;,新しいのと交換すればいいでしょう.賞味期限が長いものなら数年入れっぱなし(^^;でもOKというものもあります.

 次は,なんとか自宅に辿り着いた,あるいは,自宅で被災した場合です.自宅が倒壊して住めなくなった場合はもちろん,現在の耐震規定を満たした建物や免震住宅で被害がなくても電気,ガス,水道などのライフラインが止まってしまったらそこで生活することはできません.そういうとき,威力を発揮するのは車です.車は前述のように移動手段としては使いものにならなくなりますが,簡易住宅としては威力を発揮します.冷暖房まで付いています.1995年兵庫県南部地震のときは真冬でほんと寒くて調査していても辛かったので,被災された人達はほんと大変だったと思います.ただ,新潟県中越地震のとき,車で寝泊まりしていわゆるエコノミークラス症候群で多くの人が亡くなってしまったので,寝る態勢には気をつけましょう(狭いシートに「座って」寝てはいけないということ).そういう意味ではシートを倒してフラットにできてそこに布団を敷いて寝られるようなタイプの車だといいです(少し大きめの車ならだいたい大丈夫です).そのためには,普段からガソリンをまめに(まあ半分を切ったらくらいで)補充しておくこととバッテリーですかね.バッテリーはどっちみち交換していくものなので予備を買っておくといいですね.車のシガーソケットを家庭用コンセントに変換するアダプタも用意しておくと普段使っている電化製品がそのまま使えます(私は被害調査に行くので当然もっています).

 あと,書いておかないといけないことは地震予知でしょうか.これもhttp://www.kz.tsukuba.ac.jp/~sakai/0505.htm#31に書いていますが,まあ一言で言えば,たとえ地震予知ができても壊れる建物は壊れるわけですから,地震予知ができれば地震災害を免れることができるというのは大きな間違いです.地震災害の最大の被害はもちろん人命の損失もありますけど,構造物被害による経済的損失とするのがもはや一般的です.M7クラスの首都直下地震が起こると20秒で日本の1年の国家予算以上の額(112兆円)が吹っ飛ぶという試算があります.たとえ地震予知ができたとしても果たしてほんとに警戒宣言が発令できるかも大いに疑問です.新幹線を止めるなどして,でも実際には地震が来なくて(こういうのを「空振り」と言います)何千億という経済損失が生じたら損害賠償問題にもなりかねません.それに,警戒宣言が発令されたとしても皆さんどうします?解除されるまで何日も野宿しますか?屋外に避難するのでしたらせいぜい数時間が限度でしょう.そんな精度で地震予知はできませんし,異常なデータが検出→判定会の召集→警戒宣言という手続きから考えても無理です.むしろ,いわゆるP波で警戒信号を発してS波が来るまでの数十秒間でできることをするといういわゆるリアルタイム系の方が可能性はあると思います.でも新潟県中越地震で新幹線が脱線したように直下地震では間に合いません.

 余談ですが,よく「直下型地震」という言葉を目にしますが,地震に「型」はありません.地震というのは地下の奥深く(だいたい数十km)で岩石が壊れる現象で,その位置,即ち,震源が陸地の下なのか(直下地震),海の下なのかというだけの話です.ただし,深さによって地殻内なのかプレート間なのかプレート内なのか,という違いは出てきます.話を地震予知に戻しましょう.

 地震が起こった後,こういう現象があった(地震雲とか動物がどうとか)とか言う人が必ずいますけど,そんなのはほんと問題外です.地震予知の最大の問題は,予知して地震が起きないという「空振り」であり,地震が起こった後になってそう言えば地震発生前にこういう現象があった,という後付では使いものになりません.地震が起こる前に犬がワンワン吠えたのと,犬がワンワン吠えたら地震が起こる,というのは全く違います.犬なんか地震が来なくてもワンワン吠えるものです.地震雲(のようなもの)も普段気をつければ,いくらでも見つかるでしょう.M6クラスの地震で予知に成功と言っているのにも辟易します(だんだん口調が厳しくなってきた(^^;).地震予知は構造物の倒壊による人命の損失を免れるのが最大の目的ですから,構造物が倒壊するような規模の大地震を予知しなければ何の意味もありません.そしてそういう大地震を予知できた例はまだありません.そして前述したようにたとえ予知できたとしても倒壊する構造物は倒壊するので莫大な経済的損失は免れません

 なんかいろいろほんと好き勝手なことばかり書きました.もちろん私という人間の極めて個人的な見解であることをことわって長い文章(また随分長くなってしまいました(^^;.でも過激すぎて?30周年記念誌のときのようにホームページで公開できないのが残念です)を終わりにしたいと思います.でも私自身も専門の研究とは違って身近なこととしての地震防災対策のようなものを専門知識?を基に整理しながら書いたので自分でも勉強になりました(「建前」は沢山書いているのですが(^^;「本音」を文章という形で書いたのは初めてなので).実は「医者の不養生」という言葉があるように,建築や地震防災の専門家であっても何でそんなとこ住んでるの?という人も結構いるのです(^^;.ただもちろん,ここで書いたことの多くは「確率の問題」なので,これを信じて忠実に実行されてひどい目に会われても責任はとりませんので悪しからず(^^;.

 ※ここで使われている写真や内容を無断で使用しないようお願いします.もし使用を希望される場合はメールで連絡してください.

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12/26'05

 全日本が終わり,女子フィギュアのオリンピック代表は目出度く?ポイント順で過去の実績とかいう不透明?な要素なしに決まったようですね.でもなんか最初からこの3人に決まっていた,という感もしないでもないです.それにしても今頃代表を決めていていいんですかねー.もうオリンピックまで2ヶ月もないんですけど.

 スポーツの世界でいわゆるピークは年に1,2回しかもってこられない,というのはかなり有名な話です.筑波大バドミントン部でもそういう調整がされています.今年女子がインカレで優勝しましたけど,秋の関東リーグは4位でした.それはインカレに照準を合わせていたからで,関東リーグの後,吹田先生と話したときもはっきりそう言われていました.逆にインカレに照準を合わせていたため,その後の全日本は少し調子を落としてしまっていたと思います.言い方を変えると,全日本で勝つには7割くらいの力でインカレに勝たないといけないということになるんでしょうね.

 私も未だに(^^;プレーしているのでそれは感覚的に痛いほどわかります.私にとって一番重要な大会は8月の猛暑の中での全日本教職員ですが,仕事の合間を縫ってそこに照準を合わせるのはとても難しいです.しかしそれができるかどうかで成績は全然違ってきます.1年目はうまく合わせられて16まで行きましたが,その後は全くうまく行っていません.うまく合わせられた1年目も合わせるのは大変でした.建築学会が金沢であったとき,夜そこで走っていました.まあ10年間?目標としていた大会だったので気合いも全然違っていましたね.今では忙しすぎるというのもあってとてもそこまでする気合いも気力もないです(T_T).

 オリンピックの選考でもめるので有名?な女子マラソンですけど,前回高橋尚子がなぜ3月の名古屋に出ないか,というのが話題になりましたが,名古屋で勝つように調整してしまうと,オリンピックはそこからもう半年もないですから,オリンピックにピークをもってこられない,という判断だったのだと思います.ですから選手のことを考えれば,オリンピックで勝たせようと思うのであれば,少なくとも1年前に代表を決めてしまうのがいいのだと思います.

 でも悲しいかな選手のことが一番には考えられていない,ということなんでしょうねー.今回の女子フィギュアの盛り上がり?も直前まで代表が決まっていないからでしょうし,もし1年前に代表が決まってしまっていたらこうはなっていないでしょう.この勢い?でオリンピックに注目してもらって,ひいてはフィギュア会場での観客動員やテレビ中継の視聴率を上げる,という商業主義(プロトタイプな言葉だ(^^;)ということになります.でもまあ,こういうことはスポーツに限らずどこの世界にもあるので,ほんとに勝てる選手はこういう悪条件?でも勝てる選手ということになりますね.でも少なくとも,怪我をしていてオリンピックに出るために今年の後半に照準を合わせてきた村主なんかは,オリンピックは厳しいかもしれず,逆に調子を落としている安藤の方が期待できるかもしれません.でも安藤の不調や体の切れのなさは1年周期の好不調という感じではないですが...

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 全日本総合の脇田vs米倉のシングルを見ました.うーーん,勿体ない...(予想通り(^^;?).1つ1つのラリーを見れば,ほとんど脇田の方が先に動けていますし,スピードもあります.崩されていっぱいいっぱいになる場面は米倉の方が多く(でもそういう態勢から起死回生のショットを打つのですが),逆に脇田はほとんど崩されていません.でも攻めている場面や,サービスから1,2本での何でもないミスが多くて勿体ないです.そういうミスが序盤や終盤で多いのも気になります.平山とのインカレシングル個人戦決勝でもそうでした.ただ,米倉にはシングルでとても重要なネット前のきびしさはありましたね(ネットインが相当あった).米倉はとても実績のある選手で独特の威圧感もありました(でもあの色のコートにあの色のウェアは見にくいんじゃ...(^^;).逆に言えば,やはり脇田のポテンシャルの高さをあらためて実感しました.ほんと世界で通用する選手になる可能性大だと思います.

 ベスト8入りした村松のシングルも見ました(脇田と利百子さんが応援してましたね(^^)).こっちは完勝でした.フォア奥から飛びついてスマッシュを打つときのスピードがすごいです.つーことは,柴村vs廣瀬のシングルはやらないってことですかね.まあ見たいような見たくないようなびみょー(^^;なところですが...

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12/28'05
12/28'05
おしゃれ

 このコーナーで自己実現とか自己表現とかいう言葉がよく出てきます.やや抽象的な言葉ですが,自己表現できるものはいろいろありますね.仕事や芸術,スポーツなどもそうです.でも一番身近というか,ダイレクトに自己表現する手段は,やはり「おしゃれ」(って言うんですかね?なんか親父くさい(^^;?表現のような気もしますが,他に適当な言葉が見当たらないので...),即ち,「服装」や「身だしなみ」でしょう.

 今年の冬はほんと寒くて,こんなにくそ寒いのに女の人が,例えば,スカートに薄いストッキングにハイヒールという格好で頑張ってる?のを見ると,そんな無理しておしゃれ?して体壊すかもしれないのにばかだなあ,と「以前は」思っていました.夏のくそ暑いのにストッキング履いている場合もそうですね.もちろん,中にはそういう(ばかな)人もいるのかもしれませんが,そうでない人もいるのかなと思うようになりました.というのは,「おしゃれ」は自己表現であり,それが寒かったり暑かったり体壊すことより優先する人もいるのではないか,ということです.

 私も考えてみればかなり激しく(^^;スポーツをしています.スポーツは体に悪いのにそれでもスポーツをしているのは,それを補って余りある自己実現,自己表現が可能だからだと思っています.だから,そういう「意気込み」でおしゃれをしている人がいても不思議ではないですし,むしろ共感するところすらあります.

 女性が化粧をするのだって,それが自己表現と考える人にとっては自己表現であり,メーク技術なんていうのは,追求していけばとても奥が深いでしょうし,内的熟達にも繋がる技能に他なりません.そもそもすごくセンスが現れるところですよね.もちろんけばくはなく(^^;,時間をかけず(それはこっちからはわからないが(^^;),それでいてさりげなく化粧した女性を見ると,とてもセンスを感じます.そして,例えば,私に会うときに女性がそういうセンスがある化粧をしてくれていたり,服装をしてくれていればそれだけで嬉しくなってしまうのは言うまでもありません(とか確か藤原正彦さんが書いてましたね(^^;).

 「おしゃれは気合いだ」と誰かが言っていたのを憶えています.昔,大学のバドミントンのサークル(T大バドミントン部を卒業した後,社会人サークルのプーナに入るまではラブ・オールというT大+O女子大のサークルで主に練習していました)でよくスキーに行ったのですが,ある年,周りと比べて明らかに雰囲気が違う女の子が1人いて,彼女はもちろんとても綺麗で服装のセンスなんかも全然違いますし,彼女がいるとそこだけ光ってる(^^;ほどだったのですが,彼女がそのスキーツアーに来て(確か安比だったような気がする),かなり上手くていっしょに滑っていたのですが,当然,ウェアのセンスもすごくよくて,まあそれはいいとして,驚いたのは,彼女は吹雪だったにもかかわらず帽子やキャップなどをかぶろうともせず(ていうか多分そもそももってきていない),長い髪がばりばりに凍りついた状態で平気な顔?をして滑っていたことです.そのときは,あまり深くは考えなかったのですが,彼女にとって帽子をかぶるということで服装のセンスが損なわれるくらいなら,寒いことを我慢する?方が何倍も平気だったのかもしれません.そう言えば,演歌歌手の細川たかしもかなりスキーが上手いらしいですが,どんなに猛吹雪でも帽子は絶対にかぶらないと言っていました(^^;.帽子は防寒ということだけではなく,転倒時の頭部の保護という役割もあるのですが.それはそれで彼らの価値観であり,おしゃれという自己表現が彼らにとって重要なものであれば充分理解できます.

 さてかく言う(^^;私はどうでしょうか?私にとって自己表現はとても大事なことであり,少なくとも服装や身だしなみに無頓着であることは意に反します.でも正直「体を壊してまで」おしゃれする「気合い」はありません(^^;.でもできる範囲で気をつけるようにはしています(いや気をつけなければと思っているだけかも...).そしてその「できる範囲」というのを実はかなり重要視しています.だって,できないことはできないし,そもそもしんどいのや辛い思いはしたくないからです.

 これもまた他人の例を出して恐縮(^^;ですが,私が大学4年の時,T大バドミントン部に入ってきた1年生の中に,そういう「できる範囲でおしゃれをする」というセンスにものすごく長けていた女の子がいたのをよく憶えています.彼女はもちろんとてもかわいいのですが,くそ寒いのにスカートに薄いストッキングにハイヒールという無理?なおしゃれ?を全くすることなく(まあ最近はそれはそれで「心意気」を感じるようになりましたが(^^;),でもさりげなく服装にとても気を使っていて,しかもそれほどお金もかけず(^^;,かつ,とてもセンスがありました.そして,それこそまさに私の理想のおしゃれ?に近いものだったのかもしれません.

 そういう感じで,私も「できる範囲」でおしゃれをしたいという気はあって,例えば,こういう服が欲しいとかのイメージはいろいろあるのですが,悲しいかな,男性の場合,着たい服のイメージはあってもそれに見合う服を見つけるのは至難の業です.そういう店があると入って探すのですが,なんでこんなにセンスの悪い服ばかり選んで置いているのだろう?と不思議になるほどです.もちろんブランドを扱う店ならいろいろあるのでしょうけど,私はいわゆるブランド品には興味がないですし,上で書いたように「お金をかけずに」おしゃれをすることが「センス」だと思っています.通販もよく使うのですが,女性だといろんな服がしかも格安(^^;でいろいろあるのに,男性ものはほとんどまともなものがないのも悲しくなります.ですから,結局当たり障りのない,少なくとも他人に不快な思いだけはさせない,ふつーの格好になってしまいます.まあそれはそれでしょうがないのではないかとも思いますけど.

 ということで,私もまだまだ未熟者ということで,人のことをとやかく言える立場ではないですが,でもなんとか自分が思うようなイメージの服を探して行ければと思っています.でもほんとどこかいい店やサイトないですかね?(って,私のもつイメージがわからなければ話になりませんが(^^;).

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12/29'05

 なんか久しぶりの日記?というか「ちょっと思ったこと」です(と行っても3日ぶりですが(^^;).気がついたらもうほんと年末ですが,別にふつーに仕事しています(^^;.ていうか,ほんと年末年始しか「自分のやりたい仕事」できないんで.でもいざやり始めるとなかなか思うように進まないもんですねー.データとかプログラムとか「引っぱり出す」のに結構時間がかかってしまいます.学生がぼちぼち帰省とかで休み始めているので,あ,あのデータ彼がもってた,とかなってもすぐに問い合わせできないのも痛いです.他大学の共同研究者もそうですね.

 でも周りが年末年始でのんびり休んでいる中で「私は」仕事をしているというのも実は悪くない気分です(^^).変ですかね(^^;?もちろん世界中で私だけがそうならちょっと寂しい気分でしょうが,第一線で頑張ってる人だったら,年末年始関係なく仕事してる人も沢山いると思います.研究室の学生も半分くらいはまだ研究室に出てきて仕事しています.ここで書いた感覚に近いですが,今は別に明日〆切が迫ってるという悲壮感(^^;はないですし,そもそも「自分のやりたい仕事」なので,割と気分よく仕事ができます.

 実は筑波大に来て出した,いわゆる「査読付論文」は,ほとんど年末年始のこういう状況下で書いたものです.つまり,私の「ちゃんとした業績」のほとんどは1年のうち年末年始のわずか2週間くらい(^^;で作られている,ということになります.こんなんでいいんですかねー.逆に言えば,普段もう少し余裕があればもっとばんばん論文書けることになりますが,普段自分のやりたい仕事ができないという鬱憤?を年末年始に晴らしているのかもしれません.でも1年に2週間(^^;じゃあいくら何でもひどすぎます.こういう状況はこれからひどくなることはあっても改善されるとはとても考えられないので,ちょっと何とかしないといけませんね.

 ということで,割といい気分だったはずが,やっぱり何とかしないとだめだ,ということになってしまいました.まあ,今のままでOKと思ってしまうことなんかありえないですけどね.

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12/30'05

 今日もふつーに(^^;仕事してます.でもなかなか思うように進みませんね.でもこれもまあいつものことです.今回は震度算定法の最終版(時代とともに家屋の耐震性能が向上することにも対応するため,震度7が設定された1948年福井地震当時の家屋を対象としてキャリブを行う.戦前は家屋の耐震性能はほとんど変わらない(諸井・武村(1999))ので,歴史地震の震度データと連続性を維持し,大地震という滅多に来ない現象の解明に歴史地震の貴重なデータを活用できる.更に,被害調査に出かけて集めたデータも大分溜まったのでこれも加える)をやっているのですが,アイデアや方針はもう決まっているので,後は「やるだけ」なのですが,やはり一番最初の「データ整理」でとても時間がかかりますし,とても地味ーーな作業です.でもここがとても大事なところなのでどうしても慎重になります.

 でも最先端の研究と言っても実態はこんなものだと思います.今やってる作業ははっきり言って単純作業(でも,絶対にミスが許されないとても重要な作業)ですが,こうやってデータを整理して計算してみて,例えば,1995年兵庫県南部地震の記録が「ほんとは」震度いくつだったのか,そして数多くのいわゆる「極短周期地震動」がほんとは震度いくつになるのか,目出度く?震度6になるのか,それともやはり5以下になるのかはちょっと楽しみです.

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 衝動的に国内1種大会を見られるようにして以来,当然のようにいろんなプレーヤーを見られるようになりました.考えてみれば,野球やサッカーやその他のメジャーなスポーツ選手やそのプレースタイルなどにはかなり詳しいのに,肝心?の自分がプレーするバドミントンのプレーヤーのことをよく知らないというのも変な話です.衝動的に国内1種大会を見られるようにする前にプレーを見たことがあるプレーヤーは,テレビ中継がある全日本総合やヨネックスオープンに出てくるような選手(佐藤,舛田,中西,大束,米倉,平山,小椋,潮田など)と筑波大バドミントン部の学生とそのOB, OG,茨城県大会に出てくるつく国の学生とそのOGくらいでした.女子シングルランキング1位の廣瀬のプレーすら見たことがありませんでした

 いろいろ見てるとやはりとても勉強になります.もっと早く見られるようにしておけばよかったですねー(と言ってもなかなかちゃんと見る時間がないんですけど(^^;).当然のように好きな選手も出てきます.まだそんなに沢山見たわけではないですが,男子で一番好きというかプレーが格好いい(^^;と思うのは,日大の佐伯君ですねー.ものすごく淡々としていて,動きに無駄がないですし,戻りも早く,攻めに転ずる時の「変わり身」がいいです(^^;.T大バドミントン部で昔言われていたいわゆる自己陶酔系(^^;という感じもしますが,スポーツ,特にバドミントンというスポーツには大事な要素だと思います.私が文京区でプレーしていたとき時々試合であたった内村さんと似ています(そう言えば顔もちょっと似てるか(^^;).自己陶酔系(^^;にありがちながむしゃらさのなさがどう出るのか,つまり,彼が彼より格上とやるときどういう試合になるのかをちょっと見てみたいですね.総合で佐藤翔治にぺんぺんにやられたみたいですが,放送ありますかね.

 女子で好きな選手は,ランキング1位の廣瀬もかなり好きですが,やっぱり脇田ですねー(贔屓目もあるでしょうが(^^;).彼女が筑波大に入ってきたとき(私が筑波大に来たときに彼女も入学した.つまりある意味同級生?)から見ていてすごい選手だとずっと思っていましたが,最近日本のトップ選手の試合をいっぱい見て全然引けをとっていないどころか,ポテンシャルはむしろ上を行ってる感じがしています.ただ,あまりにきれいなフォームでとても真似できないので,むしろ廣瀬や米倉のプレーの方が勉強になるくらいです(^^;(ランキング1位2位に対して失礼ですかね(^^;).

 そういう意味では,今一番注目しているのは,やはり柴村ですね.脇田の天才的なプレー,フィジカルの強さがすごい村松のプレーはとても真似できないんで(^^;.彼女もインカレで3位になったんで,めでたくランキング入りしましたね.もちろん彼女のシングルに特化したかのような(^^;動きもとても真似できませんが,シングルプレーヤーを目指している私にはとても参考になります.実は先日,脇田,村松,柴村が並んで同時にフットワークやっていたのでじっと見ていたのですが,「折り返し」の着地している時間が一番短いのは圧倒的に柴村でした.ぱっと見そんなに脚力があるようにも見えないのにそれができるというのは,やはり技術だと思いますし,いわゆるプレローディングができているからでしょう.

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 斗利出小に打ち納めに行ってきて帰ってきたら総合の女子シングルの廣瀬vs今別府が入っていたので思わず見ちゃいました(^^;.同じユニフォーム着てるせいもあるでしょうが,プレースタイル似てますね(^^;.サーブを打って構えてタイミングの取り方とか,フォア奥の打ち方とか.確か青森山田の先輩後輩ですよね.髪型も同じ感じですしやっぱ真似するものなんでしょうか(^^;.でも廣瀬のフォア奥の打ち方ってほんとほとんど横向いたまま,というか横向いた状態を通り過ぎたところから打っていて独特なんですが,そこからストレートにもクロスにもばんばん鋭いショットが来るんですよねー.

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12/31'05

 今日もふつーに仕事してます(^^;.でも結局なかなか思うように進まず,とうとう年末になってしまいました.勝負は正月ですかね.でもテレビで「ドラゴン桜」というのをやっていたのでちらっと見てしまいました(^^;.うーん,どんな奴?でもやればできる,というテーマはいいのですが,問題はその「プレゼンテーション」ですねー.ほんとにあんな体を動かしながら?の一問一答の暗記物で1年勉強して東大に受かることはないでしょうね(^^;.2次試験の前日に「y=exp(2x)の微分は?」「y=2exp(2x)!」とかやってるし(^^;.本気で東大に受かろうとする人に本気でセンター試験対策なんかする人はいないでしょうし,センター試験でおたおたするような人もいないでしょう.

 まあ私も受験には相当苦労したので,あまり偉そうなことは言えません(浪人してますし(^^;).何に苦労したかというと「勉強がつまらない」ってことです.ただ,私は大学の先生(研究者)になるつもりだったので,東大に入ることはとても重要でした(実際,筑波大の教員のおそらく半数以上が東大出身.ただし,東大卒以外の優秀な研究者がいくらでもいるのはここで書いた通り).研究は面白いのに勉強はつまらない,でも研究者になるためには(つまらない)勉強をしなければならず,モチベーションを上げるのに苦しんだということです.勉強(人が既に作ったものを学ぶこと)おもしろいと思えればもっと楽できたんでしょうがねー.まあこのやる気の問題は今も厳然として存在するので昔から苦しんできたとも言えます.

 でも,そもそも東大に受かるなんてことは別に大したことではないのは間違いありません.全体からすれば確かに少数ですが,誰かが受かるわけですし,ひょっとしたら誰もできないかもしれないような未知の分野を開拓するという研究とは別次元の(低レベルな)話です.第一,人が既に開拓したことを勉強した程度で合否が決まるものですし,その勉強の仕方を自分で工夫したのならともかく,人から教えてもらって東大に受かっても別に自慢に値するものではないでしょう.

 でも東大なんか行けるわけないと最初から諦めてるから東大に行けない,「その気」になるかならないかが大きな分かれ道になることは間違いありません.東大生と筑波大生を比較すると,はっきり言ってそれほど大きな差はないと思います(ちょっと買いかぶりすぎか(^^;?).でもやはり決定的に違うのは「そこのところ」のような気がします.つまり能力の差ではなくて,「その気」の問題ということですね.

 ただ,みんな「その気」になればみんな東大に行けるかというとそれは全然違います.だって,大学入試は司法試験のような「資格試験」ではなく,入学定員が決まっている「競争」だからです.残念!(もうちょっと古いか(^^;..そう言えば最近あまり見かけなくなりましたね.)とか書いていたら,学生から「長周期地震動と短周期地震動のデモンストレーションの最新版の撮影準備ができました」とメッセが来たので行ってきます(^^;.

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 「長周期地震動と短周期地震動のデモンストレーションの最新版を公開しました.M1の小杉君が頑張って超高層建物の模型を作ってくれました.見事です(^^).周期3秒の自立する振り子を作るのに相当苦労したみたいです(中身は企業秘密(^^;?).4年生の飯塚君が相当頑張ってくれましたが,5秒以上の振り子を作るのは無理だったようです.揺すってるのは4年生の今村君です.正確に1Hzとか4Hzとかで揺するのに苦労してました(^^;(メトロノームもってくればよかった(^^;).これもいずれ電動とかにした方がいいですね.それにしてもいつものことですが,年末という感じがしない年末ですね(^^;.

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 私の希望が叶って,佐藤翔治vs日大の佐伯君の準決勝が放送されました.でも,さすがに全日本総合だけあって,いつの間にか(^^;,解説と実況がついて,なおかつ,ラリーの間に選手のアップを撮るカメラもあってとても実況ぽくなっています.解説は,私が大学の現役時代,全日本チャンピオンを長谷川さんと争っていた銭谷さんだったのですが,すっかりおじさんになっておられました(^^;.

 試合は一方的でしたね.佐藤翔治はかなり気合いが入っていて,ここで叩きつぶすという気迫すら感じられました.佐伯君は佐藤のスピードに全くついていけず,防戦一方になってしまいました.でもこのレベルになると,佐藤のショートサーブを佐伯君がネットかロブで返すのですが,ロブで返すときちょっとでもためが足らずにフェイントがかからないと,あっと言う間にスマッシュをたたき込まれて瞬時にラリーが終了していまいます.ネットで返す場合も同じで,フェイントがかからないと佐藤にネットで返され,ロブを上げざるを得ず,同様にスマッシュをたたき込まれます.

 解説の銭谷さんが,守る気持ちになると動きが遅くなってスピード負けする,守るときも攻める気持ちで守る必要がある,とおっしゃっていたのは勉強になりました.今日の試合もそんな感じでしたね.ここで凹むのか更に強くなるのか注目していきたいと思います.

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 それにしても大晦日という感じがしませんね.かちゃかちゃチャンネルを変えてテレビを見ながら(^^;この文章を書いたり,仕事をしたりしているのですが,紅白見る気にもならないですし(今の時代,男女に分かれて紅白歌「合戦」というのもあまりに時代錯誤で笑っちゃいますよね(^^;),格闘技は嫌いではないのですが,なんかいろいろありすぎていささか食傷気味(^^;です.「大晦日に格闘技」というのはいつからこうなったんでしょうかね?つくばに来る前,東京にいた頃は年末年始はスキークラブの行事でだいたいスキー場にいましたが,その時はもうやってましたね.

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 好きな選手の続き?ですが,ユニシスの石川澄のプレーも結構好きです.そう言えば,ユニシスは日本リーグで優勝したようですね.意外にも初優勝だそうです.おめでとうございます.ユニシスには筑波大バドミントン部出身者が多いのでちょっと嬉しいです.石川はシングルスプレーヤーのようで調べたらランキングは14位ですね.シングルスプレーヤーでユニシスには中西や山田がいるので(早坂も(^^;)日本リーグではなかなか出番はないようですが,佐伯同様淡々としたプレーで,動きが格好良くて私は好きです.

 総合の佐々木翔との2回戦を見ましたが惜しかったですねー.1ゲーム目はすごくいい感じで動けていてジャンピングスマッシュもばんばん決まって割とあっさり取りました.ところが2ゲーム目に入ると,序盤で佐々木がクレームをつけてきました.確か1ゲーム目でも一度クレームをつけたと思います.多分,石川がアウトのジャッジをするときに左手をあげることだったと思いますが,主審は問題ないと言っていたのですが(そりゃそうでしょう),一応石川を呼んで注意をしていました.これが関係したのかどうかはわかりませんが,そのあたりから徐々に流れが変わり,石川の動きもだんだん悪くなり,ミスも増えてきて2ゲーム目を取られます.そしてファイナルは,石川がミスショットやミスジャッジを連発して一方的に取られてしまいました.

 石川のプレーとは関係ないのですが,佐々木がクレームをつけているのを見ていて,勝つためには何でもやるんだな,という感じがしてあまりいい気分ではありませんでした.私も今年の全日本教職員で相手が私のサービスがフォルトではないかとクレームをつけてきて,でも実はフォルトでも何でもなくて私もクレーム自体に動じるはずもありませんが,なんと主審の不勉強のためにそのクレームが認められてしまってサービスをするたびにフォルトを取られてひどい目に会いました.まあそんなことが理由で石川に同情した?わけではありませんが,プレー自体は好きなのでこれからも注目していきたいと思います.

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